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【OECD Education 2030 プロジェクトが描く教育の未来】 書評#40

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

教育に関しては、他に#34と#32がありますので、もしよろしければ↓

※書影(画像)は、版元ドットコム様から頂戴しています。いつも、ありがとうございます!


基本情報

白井 俊(著/文)
ミネルヴァ書房 出版
2020年12月20日 第1刷発行

全258ページ
読書所要期間7日

私が本書に出会うきっかけ

Education2030を勉強しようと思い手に取った一冊。
ただ、なぜ勉強しようと思ったか。

購入したのは今年の2月。
それなりに前なので、覚えていない。。。

この本の本質・言いたいこと

Education2030の解説・詳説というよりも、このプロジェクトを進めるプロセスに直に関わった著者が、プロジェクトには書ききれないコンテクストを改めて伝えようとするものである。

私が感じたこと

1点目 〜コンピテンシーとは

序章において、コンピテンシーという本書及びEducation2030におけるキー概念についての説明及び各国での理解などについて整理されている。

私なりに簡単な言葉で解釈を試みるとするならば、
『知識により得られたスキルから生まれるその人の態度や価値観』
言い換えれば、
『知識をベースとしたスキルがいくつも寄り集まって形成されるその人としての立ちふるまいの傾向』
と言えるのではないかと感じている。

2点目 〜ウェルビーイングとは

一般には「良好な状態」を表す言葉。

コンピテンシーの先にあるものであり、個人のみならず社会全体の目指すべき状態ということができる。
つまり、個人としても全体としてもいい状態である。

日本においては、教育基本法第1条で次のとおりある。

教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

教育基本法第1条

ウェルビーイングの考え方に照らせば、「人格の完成」個人としてのウェルビーイングその後ろに続く部分社会としてのウェルビーイングを表しているものと個人的には理解した。

3点目 〜エージェンシーとは

Education2030において示される学習の枠組みとして提起されている「ラーニング・コンパス」
この中核的概念とされているのが、エージェンシーである。

定義だけ引用させていただくと、次のとおり。

変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任を持って行動する能力

本書P 79

私が注目するのは、「変化を起こすために」の部分。
ここから私は、次のことを学んだ気がしている。

なぜ変化が必要なのか?
それは、VUCAの時代だから。

なぜVUCAの時代において、変化が必要なのか?
それは、子どもたちがこうした時代を生き抜くために準備する必要があるから。

この準備とは何か?
それは、変化に対応するのではなく、変化を主体的に起こしていくためのクセを身につけるためのもの。

これはまさに「ウェルビーイング」、つまり、
「自分が求める未来を、自分自身で引き寄せる」
ことにつながると考えている。

4点目 〜「主体的」・「主体性」という言葉

終章は、「これからの日本の教育を考える」というタイトルとなっている。
今の子どもたちに求められるものは「主体性」

しかし、果たして子どもたちだけに求められる心構え・心持ちなのだろうか?
それは、間違いなく「否」である。

自分が住む地域に対して、
自分が働く職場に対して、
自分を取り巻く顧客等の環境に対して、
自分の家族に対して、
自分の友人知人に対して、

様々な場面で、様々な人との関わり合いながら、良い関係・いい社会を築いているか、築こうとしているか。

関わらないことで、自分だけ満足していないか。
一方的な主張をすることで、関わっていると思っていないか。

主体性とは、他者と積極的な相互作用の出発点なんだろうということを思いしらされた。

むすびに

タイムラグに関する記載があった。

このEducation2030や、これを下敷きにしたであろう新しい学習指導要領。地域の隅々にまで行き渡り、子どもたち一人ひとりの心の中に刻まれるのは、まだまだ時間がかかることなのかもしれない。

しかし、こうしたことを考え、発信している方々がいる。

バタフライエフェクトではないが、こうした一つひとつの発信が、やがて大きなうねりとなって、今の子どもたちが明るい未来を築いていくのだろうと思う。

その日まで、私たち今の大人が、バトンを持って精一杯走り続けなければ!!


以上です。
日本の教育に対する賛否両論、様々なご指摘のある昨今ですが、これを読むと、どなたも明るい将来を描くことができるのではないでしょうか。

悲観する前に、要求だけする前に、自分自身が考え、自分自身のやれる範囲で動いてみる!

これを学んだような気がします。

本日も、誠にありがとうございました!

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いなかのまどから
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