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井中蛙の映画感想76! 2025/1/2(木) 【劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】

【劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-】
 鑑賞日:2025/1/2(木)
 視聴方法:アマプラ
 視聴ステータス:初見(テレビシリーズの1stシーズン、2ndシーズンは視聴済み)

 本年の一発目はこれや! 2024年は毎週とまではいかないまでも、それ以前に比べればまあまあ映画鑑賞数を増やすことができた。2025年も続けて行きたいものの、YouTubeでビーストウォーズネオ、神風怪盗ジャンヌ、キングゲイナーの配信を追い始めた状況であり、週末にさらにエンタメを消費するモチベーションが沸くかどうかという感じなので、まあ無理をせずぼちぼちやっていこうかな。
 

視聴経緯


・ガンダム00については未見の状態だったところ、去年の頭ぐらいにYouTubeのガンダムチャンネルで1stシーズン前半1クールの配信をやってたのを見始めた感じ。当時は「SEED FREEDOM劇場公開の余韻に浸っている状況で別のガンダムシリーズを咀嚼する余裕は無いよー」みたいな心境だったのだけど、なんやかんや毎週面白くて見続けていた。

・その後、時間を空けて1stシーズン後半の配信が始まったのに気づかず見過ごしてしまっていたのだが、昨年後半にアマプラに00、ZZ、W等のガンダムシリーズが見放題入りしたので、年末年始休暇を使って2ndシーズン、劇場版まで一気に消化した流れ。(親のコロナ罹患もひと段落して無事元旦に実家に帰省できたので、そのままのんべんだらりとした年始を過ごしております。)

TVシリーズの感想


・1stシーズンにおいては、「アメリカ、中露、EUの三大国の群雄割拠に割り込んでいく主人公チーム」という構図に前年の『コードギアス 反逆のルルーシュ』(こっちは放送当時リアタイしていた)に近いものを感じた。とはいえあちらが零細テロ組織からの成り上がり天下取りがストーリーの主軸だったのに対して、こっちはガンダムチームの圧倒的な武力に翻弄される世界情勢にフィーチャーしていて、また違った味わい深さがあって面白かったです。大国同士の睨み合いに加えて各国家群内の加盟国にもそれぞれの思惑があり・・・とだいぶ複雑な話の構造にはなっているものの、戦記物+群像劇が好きな層にはだいぶ刺さるなという印象でした。各陣営それぞれにライバルキャラクターが配置されているのも良い。

・2ndシーズンに入ると一転して地球連邦軍vs反政府勢力のシンプルな対立構造になるのでだいぶ作品の趣も変わってくるのだけど、1stシーズンでばら撒いた伏線や人間関係を基盤にしてドラマが展開・収束していく流れはよかったです。なんやかんや続きが気になってどんどん次の話を再生してしまった。

・ただ群像劇としては面白かった一方、多すぎるキャラの処理に追われて若干後半の展開が駆け足になってしまった面も否めなかったと思う。割と雑に死んだキャラもそこそこいた印象。(1期からフィクサー的な存在感を放っていた王留美と紅龍の素性が明らかになるくだりとかはわりと面白かったのだが)

・とはいえメインキャラである刹那や沙慈、マリナ達のドラマや成長はきちんと一貫して描かれていたので十分面白かったと思います。

・あとドラマパート偏重の作風かというと必ずしもそうではなく、アクションシーンもだいぶ気合が入ってたのはロボットアニメの面目躍如で良かった。1話の半分くらいがバトルパートの回とかも結構あった印象だし、なんやかんや毎回モビルスーツの見せ場はあったと思う。メメントモリ攻略戦やブレイクピラー事件等、アクション面で手に汗握る回も多かった。トランザム等、外連味全開の作品固有ギミックの存在もナイス。

・ガンダムにありがちな地球上の統一国家vsスペースコロニー的な対立構造をあえて採用せず、地球の国家群間の争いをストーリーのベースにしたり、軌道エレベーターをSF要素の主軸にしたりしたところは野心的で面白かったと思います。ところどころに挟まるファーストガンダムのオマージュ要素も良かった。


劇場版の感想


・劇場版はTVシリーズで言及されていた「イオリア計画の最終段階(地球外生命体との対話)」に踏み込んだ内容で、ガンダムシリーズで宇宙人との戦いをやるのはどうなん?的な意見もあったようだけど、「対話と相互理解」をテーマとしてきた00シリーズの完結編としてはだいぶ納得感の強いストーリーだったと思います。

・敵であるELSの描写は『トップをねらえ!』の宇宙怪獣を彷彿とさせる感じで、圧倒的な物量と融合能力による絶望感をビジュアル的な説得力を持って描いてくれていたので良かった。

・フェルトが刹那に恋するヒロインの立場に置かれているのはTVシリーズ終盤の時点でもだいぶ唐突感はあったのだけど、今作も一貫してそのポジションで描かれたものの、結局刹那にとって一番大切な存在はマリナ・・・というのがエピローグなのはなんかかわいそう。いや、ラストはめちゃ感動したのだが。

・セルゲイ・スミルノフの生き様がキム中将やアンドレイらに影響を残している、ということをしっかりと描写してくれたのは、前作で退場したキャラクター達も確かに作品世界に存在していたのだ、というのを実感させてくれて胸熱な演出だった。

・沙慈は民間人ポジションに戻ってルイスとよろしくやりつつも、最終決戦時には自分にできることをやる、といういい感じの立ち位置で描かれてて良かった。間違いなく00シリーズの主人公の一人でしょう。

・グラハムやマネキンといったTV版の強敵達が今回は完全に味方のポジションになっていて頼もしさを感じつつ、しかし敵の脅威が彼らの奮闘をも容易に上回ってくる絶望感も描かれてる・・・というのは割と良い塩梅だったと思います。

・新キャラクターのデカルト・シャーマン大尉はゲスト俳優が演じてるキャラということでストーリーの根幹にいっちょ噛みしてくるのかなと期待していたのだが、特に何も無かったのでちょっと肩透かし。

・『SEED FREEDOM』の序盤でも感じた「TVシリーズのその後」の描写によるワクワク感を醸し出しつつ、メインキャラたちの去就を描き、アクション・バトルパートもしっかりと見せ、それまでの作品テーマにひとつの決着をつける、わりと劇場版&完結編としては理想的な出来だったんじゃないでしょうか。なんやかんやこの後の作品世界がどうなったのかとかの派生作品も見てみたいですね。

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