趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.283 映画 デビッド・N・トゥーヒー「ピッチ・ブラック」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は映画 デビッド・N・トゥーヒーの「ピッチ・ブラック」についてです。
本作は割とカルト的な人気のB級SF映画。
続編の「リディック」は観ていて、主演のヴィン・ディーゼルは
「トリプルX」や「ワイルド・スピード」シリーズなどでよく見ている。
スキンヘッドでムキムキな人だ。
イメージ的に「トリプルX」が出世作と思いきや
自分で短編を作り、それをスピルバーグが観て「プライベートライアン」に出演。
そして今作でブレイクしたらしい。
知りませんでした。
確かに今作はB級SF映画の匂いはしますが、ヴィン・ディーゼルは凶悪犯でスキンヘッドでムキムキで夜でも目が利く緑の目をして普段はサングラス、エイリアンさえ素手で倒す戦闘能力、もう最高のアンチヒーロー。
このキャラは強烈ですね。
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物語は、宇宙船に睡眠状態にして犯罪者のリディック(ヴィン・ディーゼル)、民間人、賞金稼ぎを乗せて航行していた。
宇宙船に異常が起こり、睡眠状態の乗務員は起こされます。
船長は死亡し、船は未知の惑星へ落ちていきます。
残りの女性飛行士(ラダ・ミッチェル)と乗務員は必死に船を操り、大気圏に突入して不時着するため、彼女はまだ睡眠している乗客がいる船尾を切り離そうとするが、乗務員に反対されそのままの状態で不時着。
船はかなり損傷を受けて、乗務員はハンドルが刺さり死んでしまいます。
生き残った乗客は目が覚め、リディックは逃げ出そうとしますが賞金稼ぎに捕まってしまいます。
宇宙船には酒ぐらいしか残っていなく、水を探しに行く組と、宇宙船に残る組に分かれます。
飛行士は賞金稼ぎに乗客を見殺しにするところだったと相談します。
その隙にリディックは肩を外し拘束をときます、留守番をしている他の乗客は疑心暗鬼になり物音がして間違えて他の乗客を殺してしまいます。
その死体を片付けているときに、その乗客はエイリアンに食べられてしまいます。
水を探しに行った組が戻ってきて、リディックが殺人犯だとまた捕まってしまいます。
尋問されますがリディックは巣穴を見てみろと言い、飛行士が見に行くとエイリアンが襲ってきて危うく命を落とすところ脱出します。
賞金稼ぎは生き残るためにものすごい能力を持つリディックを解放して協力させようと提案します。
惑星を歩いて探索していると、他の宇宙船を発見します。
中に入り調べると22年前にこの惑星を調査していたことがわかります。
そして22年前のこの時期日食が起こり、彼らの消息が消えています。
そう言えば巣穴にいるエイリアンは太陽光が苦手で、ずっと暗い巣穴にいます。
日食が起こればエイリアンたちが地上へ出てきてしまいます。
すぐにこの宇宙船で脱出するために、不時着した宇宙船からバッテリーを運ばなくてはいけません。
バギーに乗って、大量のバッテリーを運んでいる最中、次第に暗くなってきます。
なんと日食が始まろうとしています。
とりあえず不時着した宇宙船に戻り日食が開けて明るくなるまで待とうとしますが、次々と襲われ、22年前に全滅した人たちと同じことになると思います。
光が苦手なエイリアンに懐中電灯を照らしながら、バギーで宇宙船を目指します。
途中でも何人も襲われ、ついに懐中電灯が壊れてしまいますが、火を起こし松明で光を照らしながら進みます。
リディックは夜目が効くので、彼を先頭に進んでいきます。
少年だと思っていた子は女の子で、彼女が血を流しているので、エイリアンたちはその匂いを嗅いで追ってきていることがわかります。
賞金稼ぎは彼女を置いていこうとするが、リディックと格闘し、その隙にエイリアンに襲われてしまいます。
残りの乗員は必死に宇宙船を目指します。バッテリーはリディックが運びます。
松明も切れて、安全なところへ生き残った人を待機させ、リディック一人で危険なエイリアンたちを避けて宇宙船に行き、電池を装着します。
飛行士も瓶に光る生物を入れて、やってきます。
残った乗員を宇宙船へ連れてくるときに、リディックは必死にエイリアンと戦います。女性飛行士も今度こそ、人を救おうとリディックを助けに行きますが・・・。
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という話。
まあどこかで聞いたようなありがちな設定のSF映画。
それも予算が少ないのか、B級の匂いがプンプンします。
エイリアンは暗闇で襲ってくるという設定なので、映像はある程度誤魔化しができます。
ただしっかりと原作があるのか、キャラクターがわかりやすく、話の筋も練られて、十分に楽しめます。
特に主人公のキャラクターが最高。凶悪犯で、スキンヘッドにムキムキにの肉体、目を暗闇でも見えるように改造していつもサングラス。赤ん坊の頃から捨てられ生き残るために様々な監獄惑星で過ごし天涯孤独、何度も騙されてきたので人を信じず、自分しか信じない。ただ凶悪な見た目だが、少女を助けたり、本当は気が優しい。
もう一人の主人公と言えるのは女性飛行士。彼女は不時着する時に、生き残るために乗客を見捨てようとした罪悪感を抱えながら、必死に責任感を持って全員を引っ張っていきます。ラストの彼女の行動はとても印象に残ります。
他のキャラも上手く配置され、次第に一人また一人エイリアンに殺されていくところは、このジャンルの映画の王道。
この後続編に「リディック」、そのまた続編に「リディック: ギャラクシー・バトルと続きます。
やはりキャラが突出しているというのは強いですね。
主役が凶悪犯(実は気が優しい)というのは面白い。
3つの太陽があり、そこに夜行性肉食エイリアンがいて、22年ぶりに夜になるという設定、22年間共食いをしながらお腹が空いていたんだろうなとw
B級映画なのにキャラが突出しているのでとても印象に残る作品でした。
今日はここまで。
「あんたは他人のために死ぬことができるのか?」
「死ねる」
「そいつは面白い」
/「ピッチ・ブラック」より