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インバウンド戦略を伸び率の指標だけで決めてはならない。

訪日外国人のデータを見極める

伸び率だけで判断する危険性

訪日外国人の伸び率、市町村別トップ100というデータを見たところ、2019年と2023年の1月から8月対比でどうなっているかというと、南伊勢町が三重県の中で79.8倍(ランキング1位)という伸び率でした。伸び率というのは、もともと少ない分母であれば、少し増えただけで伸び率は大きくなります。何が言いたいかというと、2日間仕事をしに伊勢に行きましたが、体感的には伊勢に海外の方々が訪れているという感覚はなかったです。

記者が南伊勢町の観光商工課の向井さんへ「1位になった感想を聞かせてください」と言ったのですが、なんと向井さんが「外国人の訪問者が増加している実感はありませんが、非常に喜ばしいことだと感じています」と話しました。例えば、1ヶ月の訪日外国人数がたった1人から80人になれば、80倍の伸びです。しかし、30日で割れば、1日に3名以下しか来ていないことになります。それではインバウンド需要だ!と体感しづらいです。

そのため伸び率というデータだけ見るのは非常に危険です。伸び率が良いから伸び率の高いところの施策を真似しようとか、どのような取り組みをしているのだろうと分析しても、良い結果は生まれない可能性があります。そのため、まずは人数です。人数の分母が多いところで伸びているところをベンチマークしたり、分析することが重要です。

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