45歳の転職活動⑩左遷異動と最終面接の結果
①ABC社への異動 初めての勤務
ABC社のある辻堂での勤務だ。遠い。辻堂駅に着いた後、バスに乗る。通勤時間は1.5時間である。
わたしは、2名の子供の保育園への送りを担当している。その送りが終わってから通勤すると出社時間の9時を過ぎる。
そのため、時差出勤にしてもらった。時差出勤にしても、慌ただしさがある。重たい気持ちで電車にゆられる。
ABC社に到着する。
ABC社の社長に電話をいれる。入館カードがないので中に入れない。
「つきました」と連絡すると、さっそく出迎えてくれた。
そして、そのままデスクに案内してくれた。倉庫なのでデスクの周辺は段ボールだらけである。
「9月1日から、課長として着任します。稲盛さんです」と紹介してくれる。
20歳ほどの若い子たちが、「これからよろしくお願いします」なんて言ってくる。「こちらこそ、よろしくお願いします」と返すが、魂は入っていない。
気分は重たい。
②最終面接の結果
最終面接は、3つあった。
1素材メーカー
2インフラメーカー
3ヘルスケアサービス
ABC社の勤務が始まるまえに、2社の結果は出ていた。
見送りだ。。。
インフラメーカーとヘルスケアサービスの2社だ
ヘルスケアサービスは手応えが無かった。それゆえ期待はしていなかった。けど、インフラメーカーはイケる気がしていたので、非常に残念だ。
ヘルスケアサービスの会社の見送り理由は、やや不明確だった。面接をした本部長と合わなかったのだろう。
一方、インフラメーカーは「ほかの候補者がインフラ系の企業で、同じような仕事をしていた」という理由だ。
ライバルに負けた、ということだ。
最終面接の直前に、「必ずイケます!」と盛り上げてくれたエージェントも、「わたしの力不足ですいません」なんて杓子定規なコメントをしてくる。さみしいものだ。
残すは素材メーカーの結果のみ。なかなか連絡がないのはライバルとの比較かも知れない。こころは落ちつかない。
③ABC社 勤務2日目
ABC社へ勤務するのは本当に遠い。旅行である。働く意欲もない中で、この勤務は精神的にキツイ。
用意された席も端っこ。作業する若い子達がチラチラみてくる。
「業務内容を説明します。お時間があるときに、お声掛けください」と気を使ってくれる。
私は、ありがとうございます、と言い受け流す。
積極的に仕事を受けることもなく、昼まで過ごす。
13時になったので、ランチ時間をとる。ふらふら〜と1人で施設の外に出る。太陽がギンギンだ。
ABC社の施設は僻地にあり、周辺にはセブンイレブンしかない。そのためお昼ご飯は、コンビニ飯だ。
セブンイレブンの駐車場でおにぎりを食べる。気持ちが落ち込んでいるので食欲はない。
「暑いなぁ~」と水を飲んでいると、エージェントから電話がかかってきた。
④エージェントからの結果報告
「これは素材メーカーの最終面接の結果連絡だ!」と手に汗を握りながら、電話にでる。
これがダメなら転職活動シーズン2だ。ABC社への勤務しながらはしんどい。
電話に出る前に、神頼みのため、手を合わせて祈る。
「もしもし」。ハスキーボイスのR社のエージェントだ。50社は応募している。けど、この人と話すのは4回目だ。はぐれメタルのように、たまに登場する。
「・・・・」とやや沈黙。
「素材メーカーの件ですが、「内定」の連絡がありました。おめでとうございます!」と言ってくる。
おお!やったぜ!ありがとう!うれしい!
ハスキーボイスで続ける。「縁がありましたね。順調に進みましたが、ここは難易度は高いですよ。すごいですね~」
ハスキーボイスで語ってくれる。
「転職というのはご縁です。候補者の方が、どのタイミングで、その縁に辿り着くかは全くわかりません。わたしも業界長いですが、そのタイミングは人によります。候補者の良し悪しではなく、タイミング。1カ月もあれば、半年もある、それ以上もある。転職は、ご縁をさがす旅なのです」
「夏休みもありましたが、2か月間。短い方ですよ。良かったですね。」
ホッとする。というより、なんか感動する。
「じゃ、内定通知書は追ってメールします。では」と電話を切られる。エージェントにとって通知は日常業務なのだろう。最後は、事務的だった。
ホッとした。2か月間、長かった。
ギリギリだった気がする。
結果として、「年収は微増、通勤は近い、在宅勤務あり、ホワイト企業」で着地した。
入社しないと実情は分からない。けど、ひとまず行く先が見つかってよかった。
エージェントとの電話を切って、セブンイレブンに戻った。食欲が出てきた。「ブリトー、鳥のささ身、ゆで卵、サンドイッチ」を購入した。
駐車場でモグモグ食べた。心が落ち着くと、おいしく感じる。辻堂の何もない街も、きれいにみえる。
ひとまずは良かった良かった。。。不安が解消された。
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