【読書感想文・食品の裏側2 実態編】味覚を取り戻す
Audibleで「食品の裏側2 実態編」を聴きました。
「食品の裏側」を聴いてから、食品添加物が如何に日常生活に入り込み、そして粗悪なものを自分たちが美味しいと感じているのかを知りました。
本作も前作と違わず、むしろ、食品添加物に加えて農薬などにも焦点をあて、日本の食品業界の実態をより強烈に、ストレートに批判しています。
今回、特にタメになった知識は
・粉末だしと鶏がらスープの素を混ぜると美味しかったわけ
・有機野菜を安くするには
に関してです。
和風、中華風、洋風に関わらずよく利用する粉末、固形スープの素ですが、驚いたのは「中身はほとんど同じ」という事実。グルタミン酸などのうま味調味料を使って「旨みのベース」を作るまでは全く一緒で、そこに少しだけカツオ風味、チキン風味、野菜・ビーフ風味を加えることで異なる「味」にしているのだそう。この部分を聴いた時、自分が中華スープを作ると時に和風粉末出汁を入れた方が美味しいと思っていたことを思い出しました(今はやっていません)。
そらそうだよね。だって中身がほとんど同じなんだから、そこに「風味」が足されただけで、あとは同じ。美味しいと思うのは間違いありません。これが本当かどうかはわかりませんが、自分の中ではストンと落ちました。
今、極力スープの素は使わないようにしています。だけど困るのは中華味や洋風味を出しづらいこと。今まで便利でお世話になっていたんだな〜と痛感し、やはり「味」を出すために使っていますが、簡易的でもいいので、同様の風味を出せないか、思案中です。
次に有機野菜について。著者は「消費者の行き過ぎた美意識」に警鐘を鳴らしています。確かに自分もそうですが、綺麗な野菜、形の整った野菜を選ぶ傾向にあります。しかし、自然の中でそのようなことの方が不自然であることは頭では理解できます。なのにそれを求めている、という事実。
この形を整えるために、機械、人が大勢関わって野菜の値段を釣り上げています。有機栽培では、整った野菜を作ることが非常に困難。よって整った野菜を有機野菜にも求めると、普通の野菜以上に値段が高くなってしまいます。
人間の意識の修正だけで値段が抑えられる
この事実を突きつけられれて、意識を変える努力をしていこう、と決心した次第です。
本書がきっかけで、本書に紹介されていた有機野菜を取り扱うスーパーに行ってみました。偶然近くにあることがわかったためです。そこでキャベツを買って、野菜炒めを作ったところ、妻が「なんかいつもより甘い気がする」と言いました。妻はキャベツが有機のものとは知らずに食べたので、感覚に先入観はないのだと思います。
やはり農薬を少なくすると美味しいんだな、と単純に感心しました。確かに有機野菜は高いです。ですが、貢献という意味でも、少しでもいいのでそのような食品を食卓に増やしていきたい、そう思いました。
前作に引き続き、行動を起こさせてくれる良書と思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。