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講義ノートのとりかた1:文系科目ではBig Ideaをしっかりつかむ(How to Become a Straight-A Student (Cal Newport著)より)
「How to Become a Straight-A student (Cal Newport 著)」ですが、2回目を読んでいます。
今回から、実用的なテクニックについて書いていきます。
2006年の本ですので、スマホを使ってさらに効率の良いやり方があるでしょうが、それでも「ノートのとりかた」の大枠は大変参考になるでしょう。
本書にある「ノートのとりかた(文系科目)」の基本は
ノートパソコンでノートをとる
「ノートをきれいに書く」ことに注目しすぎない
講義のBig Ideaをつかむ
です。
ノートパソコンでノートをとる:
これは文系科目で、ということです。本書では、理系科目(式の導出など、各作業が多い講義)については手書きでノートを取ることが推奨されています。それについては後日記事にします。
なぜノートパソコンかというと、「単純にタイプする方が手書きより速いから」ということです。答えは単純です。すでにノートパソコンは大学生の必需品となっていますが、講義でノートを取るために使っている人はどれくらいいるのでしょうか?確かにカチャカチャ音がするのはうるさいかもしれませんが、利点の方が大きいと思うので、まだノートパソコンを使っていない学生さんには、使ってもらいたいと思います。
「ノートをきれいに書く」ことに注目しすぎない:
これはタイピングでノートをとることと対になっていると思います。今では、大抵のPCに単語登録機能があり、よく使う語句については変換が簡単にできるようになっています。まず、講義ノートなどで迷ってしまうのが、
ノートの見た目
です。きれいな方が、色があった方が、など色々なノート術があります。でも、本書は、
そんなの関係ねー
という感じです。大事なのは、
自分が後でわかるように書く
です。そのために紹介されている技を2つ紹介しますが、一つ目は
短縮語を使う
です。短縮語は自分の造語ですが、現代で言うと「単語登録機能」を使うと言うことです。メールを書く際は、自分もかなりお世話になっていて、
「おせ」と入力すると「お世話になっております。」と変換されるように登録したりしています。
これが講義ノートに対しても効果を発揮します。よく使う語句、「例えば」「特に」「しかし」、その他講義で頻出する単語を登録しておいて、
し → しかし
となるように登録しておくのです。すると、ノートをとるスピードが格段に上がり、内容を聞き逃しにくくなります。
講義のBig Ideaをつかむ:
Big Ideaは「今回の講義のテーマ」と思ってもらえればいいのかな?と思います。これをどのようにつかむのかというと、次の3点に注意して、講義を聞きノートを取ります。
問い
証拠
結論
「問い」についてですが、講義は1回1回テーマで区切られていることが多いです。ですので、その講義でテーマになっている問い、出発点を明確にします。ただ、講義の中でそれが陽になっていない場合も多いので、それを連想しながら聞いておきます。
そして、その問いの答えが導かれるような「証拠」(本書ではevidence)を書いていくわけです。ここで、最初の問いがまだわかっていない場合は、証拠をとりあえず書き続け、問いを連想したり、講義の中からピックアップするようにします。
最後に、その講義での「結論」を拾います。
本書に、そのノートの取り方が書いてあり、例として引用すると(かなり端折って書きますが)
問い:ローマ帝国の大きな衰退は本当に起こったのか?
証拠:文献1:キリスト教と異邦人による記述
文献2:文献1と同様の内容
しかし:これら二つの文献の著者はヨーロッパに住んでいて、
地理的に狭い視野から論じたものである。
結論:一般的に語り継がれている災害のような衰退は欧州視点から見たもので、これは、かなり誇張されているものである。
というふうに、かなり簡素に書いてあります。しかし、これを見ると、確かに講義内容の概要を把握するには十分です。
これらが部分的にわからなかった場合は、学生同士で意見交換したり、先生に質問したりできますし、「何がわからなかったのか」が明確で非常に良いと思いました。
先日、あるセミナーに参加して、これを意識して聞いていたのですが、確かに、セミナーの全容を把握する上で非常に役に立ちました。
自分が発表する際も、これを特に意識することで、よりわかりやすい発表になると思います。
最後に、このノートの取り方で適しているのは
MindMeister
と思いました。
簡素で、内容のつながりが視覚的にわかりやすいです。
おすすめです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。