アルバイトから正社員に
外国の学校に行っていたこともあり、帰国後、仕事をしなくてはと思い、就職活動を始めるが、就職雑誌などを読んだことすらない。※当時はそこまでインターネットが整っていなかったような
今思えば準備不足だけなのだが、個人的には今の就職活動という制度がどうしても正しいとは思えない。その話は後にします。
履歴書を書いて、数社受けてみるが、4~5年日本を離れていたこともあり、当時の日本の流行りなどを理解していなくて正攻法での就職はアッサリと諦める。
そもそもスーツを一着しか持っていなかった。
面接の連絡などを待つぐらいなら働こうと思い、アルバイトで外資系の印刷会社に潜り込む。当時面接してくれた方は絶対に続かないと思っていたらしく、自分ではそこまで暗い感じを出してはなかったはずだが・・・何とか採用していただけた。
当時、日本国内で一番の売上を誇っていた店舗だったこともあり、平日の朝9時から18時の勤務で汗出すレベルで働き、11時からの中番のスタッフさんが来るまでは息する余裕がないぐらい走っていた。
印刷機を回し、接客(受付)をして、製本、断裁などをして梱包する。途中のものは24時間営業だったこともあり、他のスタッフさんに引き継いでいく。
休憩も1時間は取れるはずだったが、立ち食いそばを食べ、15分ぐらいで復帰していた。勿論、強制されたわけでもなくちゃんと休憩しているスタッフさんもいたが、当時、忙しい自分に酔っていたのか、何度か終了のタイムカードを押して職場に自主的に戻っていたことすらあった。辛いとは思わず仕事を続けていたし、ミスも起こさなかった。働いていることの充実度が単純に勝っていたのであろう。
シフト上、日曜日などに入ることもあったが、逆に落ち着いた空気感が辛くて時間が長く感じてしまったこともあり、バタバタ動いている方が楽しかったような気がする。
入社3ヶ月後、姉妹店に移動することになった。徒歩圏内で本店が支えきれない量の仕事をカバーするという意味もあり戦場のような本店に比べれば走るスペースもなく落ち着いたお店ではあった。
そこには1年以上先輩の女性スタッフさんがいたのだが、私が加入したことで本店のペースのまま仕事を片付けてしまい、彼女のやる仕事が無くなってしまうこともあり、とてもやりづらい空気を作ってしまった。そこで初めてバランスというものを覚え、ちゃんと話し合い彼女も本音を言ってくれたことでスピードだけでない仕事術ということを学ぶことが出来た。
一人っ子として育ったこともあり協調性というものが高くないというのは自覚していて協力して何かを成し遂げるというのが得意な方ではない。それは今でも近い感覚がある。
印刷物に関しては発送、店頭受け取り、そしてデリバリーという形で納品する。私がその後経験する営業職はこのデリバリーの仕事が含まれ、顧客を広げ、打ち合わせから現行のピックアップ、仕上げ確認、そしてデリバリーが一連の作業となる。
この頃になると当時の営業の社員さんとも随分とお話をさせていただく機会が出来ていた。これは支店での時間的余裕が導いてくれたとも言える。当時広告代理店の方も数多く来店してくれていてその中でも高級時計の資料を作られる非常に綺麗なお姉さんがいた。今考えると非常に不純な理由ではあるが、作業し終わった印刷物をそのお姉さんの会社まで届けるということをちゃっかりやっていた。綺麗なお姉さんに「ありがとうございます。」と言われたいというだけがモチベーション!!
この時間を確保するのも先輩スタッフさんとのコミュニケーションを円滑にし、仕事を終えておくことが出来き、私の完全な下心を理解してくれたことだと今になれば分かります。
その後も何度か営業さんが営業先の会社まで連れて行ってくれたりもしました。アルバイトなのに・・・きっと、何かを察していたのかも知れません。
そう、アルバイトとして入社して半年、私のモチベーションはスタッフの作業着からスーツに着替えたかったのです。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
次回、正社員としてのスタートです。
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