「何かを決める」は「選ばない」を決めること。
HONE(ホーン)代表・桜井さんのツイートが興味深い内容でした。
保護者会の会長をやっていて思うことは、意思決定の難しさ。Aという判断をしたら「Bは考えたのか」「Cが大切だと思う」「そもそもDはどうなのか」など、横槍がたくさん飛んでくる。思考プロセスを言語化して納得してもらえるよう伝えることはもちろんのこと、心ない一言に耐えうるメンタルも必要だ…。
しかも、保護者は家庭環境も違うので価値観が違う。企業のように1つの目的・目標に向かって進んでいるわけでもない。そもそもそこまで真剣に考えている人の方が稀で、ほとんどの人は面倒ごとを避けたいと思っている。そんな中で(もちろん無給で)取り組んでいるモチベーションとは一体なんなのか…。
Aに決めようとすると、BやCの意見が出てくる
桜井さんのツイート、とてもよくわかります。ぼくも地域の会合に出るときはよく体験します。あれはツラい。
また、クライアントワークでも同じようなことは起きます。特に、顧客側での協議時によく起こり、決まらないまま途中で停滞してしまうケース。
そういう時、「何かを決めることは、他を捨てることだと考えてください」とよくお伝えします。
何かを決めるときのポイント
・「何かを決定する」はということは、他の選択肢を「一旦捨てる」こと
・だから、優先順位の決定を最初にやることが大切
・選択肢ABCそれぞれの目的と手段を分解して、優先順位を決める
・選択肢と目的は1対1の関係にするのがポイント
・Aが実現したらBをやる
だいたい上記の説明で仕切り直しができて、前に進めることができます。
「何かを決める」ということは、「選ばない」を決めることです。
「選ばない」を決めることで、限定的な機能を創り出せます。
「限定的な機能の創出」これこそが「何かを決める」という手段が持つ役割です。
「決める」を目的化させない
あれもこれもと全てに配慮した「完璧な決定」は現実的な力が乏しく、それ故に機能を持たず、「決める」ことの意味を失いがちです。
そもそも、「完璧な決定」はほぼ存在しないはずです。妄想や願望に近い。しかし、「決める」を目的化してしまうと、往々にして存在しない「完璧な決定」についての議論に注力してしまいます。いわゆる机上の空論です。
そういった会議は「決める」が目的化しています。本来、「決める」は限定的な機能を創出するための手段のはずです。妄想や願望で生まれた決定事項は現実的な実行力が貧弱なために、その多くは機能しません。
「何かを決める」は「選ばない」を決めること
「選ばない」の決定で、限定的な機能を創り出せる
「何かを決める」は「選ばない」を決めること。最初にこのルールを宣言することが、意思決定のミーティングにおいて重要だと思っています。サッカーをやっているのに、急にドリブルされたら混乱するし、そもそもゲームにならない。「これから、何のゲームをするのか」の共有が意思決定には大切だな…と日々の仕事で感じています。
個人的妄想
以下は根拠のない個人的妄想ですが、学校のクラス会でよくやらされた「皆の意見をまとめる」の弊害が尾を引いているんじゃないか…と勝手に思っています。
ぼくは大体がクラス委員だったので、よくやらされましたが実に不毛な体験でした。目的と手段も、優先順位も何もなく、 「話し合った」というアリバイ作りが目的になっている会。そして、PTAや地域会は小中学校のあれを再現している。キツい。…と出席する度に体験しています。
せめて小中学校のアリバイ作り会からは卒業したいし、学校もまだあれを続けているならやめてほしい。意外と尾を引いています。偏見ですが。
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