【孫子】ボカされているところは自分で考えろ!【最高の戦略教科書 孫子 守屋淳著】
「孫子」。読めば読むほど面白いな〜と思います。
今回の一言はこちら(P170(守屋淳著「最高の戦略教科書 孫子」日本経済新聞出版、2014))
兵を用いるの法、十なれば、則ちこれを囲み、五なれば、則ちこれを攻め、倍すれば、則ちこれを分かち、敵すれば、則ちよくこれと戦い、、少なければ、則ちよくこれを逃れ、若からざれば、則ちこれを避く
意味は、(P171(守屋淳著「最高の戦略教科書 孫子」日本経済新聞出版、2014))より
戦争のしかたは、次の原則にもとづく。10倍の兵力なら、包囲する。5倍の兵力なら、攻撃する。2倍の兵力なら、分断する。互角の兵力なら、よく戦う。劣勢の兵力なら、退却する。勝算がなければ、戦わない。
この言葉そのものよりも、本書にあった「よく」の解釈の仕方に感銘を受けました。
筆者いわく、
○ 孫子は読みにくい、難しい
○ それは、肝心の内容がぼやかされているからである
○ なぜなら、孫子は雇われコンサルタント的な立場だったため、本を読むだけで全てのことがわかったら、自分自身の必要がなくなり、雇われない
○ だから、肝心なところは、自分がいないとわからないようにした
なので、その曖昧な部分は、読み手によって解釈され活用されてきており、さまざまな解釈がある、というのです。
そこで自分はこの文章について考えました。パッと思いついたのは、「よく」のところではなく、他の部分です。
この文章は、
自分の体勢が相手(もしくは周り?)と大きく差があった場合は、絶対こうするのですよ
と説くことが実は第一の目的なのでは?ということです。格差がついている場合は、絶対に勝機を逃すな!逆に負けが決定しているときは、絶対戦うな!ということが言いたいのかな、と思いました。
互角の場合に関しては、本書に「『無形』を活かして(P171)」とあるように、お互いの地理的状況など、孫子でいう「情報格差」を意識して臨機応変に対応しないといけない。
しかし、それが人々が一番知りたいところではあるし、それを一言で言うのは難しい。それで、それを「よく」という一言で表し、その真意は孫子を雇ってね(ハート)みたいな感じにしていたのだろうと解釈しました。
孫子をバイブルにしていた人たちは、それこそ、これを教科書にして実践を繰り返していたんだろうと想像します。武田信玄も「風林火山」を、孫子を読んだだけで旗印に決定した訳ではなく、孫子を教科書にして戦を繰り返し、一言一言の解釈を実践により理解していった結果、「風林火山」にたどり着いた気がするのです。
なので、「孫子を読めば軍略、マネジメントに精する」わけではなく、実行→解釈の修正を繰り返すことで、自分の「孫子の兵法」が出来上がるのではと思いました。
まさに「インプット→アウトプット→フィードバック」(by 樺沢紫苑)ですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。