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「入社3年目からのキャリアデザイン」。節目、節目でキャリアを考える必要性。
新年度がスタートして早1か月が経過した。
学生は進学や進級、社会人は入社や人事異動と、環境が大きく変わる節目でもあり、気持ちも新たに毎日を過ごしている人も多いだろう。
社会人にとって「入社何年目」のカウントが1つ増えるのも、またこの時期だ。
「石の上にも3年」のことわざがあるように、「3年」というキーワードは広く物事の基準として使われる機会が多い。
特に「入社3年目」は、仕事について改めて考えるひとつの節目ではないか。
これまでは新人としてがむしゃらに取り組んできたが、3年目ともなると仕事もひと通り理解し、ひとりで出来ることも増え、周りを見渡す余裕も出てくる。
身近な上司や先輩と自分を重ね、さらには年功序列や終身雇用の制度崩壊による「不確実性の高まり」も相まって、将来に対して不安を抱き始めるのもこの時期ではないか。
自分の将来像を十分にイメージできていない段階で、部下や後輩の指導も任されるようになり、加えて会社目標の達成もこれまで以上に求められると、腹落ちしないまま「将来に対する不安」だけが大きくなっていく。
そうなると結果的に、入社3年以内の早期離職や転職につながるのではないか。
そこで必要なのが「次のビジョン」を考えることだ。
就職活動時には自己分析を通して、自身の価値観や職業観と向き合い、「こんな仕事をしてみたい」「あんなことにチャレンジしたい」などと、意欲や期待いっぱいに入社したはずだ。
しかし3年目では、会社の仕組みや人間関係も含め「この環境で何ができるのか」ということがより具体的に見えてくる。
その時「次はあの部署で働きたい」「この仕事がしたい」といった、入社時とはまた違った考えが出てくるだろう。
この沸々とした思いにしっかりと向き合い「次のビジョン」を具現化することが、今後のキャリア形成において重要となる。
私はこれを「入社3年目からのキャリアデザイン」と呼ぶ。
この取り組みは個人任せとするのではなく、会社側も率先して支援していくことが必要である。研修などを通して従業員にキャリア形成の機会を提供することで、定着化とともにキャリアアップの効果が期待できる。
この時期、「5月病」も重なり、仕事について悩み始める人も少なくないだろう。
社会や技術の進化が加速化、高度化した現代では、自分自身も、自身が置かれている立場も気付かないうちに、どんどんと変化していく。
「入社3年目」を一つのきっかけに、それぞれの節目、節目で、自分の仕事について考える機会が必要ではないか。
※上記内容は、2015年5月6日付の琉球新報_論壇に掲載された記事のリメイクです。
*INAZUMAN*