超高齢化社会に向けてー住む権利、介護離職、ペットを飼うことー新宿区議会報告
だいぶ遅くなってしまいましたが、新宿区議会第2回定例会の簡単な報告です。最終日にはNHKがハロウィン飲酒禁止条例の取材に来るとのことで、本会議では珍しく賛成討論が行われました。
ハロウィン期間の路上飲酒の制限
渋谷センター街のハロウィン期間の騒ぎから、渋谷区では路上飲酒を禁止することになりました。ところが、渋谷がダメなら新宿に行こう!と新宿へ流れてきてしまった人たちも。そのため、新宿でもハロウィン期間の路上飲酒を禁止しようと今回の条例が制定されました。
過度な規制は問題もありますが、目的が定まっていて(ハロウィン期間など限定)、販売店に対して罰則ではなく自粛の要請の程度にとどまるため、賛成しました。この条例では、ハロウィン期間だけでなく、年末年始なども対象にすることができます。
さて、今回の定例会は会派を代表して区長に質問する、代表質問をしました。
私の質問のテーマは「高齢化社会」。
それも、「超」高齢化になる予想です。新宿自治創造研究所の2023年レポートによると、区内の 65歳以上の高齢者は2020年の6.8万人から45年の8.4万人、70年は9.6万人へと大きく増加する見通しです。
その中で、一番の心配ごとは住宅。
これは、高齢者ご本人やご家族だけでなく、地域の方、不動産屋さんなど、いろいろな方から意見をいただいています。
次に、介護をする人たちの問題。
ヤングケアラーや介護離職をする人たちが増えています。しかし、介護疲れになって共倒れとならない取り組みが必要です。
さらに、見過ごされがちな、ペットの問題。
この3点を質問しました。
高齢者の住宅確保に向けて
住宅は重要な生活の基盤です。
公営住宅法の趣旨は憲法25条の生存権を保障することにあり、その実施は自治体の責務です。現在は収入のある方でも、病気や事故などで収入が途絶えた場合や老後は区外に引っ越しせざるを得ません。それでは格差が拡大し弱者を切り捨て、人権をないがしろにする政策が進みます。持続可能な社会のためには多様な価値観を有する人たちとの共生社会が必要です。
まず、区営住宅を新宿で増やすことは土地が高騰していることからも難しいと思われます。区営住宅の需給予測とその対策についての区の見解を質したところ、やはり区長の答弁は、増加に対する需要を満たす住宅を区営住宅だけで賄うことは困難とのこと。そして、民間住宅の有効活用を図る必要があるという認識でした。
民間住宅については、実はマンションの多い新宿区では人口と戸数を考えると間に合うはず…なのです。しかし、民間は高齢者に貸して何かあった際に事故物件になってしまうと、避けられてしまうのが現状です。また、ワンルームで7万円からと区内の家賃は、相当高くなっています。
家賃負担を軽減する取り組みとして、「家賃低廉化補助」制度というものがあります。住宅確保用配慮者が賃借人となる場合に、賃貸人に対し、家賃を引き下げた場合の差額を補助するもので、貸す人の負担を減らし協力してくれるよう促進する狙いがあります。
現在、他の自治体、23区内では9区で行われています。
区長の答弁では、他自治体の実施状況や効果について研究、となりました。
介護離職を防ぐために
「ビジネスケアラー」という、仕事をしながら介護をする人たちを支える取り組みが経済産業省ではじまっています。介護は先が見えないために仕事を辞めてしまう人も。そのため、実態調査が必要だと質問しました。
しかし、答弁は在宅介護実態調査を実施しているというだけ。
この在宅介護実態調査、というのは調査の対象は介護される側がどうなっているのかという課題であって、介護する側が対象ではありません。
区には高齢者福祉課が主に対応をしているのですが、対象は高齢者であって、福祉の対象はご本人に向けられます。
そのケアをする、介護する側の支援を担当する課はないのです。
今後一層の取り組みが必要となります。
ペットを飼育する責任
おばあちゃんのイラスト、というとひと昔前は縁側で猫と日向ぼっこ、というイメージでした。
高齢者が犬や猫を飼うことのリスクについては、あまり知られていません。
特に、おひとり暮らしの方の場合、自分の死後に残されるペットをどうするのかなど、心配ごとがあると思います。
日頃から、どのようなペットを飼育していること、通っている動物病院の連絡先などをまとめておくことが大事になってきます。
ペットのために遺言を残すことや、信託を利用することができるというように、財産面での整理も可能です。
動物愛護管理法には、終生飼養の責任が定められています(飼育している動物が、その寿命を迎えるまで適切に飼育すること)。
動物と人との関係がよりいいものになるよう、区での取り組みを進めていきます。
代表質問の内容は、上記は抜粋ですのでもっと詳細な住宅政策、ヤングケアラーなどについても質問しています。まだ議事録はこれからなのですが、ご質問等ございましたら、ウェブサイト、ラインなどからご連絡ください。
次回の定例会の準備がすでにはじまっており、一般質問ということで5分程度の短い時間ですが予定しています。
また、秋は区長に対して会派から予算要望書を提出します。そのためのヒアリングを連日行っているところです。
【お知らせ】
10月19日(土)11時~12時ごろ 予算要望に関する意見交換会を開催します。立憲民主党・無所属クラブの区議3名から、昨年度の予算要望の振り返りと今年度要求についての説明を行い、皆様からのご意見を伺います。
予算要望書へ盛り込む事項について、ご意見を伺う機会となりますので、ぜひご関心のある方はご参加ください。
日時:10月19日(土)11時~12時ごろ
場所:落合第一地域センター第1集会室A
無料、申し込み不要
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