【X投稿詩】2024年4月
こちらは、Xにて投稿した詩のまとめです。タイトルは後付になります。
「エイプリルフール」
嘘吐く余裕無く、
午前が過ぎて、
種明かしの必要無く、
午後が過ぎた。
そんな私の4月1日。
世間で言うエイプリルフール。
(2024年4月1日投稿)
「鳥」
モノトーンの空、
風は静か。
遠く遠く、
鳥は飛ぶよ。
遥か彼方の、
群れを求めて。
彼等の痕跡なんて、
ここに無いのに。
(2024年4月4日投稿)
「或る春の一室にて」
ノートを広げ
テレビをつけ
温かいミルクを飲む
テレビに映る世界じゃ
戦争や紛争
災害が起こっている
それを他人事の様に
温もりを謳歌する僕
そして薄情だと己を貶す
昇華出来るか知らないが
文学を選んだ僕は
今日も目一杯ノートに書く
今日もこの国で
桜が散っている
(同上/「#4月4日は現代詩の日」と付けて投稿)
「君のポートレイト」
古いカメラにフィルムを入れたら、
一方的な恋の香りがした。
君を写したポートレイトは、
セピア色に褪せていた。
時を忘れて、君を忘れない。
カメラはもう何も写さないんだ。
(2024年4月8日投稿)
「六畳間」
本の山に埋もれて
知識の羊水に浸る。
暗闇の中で目を瞑り
先人たちの影を見る
本だらけの六畳間。
蟻地獄の様に
深く深く
僕を溺れさせた。
(2024年4月12日投稿)
「小雨」
かつての君が思い出せなくて
午後6時の小雨の中
傘を差さずに彷徨っている
雑踏に混ざる湿度の中は
静かな波紋が僕を指差し笑っている
禁じられた想いだとしても
盲目の歩みにストッパーは無いんだ
(2024年4月18日投稿)
「ココナッツバター」
海風と漂うココナッツバター
それはまだ知らぬ異邦の香りがした
(2024年4月22日投稿)
「生死」
死にたくないから
生きている。
死ぬ気で
生きている。
生死の矛盾は
気づかぬうちに
生じている。
死神も笑っている。
(2024年4月24日投稿)
3月末から4月初旬まで、神奈川新聞社主催の「神奈川文芸賞」に向けて執筆していた為、noteを休止しXをメインに活動していました。
実は、今回の休止をキッカケに詩の書き方を改めました。必要最低限以外の句読点を削ったのです。
私は中原中也を敬愛していて、彼を真似て句読点を入れていました。しかし、「句読点を付ける事は本当に良い事なのか」と他の方の作品を読んでいて思っていました。
句読点を付ける方が意外と少なかったのです。
敬愛するのは良いのですが、それによって散文的になってしまい、韻文的表現の幅が狭まってしまう恐れがあります。
それに敬愛しているだけで、特に句読点を付け続ける事にこだわりは無かったので、今回を機に削る方向に進める事にしました。
私は詩を書き始めてまだ数ヶ月しか経っていません。まだまだ模索途中なので、これからも「アップデート」という意味で書き方を変化していくかも知れません。
そういった変化も、楽しんで頂けると幸いです。
最後になりますが、引き続きnoteとXにて詩を投稿しておりますので、フォローのほどよろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?