
井中蛙の映画感想52! 2024/2/4(日) 【仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド】※ネタバレ注意
【仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド】
鑑賞日:2024/2/4(日)
視聴方法:劇場(109シネマズ川崎)
・映像ソフトを事前に期間限定上映するタイプのVシネマをあんまり劇場で見たことが無いのだけど、555は大学時代(2007年頃)に見て平成ライダーシリーズでは好きな作品の1つであったので情報解禁当時から気にかけていました。
・先週の機動戦士ガンダムSEED FREEDOMが奇しくも同じく20年越しの続編モノ(TV版の放送時期もちょうど同じくらい)ということで、あちらの満足度が高かった一方、こちらは上映時間も短いしそこまで予算もかかって無さそう感が如実にしていたので、まあそこまで期待度を高めずに見に行った感じ。
・草加はなんで生きてるのとか、北崎がなかなかドラゴンオルフェノクに変身しないのとかは最終的に作中で理由づけはされるんだけども、そもそもスマートブレインが何故オルフェノク排除路線になってるのかとかが説明されないのでその辺がひっかかるかな。
・たっくんも当初はスマートブレインの手先だったのが裏切る流れがイマイチよく分からなくて、結局寿命が近くて自棄になってたけど真里にほだされたみたいな解釈であってるのか。
・真里がオルフェノクになる展開はBLACK SUNとかの二番煎じ感があってちょっと飲み込めなかったんだけど、オルフェノクが人間を襲おうとする本能に逆らえない描写が真里の視点を通じて今回明確に描かれたのは良い演出だったかも。
・まあ脚本周りの不満点を「井上敏樹先生だから」と納得したりしなかったりするのも割とテレビシリーズのノリに近いものがあるのでそれも含めて正統派続編なのかな?という気はする。(下手にオリジナルスタッフが携わってるので「◯◯氏じゃなくて井上先生が書いてれば」的な吐き出しができないのは良いのか悪いのか)
・でも序盤のクリーニング屋のクレーマーや、交通事故の危険から助けてもらったおばあちゃんが密告するシーンとかの、基本井上先生が人間の善性をあまり信じて無さそうな描写は555感あって良かったってばよ!(おばあちゃんのくだりはワンピースのニコロビンの過去編感あるし、絶対後でスマートブレインの社員に「情報教えたんだからさっさと金寄越しな!」とか詰め寄ってそう)
・ネクストファイズもデザインは正統派令和版ファイズといった感じでカッコいいのだが、如何せん最初に敵として出てくる場面とラストバトルしか出番がないのでちょっと勿体無い。
・あ、でもラストにオリジナルファイズに変身する展開はやっぱり燃えちゃったし、ズルいぞ。
・真里役の芳賀優里亜さんが割と当時の面影を残したままだったり、海堂が変わらず癒しキャラだったり、草加スマイルが見られたりとオリキャス周りは割と好印象でした。
・新キャストも胡桃玲菜を始め短い時間で印象を残すキャラが多かったし、ミューズのベルトが複数の変身者に渡る展開とかも555っぽさがあって良かったです。
・SEED FREEDOMが消化不良だった前作を補完することで遡ってシリーズに新たな付加価値をもたらしたのに対して、こっちは良いところも悪いところも含めて当時のテレビシリーズの原液を飲ませる感じの作風で、テレビ版がそれなりに綺麗に締まってたのもあって「あえて20年後の今続編を制作する意義」について前者ほどは強く感じなかったのだけど、役者さんの年齢とかを考えても同窓会的な作品が作れるタイミングは今後そう無さそうなので、まあそういう意味では良いファン向け映画だったかも。
・ディケイド以降の作品でのファイズの客演はあまり追っていないのだけど、平成1期ライダーは下手にテレビシリーズのその後を描くよりパラレル的な形でお祭り映画に客演してもらう形を続けた方が変に物議を醸すことも無いのかなと思いつつ、でもやっぱり単独作品としての面白さに再フォーカスする上ではこういった試みもありなのかなという気もしてきて、まあ結論は出ないのだが、とにかく新作が作られ続ける状況にまずは感謝という月並みな結論に落ち着くのであった。