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アフターコロナのインバウンド消費 VUCAな現実にどう対応する?

感染者も減り、緊急事態宣言もまん延防止措置も解除され日本の感染者数も日々落ち着いている中、世界各国の旅行も着々と開始されているニュースをちらほら見るようになってきたかと思います。

タイトルにある、VUCAとは、Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字をとった言葉で、“未来予測が困難な状況”を表しています。これまでもVUCAな状況はいくらでもあったかと思いますが、新型コロナウイルスの影響で一層世界はVUCAな状況にあるかと思います。

インバウンドにおいてももちろん無視できないこの状況下において、日本もインバウンド旅行が動き出すと予測される中、旅行客のインバウンド消費について考察していきたいと思います。

◇◆これまでのインバウンド消費

ざっくりわけてしまうとアジアからの訪日外国人はショッピングがメイン、欧米からの訪日外国人は日本の伝統や食文化、そして歴史・地理などがメインとなっていました。

もちろん、この国の人は絶対こうである!という決めつけは少々乱暴なのであくまでも傾向としてとどめてください。

観光庁の2019年の【訪日外国人消費動向調査】によると

訪日外国人1人当たり旅行支出の国別順は以下の通りです。

https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/content/001335741.pdf

*具体的な数字は上記、観光庁の資料をご参照ください。

【買い物】韓国・台湾・香港・中国・タイ・シンガポール・ベトナムは旅行支出のうち買い物に充てられる消費額多いことが分かります。ロシアは台湾の支出額よりも多く、またアジアの中でもNo,1の中国に次いでベトナムの消費額が多いことが分かります。


【宿泊費】イギリス・フランス・オーストラリアが旅行総額費用の約半分近くが充てられています。それに次いで、スペイン・イタリア・アメリカ・カナダという順です。


【飲食】オーストラリア・イギリス・フランス・スペインといった感じです。
冬のスキーシーズンに多く訪日するオーストラリア、他の3国も滞在期間がアジアに比べ倍以上長いということもあり、飲食の回数が多いということも可能性として否めません。


【交通費】スペイン・オーストラリア・フランス・イギリス
アジアは団体バス利用の割合が多い、また、滞在日数が少ないこともあり、各自の支出額は抑えられており、欧米圏の旅客はジャパン・レール・パスなどの利用が多いと考えられます。


【娯楽・サービス費】イギリス・オーストラリア・フランス・スペイン
具体的な娯楽内容やサービス名が不明ですが、演劇鑑賞や文化体験、Wi-FiルーターやSIMなどの購入などが考えられます。


上記の違いから、アジアはモノ消費が多く、欧米はコト消費が多いということがわかると思います。

◇◆旅客は変化する

昨今のインバウンド旅行に関し、モノ消費からコト消費へとシフトしている流れが多く見受けられるようになりました。

それは、特にアジアからの訪日外国人リピーターに多く見られます。

日本との距離がそう遠くない事から短期間で訪日し、今回は買い物、次回は体験アクティビティなど気軽にできる外国旅行先として受け入れられつつあるのだと考えます。

最近では、スノーリゾートに訪れる訪日外国人は欧米人だけではなく、特に中国や韓国、タイ、東南アジアからも増加していることがそれを証明してくれています。

そして、こうした旅客の変化と時代の変化であるコロナ後は更に変化が見られるのではないでしょうか?

◇◆コロナ禍 OR アフターコロナのインバウンドは?

まず前提として、インバウンドを再開するにあたりどのような条件下においてリスタートするのかが肝になってくるかと思います。

コロナ禍でのワクチン接種やPCR検査がマストな状況下においての訪日観光であれば、今までのような団体は少なくなるのではないでしょうか。

各施設の人数制限やソーシャルディスタンスを保つ必要がある限り、十分に旅行を楽しむには動かせる団体人数も限られてしまうからです。

また、それによって1人当たりの旅行費用が高額になることが考えられるので、訪日される外国人の層にも違いが生まれてくる可能性もあります。

それに比べて、特別な条件が無く、コロナ前と同じスタイルで入国が可能であり、各観光地やレストラン等も制限を必要としなければ、団体も当然考えられます。

しかし、買い物や訪れる場所、体験などのコンテンツについては、いつまたコロナのような状況になるか分からないという心理や今回のコロナ禍で得た日本の文化や商品など多くの情報によって、以下のようなことが考えられるのではないでしょうか。

例えば、

① 滞在日数が伸びる。(特に短期間で訪日していたアジア圏の方)

② 自身がコロナ禍に越境ECで購入した商品についての見学や、巣ごもり時間に参加したオンラインツアーの名所へ実際に訪れ答え合わせをするような旅のニーズ

③ 自国では絶対に体験できないことへの参加

コロナによって受けた世界的な経済大打撃により、お金や時間の大切さを再確認しているかたも多いことから、旅自体はもっと個人主体なものになってくる。

そういったことから、今後は更に消費の変化が見られるのではないでしょうか?

【買い物】自身にとって特別なモノ

【宿泊費】営業時間の制限などがある中では滞在時間を特別にできる場所や部屋

【飲食】制限がある中でもそれを忘れさせてくるような特別な味や空間、帰国後も再現できる

【交通費】FIT利用増加であれば必然と増加する。また、日本ならではの特殊な機体やデザイン、旅の思い出に直結する交通機関

【娯楽・サービス費】自国ではできない体験やサービス 人生に影響を与えてくれるようなポジティブな体験

合わせて以下のコラムを参照してください。

2021年ウイズコロナ時代に求められる訪日観光メニューとは?


◇◆まとめ

国によって消費コンテンツや額が異なるのには様々な理由があり、一概に数字だけでは判断せずに、背景や現実と照らし合わせながら判断することをおすすめします。

いまかいまかと日本への旅行再開を願っている海外の旅行会社が多く存在していることは間違いありません。年内には、インバウンド再開に向け実証実験の開始も検討されています。

コロナウイルスの存在で、社会やビジネスにおいて未来の予測が更に難しくなる状況になりましたが、その反面見えたものも多くあったかと思います。

そういった流れから、アフターコロナに向け多くのサービスが開発され、コロナに決して屈しない世界に発展することを願っています。

ライター:カイトマウリ (JOINT ONE)
コラム元:海外・訪日プロモーション専門広告代理店『インバウンド ONE』


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