小さい頃の反動

裕福ではなかった。

借金地獄だったり、取り立てられて家族で夜逃げしたりなど番組に呼ばれるほどでもなかった。

ただ小学生の頃にNHKの生活苦のシングルマザーのドキュメンタリーを見ていた時に、そのシングルマザーの一人娘が書いた作文に「私のお母さんは年収が○○万円しか無くて生活するのもやっとです」と涙を浮かべながら読み上げている時に、それを見ながら母親が「お父さんより多いやん」と小さく笑ったのを鮮明に覚えている。

うちは一人息子と一人娘である。

単純計算でも倍やし、多分総当たり戦しても2人ともその子より遥かに米平らげる。

家族で回転寿司に行く時も父親と2人だけ先に牛丼屋に行ってから合致するスタイルを取っていた。

場面で合致というやつ。

さらに80円のかけうどんを食べてからお寿司の皿のカウントを始めていた。

もはや何をメインで食べに行ってるのかもよくわからなかった。

ビッくらポンがなかなか回らなかった。

他のテーブルの家族とは一喜一憂の度合いが違うかった。

本当に同じレートのギャンブルか?と思えた。

この頃はレートなんて言葉を知らないからもちろん思っていない。

貧乏性でゲーセンで100円を投入することも億劫で、ましてやギャンブルなんて宝くじですらやっていないのにギャンブル関連の言葉を使うのがかっこいいと思っている節があるだけだ。

※例→レート、オッズ、安パイ、ロン、ツモ、ペカる、ジャグラー、GoGo!、三連単など。

ギャンブルをしないのは、自分を信用していないからという理由も大きい。

自分みたいな人間が運良くお金を得られるわけがないと思っている。

だからライブや大会の抽選は全てちろるに任せている。

だんじりをしていた時も「自分みたいな人間を神様が事故から守ってくれるわけがない。自分の反射だけが助かる命綱だ」という謎理論で、1人だけ御守りをしていなかった。

なんかこれだけ読むと、どんだけ暗いねん!ダンサーインザダークか!と言われそうですが、そういうことじゃないんです。

実力主義なだけなんです。

むしろ1番自分のことを信じてるのです。

無神論なだけ。

お間違いなく。

話は戻って、全て食べ終えてからしかおかわり出来ない制度の給食で食い溜めをするために、高速で大おかずを飲み込み、コッペパンを潰して口に詰め込み、牛乳パックの端を最初から広げて、両手のひらで圧縮しながら飲み干し、小おかずを進撃の巨人の1巻でお母さん食われる時みたいに上を向いて一口で食べていた。

みんながようやくおかわりする頃には僕は3週目だった。

何度も声を上げて泣かれた。

正当化するために泣く同級生たちに言い放った。

「だってしゃあないやん!遅いお前らが悪いやん!」

ヒトラーもびっくりである。


この頃の反動が今になって来ている。

あの頃頼めなかったチャーシュー麺を頼んで、こんなにはチャーシュー要らんやろ、、頼む人みんなこんなチャーシュー要ると思ってんのか?と驚いたりする。

丸亀製麺の期間限定のタル鶏天ぶっかけにも同じ感情を抱く。

そんな鶏天のせんでもいけるよって。

1〜2個減らしても誰も怒らへんよって。

ショッピングモールのだいたい3階にある駄菓子屋で、当時食べられなかったお菓子を買い込んで、みんなこんなんに熱中してたのか?と思ったりする。

プリンアラモードという物と響きと雰囲気に目がない。

今は反動でスーパーで198円で売られているプリンアラモードをなかなかの頻度で買ってしまう。

みんな同じやつ想像してるはず。

真ん中プリンでマンゴー、桃、苺ソース、ホイップクリーム、そして異彩を放つキウイが囲んでるやつ。

あれ差し入れで貰われへんのかなと考えたこともあるが、どう考えても運搬が無理やし、1日で2個貰ったら食べられへん。

贅沢すぎるから倫理的ではない。

アイスとプリンが同じ日にダブったらあかんと感じる人もいるはず。

それです。

単独ライブの前日には自分に甘くなって、反動の許容が大きくなり、ファミレスのハンバーグを大きい方にして、パフェを頼んだりする。

何故か終わった後は甘くならない。

だるい性格。

だいたい下向いて帰ってソファで天井を見上げながらうなだれる。

帰り道の反動で上向く。

これも反動。

そんな僕が2日前からポケモンカードを始めた。

元々ポケモンのゲームは性格厳選するぐらい真剣にやってた口だが、ポケモンカードはやったことがなかった。

ポケモンの性格によって、攻撃力やスピードが育てていくうちにバラつくので、育てたい方向の性格のポケモンを選ぶことです。

なんかこれも倫理的じゃない気がしてきた。

あとポケモンGoもしていない。

忘れもしない、開始初日に駅のホームで人がごった返して、全員がスマホの画面をしゅくしゅく触りながら、あちらこちらを向いている光景を見て、この国終わったと思った。

あのレベルが一生続くかと思えた。

耐えた。

小さい頃は1996年生まれとは思えない、ゲームボーイ、スーパーファミコン、プレステ1しかなかった。

だから同級生はおろか、少し上の世代よりも前のゲームをしていた。

ポケモンでも僕の世代にしては珍しく赤緑スタートで、ルビーサファイアまでのポケモンしかよく知らない。

遊戯王が同級生たちの中で流行った時も、オリジナルのカードを考えてチラシの裏に書いて遊んでいた。

オリジナルなんだからかっこいいドラゴンのカードとかにすればいいのに、なぜか卵パックのオリジナルキャラクターでデッキを作っていた。

脊髄の真ん中から貧乏なやつのデッキ。

多分そんなやつのデュエルディスクわら半紙で出来てる。

なのに僕が2019年3月下旬にポケモンカードをなんとなく始めてみた。

先輩のネイビーズアフロのはじりさんにポケモンカードを始めてみたことを話すと、みんなそれ小中学生のうちに通ってくんねん!遅すぎるやろ!と言われた。

また反動きてるやんと思った。

ここで反動のことを思い立ってnoteに書こうと思った。

でも今は今で、あの時のルールとは対して変わってないけどポケモンカードの扱われ方は変わってるんですよ!

と言いたかったが、説き伏せられるほどにまとまっていなかったので溜飲を下げた。

ここでポケモンカードのことを言い返すため、そして1人でも多くの人に触れて欲しくてnoteに書こうと思った。

僕がポケモンカードを手にした事の発端はこうだ。

ポケモンセンターの雰囲気が好きでたまに行くのだが、例のごとく2日前に行った。

YouTuberの影響で今、幅広い層の中でポケモンカードが大流行しているというのを思い出した。

初心者が始めやすいように、買ったその場から戦えるデッキが9種類あって、500円で売っていて、何を思ってか買ってしまった。

ラプラスGXデッキ。

なんとなく始めてみたら、本当に充分戦えた。

舞妓の姿をしたピカチュウのぬいぐるみに大はしゃぎする外国人を横目にポケモンセンターのカード対戦コーナーを見てみると、小さい女の子や女子大生、お父さん世代や仕事帰りのサラリーマン、おそらく子どもの付き添いで来て自分もすっかりポケモンカードにハマってしまったお母さん、、、

想像とは全然違う。

もっと高校生クイズの決勝みたいなのを想像していた。

なんせルールも子どもでもわかるような簡単なルールだし、500円で始められるし、カードの絵柄はかわいかったり、かっこよかったり、とにかく子どもの頃の気持ちになってワクワクするイラストで眺めているだけでも楽しい。

僕はまだその域には達していないけれども、小さい女の子が男子大学生と互角に和気藹々と戦っていて、歳の差をかき消すほどの魅力があるんだと思った。

別に幼女と対戦したいからではない。

くれぐれもその辺は。

まじで。

その女の子がフェアリータイプのデッキを使ってて、この子が本編出てきても多分フェアリータイプ使うやろと思った。

そういうところもなんかいいなと思わされてしまうところ。

ただ対戦を見たくて近くに行ったら、スカウトっぽい人が来た時の天才野球少年みたいに会釈されました。

また別の小さい女の子が恐らく初対面であろう僕と同い年ぐらいの女の人にルールのわからんとこ質問してたんです。

なんか想像しただけで微笑ましくないですか?

多分これ読んでる皆さまも500円でデッキ買ってなんとなく始めてみたら8〜9割の人はハマっていくと思う。

かなり高い確率なのでオッズは低い。

またギャンブルしやんくせにイキって使ってやんの。

この記事なんか凄いことよ。↓

企業同士の懇親会にポケモンカードが使われてるのです。↓

https://esportsport.jp/report/p63/

みんなが思ってたのと違うよね?

流行ってるにしても、寛容で敏感なオタクたちの間だけやと思ってたでしょ?

だから例えば初対面の女性に趣味を聞かれて、ポケモンカードと言ったら引いてくるだろうけど、そんなことないよ、と企業の懇親会のサイトを武器にしたい。

そして大前提としてカードゲームを集めている人間へのステレオタイプには納得いかない。

なら世界中の切手とお寺や神社の朱印を集めてる人もキモがられるべきだ。

インスタでよく夜の麻布十番にいそうなOLが趣味で朱印集めてるの見るけど

それがキモがられないならポケモンカードもキモがられたらおかしい

朱印同士は戦われへんし。

朱印ショップで東大寺と鎌倉のはショーケースの上の方に高額の値札がついて置いてるとかもないし。

地域の檀家さんたちの所に月一回ずつ行くのがメインのお寺の朱印は1枚30円とだけ書かれた箱に入っていることもない。

太宰府天満宮の菅原道真のキラとかないやん。

それにそもそも今の日本の文化的に見たら国民のほとんどが何かしらのオタクと言えるぐらいだと思う。

それが日本の経済や外国からの親日感情を支えているのにメディアの悪い切り取りによって無意識のうちに偏った見方をしてしまうように染み付いている所がある。

僕はジャンボ漫画オタクであるが、ワンピースなどの多数の漫画が大衆に好まれたおかげで、この5年ぐらいで、漫画をめちゃくちゃ読むと言っても引く人はかなり少なくなった。

この、オタクであることが必然的である現代日本では自然とオタクというものに対する理不尽な見られ方は淘汰されていくだろうが、その時間を少しでも早くするために手助けを可能な限りしていきたい。

後半急に現役大学生がゴリゴリに出てきてレポートの課題みたいになってきた。

たぶんこの感じは大抵の大学にある社会文化概論みたいな名前の授業のレポートっぽい。

名前に反してカモな授業と思われたせいで、偏差値低めの学部の子たちでごった返す大教室の授業っぽいレポート。

本来のその先生のポテンシャルなら、こんな人気授業になれない、楽だからという理由だけで選ばれる私立大学のグッチの帽子被ったやつのツムツムタイムのレポート。

そのツムツムの指さばきを斜め後ろから見ているミッフィーの筆箱を未だに使っている男のレポート。

ありがとうございました。

またポケモンカードの対戦コーナーでお会いしましょう。

僕も全然詳しくない現状ですが、マニア気質が発動して、如実に詳しくなっていくと思います。

ポケモンカードのことも漫画のこともなんでも話しかけてください。

漫画のことでは滅多に教えられることはないですが、ポケモンカードのことを教えてください。

6歳ぐらいから50歳ぐらいまでポケモンのゲームと同じように愛されてる光景に混ざりたいです。

あの対戦コーナーでやってる大会から出ている部活感めちゃくちゃいいです。

そこも通ってこなかったから反動なのかも。

お笑いしてなかったら青春の何も取り返せないだけだった。

小中高大バイト先でのいじめフルコンプリートの図鑑完成オーキド褒められ人生なのをお客さんにも察されていて、木佐くんはお笑いすることで取り返していってますよね、と言われたりする。

今は人気ない地獄や結果出ない地獄を味わっているが、もしお笑いしていなかったら普通に地獄なだけだったよね。


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