趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.127 映画 ジェイソン・ライトマン「フロントランナー」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は映画 ジェイソン・ライトマンの「フロントランナー」についてです。
アメリカ大統領選挙で予備選で最有力候補(フロントランナー)までなって女性スキャンダルで政界を追われた民主党のゲイリー・ハート上院議員の実話が元。
主役のゲイリー・ハートを演じるのは「X-MEN」や「レ・ミゼラブル」の人気俳優のヒュー・ジャックマン。ケネディ再来と言われた若きハンサムな政治家にピッタリ。
監督は「JUNO/ジュノ」や「マイレージ、マイライフ」のジェイソン・ライトマン。お父さんがゴーストバスターズで有名人気監督のアイヴァン・ライトマン。息子も手堅く良い演出をして良い作品を作っている二代目監督。
日本の政治とは違う、アメリカの大統領選の裏側が見えて面白かったです。
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物語は、1988年のアメリカ大統領選挙。民主党のゲイリー・ハート上院議員(ヒュー・ジャックマン)は史上最年少で大統領候補になった。
ハンサムでカリスマ性もあり、ケネディの再来とも言われる。
ゲイリー・ハート陣営は家族や選挙スタッフ総出で、選挙運動に邁進していく。
ついに予備選で最有力候補(フロントランナー)になる。
しかし、その大統領選挙中にとんでもない女性スキャンダルのスクープをされてしまう。
果たして選挙の行方は・・・!
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まあ大統領になっていないので結末は分かりますね。
このゲイリー・ハート映画を見るまで全く知りませんでした。
アメリカ政治に詳しくない自分だけでないと思います。
まあその知名度がないというところでまたこの映画はちょっと損しています。
まあアメリカ人の方が日本の総理大臣の候補の方なんて知りもしないでしょう。
結構良い映画なんです。演出も手堅く、映像も陰影がありリアリティもあります。
お話も割と飽きずに観れて面白いと思います。
役者もヒュー・ジャックマン筆頭に、選挙参謀のJ・K・シモンズ、政治家の妻のヴェラ・ファーミガも、とても上手く良い感じです。
でも、なぜか観終わったあと、なんだかあっさりした印象なのはなぜなんでしょう。
知らない政治家と女性スキャンダルで大統領になれたかもしれない座を失った馬鹿馬鹿しさに、いくら良い演出や映像でもちょっと残念な気持ちになったかもしれません。
いくらイケメンでカリスマ性があっても女性軽視で不倫するような政治家の話はやはり共感は産みません。
あと日本でも世界でも同じマスコミの報道の問題も描かれていてその部分は割と共感できますね。スキャンダルで何人もの人生を狂わしてしまう恐ろしさ。
ただ、カリスマがスキャンダルで転落していくだけの話ではありません。
と、いうことを監督やヒューは言いたかったのでしょうが。伝わりませんでした。
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印象に残るのは、選挙陣営の中に、若い新聞の記者が一緒にいて、飛行機やバスの移動中や部屋で話を聞くシーンです。
マスコミがまさに一緒に釜の飯を一緒に食う間柄になっているところ。
日本の選挙もそうかもしれませんが。
古今東西、政治家だけでなく芸能人や経営者でも女性スキャンダルはよくありますが、自分の一番大事な奥さんを裏切ったりする人はやはり国までも裏切ってしまうと思われるのでしょうか。
政治家の奥さんが彼にこんなふうな内容の台詞を言いました。
「今はまだ離婚しない。それまで自分がしたことの十字架を背負って生きていけばいい」
・・・。
今日はここまで。
「僕たちはみんな、センセーショナルで刺激的で、面白そうなことに気を取られてしまいます。それが人間の性(さが)ですよね。お隣さんを柵越しに覗いて”うわ!あんなことやってる!”みたいな。気になっちゃうのは分かります。でも、それが大事なことかと言われると、そうでもないですよね。」
/ヒュー・ジャックマン