見出し画像

45歳の転職活動⑬まとめ・所感

①40歳で初めての転職。創業社長の秘書になった。想像と全然ちがった。2018年のこと。

5年前、40歳で2社目に転職した。上場したての急成長企業の創業者の秘書のポジションだ。大企業での社長の秘書経験が買われて採用された。

1社目が1兆円企業だったので、500億円企業の2社目は規模が小さい。「500億円の規模なら楽勝だな」と考えた。

ただ、大企業の社長とは異なり、創業社長は全然違った。

個人で1000億円ほどの資産を0から作った創業者社長。その行動様式や日常生活は大企業社長と全然違った。

〇まず、仕事としては、、、、

・週に2~3回の出社。時間は13時~16時のみ。スケジュールの規則性は無し
・「あれ、どうなった?」と質問があるが、「あれ」は初耳で理解不能
・突然、予定をキャンセル。軽井沢の別荘に行っちゃう
・携帯・LINEで一方的な指示がある。聞き直し・確認は恐怖。意に反したらブチっと電話きられる
・誰一人、反論することはできない。

「プラダを着た悪魔」のミランダと同じだ

◯富・権力としては、、、

・総理からLINEがくる。持ちつ持たれつになっている。
・初芝が外国に買収されないように私財で救済。ニュースでは知られない案件。
・豪華クルーザーの誕生日パーティー。参加者は超有名人のみ。花火代は3000万円
・誕生日には送られてくる胡蝶蘭でオフィスが森になる。
・アメックスカードの請求を見ると、ひと晩で500万円。ワイン代が異常値

日本を動かしているのは、世間では知られていない富豪であると改めて認識した。

1兆円企業の社長秘書をしていた時も、「大資本家」や「大企業の創業者」が登場することがあった。

世の中は、大資本家がコントロールしているのは、歴史的でもそうだし、現代でもそうである。

わたしが秘書をした会社で言えば、「1社目がエスタブリッシュ」、「2社目が新興勢力」といったところだろう。

通常、知り得ない1兆円企業の社長のはなしを、以前まとめた。2社目の経験で、教えてもらった内容は本質的だと再認識した。


②2社目の会社に転職をした目論見

2社目を創業社長の秘書として入社したのは、近くにいれば、恩恵に預かることができると考えたからである。

上場させた創業者にとってみれば、1万円の価値は1円、100万円の価値は100円、1億円が1万円、くらいの感覚だ(たぶん)。

信頼できる関係を気づけば、金銭的な面でラッキーなことが起きると目論んだ。

けど、その目論見は、極めて浅はかであった。何ひとつ得なことはなかった。。。

「おい、これ、持って」と2億円の時計を持たされたことがある。

目論見では「この時計、そろそろ頂戴することはできますか?」なんて話して、「あ~、じゃ、使わなくなった時計やるよ」と別の高級時計をもらう、なんてイメージであった。

そんな他人本位のラッキーは起こるはずもなかった。。。


③もうひとつの目論見は作戦通り

もう一つの目論見は、名前を覚えてもらえば、出世が猛スピードで起きると考えた。

ラッキーにも、この目論見は成功した。


ある日、本社役員の体たらくに苛立ちを覚えた創業社長が全員を呼び出した。そして、「稲盛を子会社の社長にする」と本社役員に伝えた。

本社役員は、「え!稲盛って誰?」と言う反応だった。

創業社長は国王である。その国王の決定事項は絶対である。全員、「ははぁ~、仰せのとおりに~」となった。

創業社長は、私のことを伝えて、「じゃ、あとはお前たちで考えてくれ」と会議室をでた。そのあと、本社役員は「稲盛って、あいつだよなぁ。なぜ?」とざわついた。

それ以降、私にパワハラをしていた役員や部課長が私を持ち上げ始めた。「聞いたよ、いなちゃん。がんばろうね」なんて感じだ。

そして「稲盛社長、稲盛代表」という役職付きで呼び始めた。役職が上昇したので年収は200万円増えた。入社して2年目のことだ。


④入社して2年間は不遇。最後も突然の辞任だったが、まぁ良し


そこまでの2年間は、パワハラ、モラハラを頻繁に受けた。そのため「マジで不愉快だ。そろそろ無理だなぁ~」となっていた。

辞める気持ちが満々のなか、社長のオファーがあったときには驚いた。

そして、300名規模の社長を任され、それなりにうまく運用できた。

突然辞任を言い渡され、「終わりよければ、全てよし」とはならなかった。けど、社長経験は、私のキャリア上、ありがたいことであった。

⑤これからも同じ感じで

目論見のひとつは成功してキャリアを積めた。給料もあがった。そして3社目にいく。

転職まで二ヶ月間の休み。ひと休止である。ワチャワチャした気持ちが落ち着いてくるのが良くわかる。

そして、どのような心持ちで仕事をしていこうか、40歳後半を過ごしていこうか、なんてことも考える。

そんな中、先日、B'zの稲葉のインタビューを観た。

彼には、情熱的な歌唱から想像するイメージがある。しかし、インタビューは、そのイメージとのギャップが激しい。

日常の彼は、全く情熱的ではない。激しさは無い。ただ淡々としている。学者のような装いだ。

特に印象的だったのが「人生をなんとなく生きてきて、今のようになった」と話していたこと。

見方によっては、なし崩し的に生きている。のらりくらりしている。

何か目標があって、それを追い求めているような熱さはない。

ただただ、淡々としている。

投資の世界では、「頻繁な売買」より「長期保有」ほうが成果が出ると聞いたとことがある。

人生もこれと似ていて、あれこれ行動している方がよさそうにみえる。けど、淡々とこなしている方が上手くいくのかもしれない

物事を受け入れている、許容できているから、淡々と過ごしていく事ができるとも思う。


あれこれ良さそうに見える。他人の方が上位に思える。淡々と生活するには刺激が多い世の中である。

日常で、やれやれ!もっとやれ!となぜか煽られている気もする、それに応じないとダメな気もする。

リラックスして、自分らしく過ごせば良いし、自分で決められるのに、不思議である。

さまざまな事があるけど、気持ちは一定で、できれば少しだけご機嫌な日常を作っていきたい。

そんなんで、新しい職場になっても、今までと同じ感じで、のらりくらりとやっていこうと思うのです。







いいなと思ったら応援しよう!