好きなものを思いついたままになんでもnoteに書き出していく / 映画『青の炎』
僕の好きなもの
サッカー、ゴールを決める瞬間、デルピエロのボール捌き、アルデンテのスパゲッティ、樽の効いたワイン、友達との飲み、馬鹿笑い、その瞬間に合うピッタリな言葉、女の子とのなんでもない会話、切ないあの夜の思い出、夜更かしして読む本、本の貸し借り、昔読んだ本や映画をみかえすこと......
これは僕が思いついたものを連想していって書き出した「好きなもの」なんだけど、それではあなたの好きなことはなんでしょうか?
「不思議と心が落ち着くのよ」
映画『青の炎』の中でヒロインの紀子が湘南の堤防を歩きながら主人公の秀一に話しかけるシーンでこのように言っていた。
「好きなもの なんでもいいの
とにかく思いついたまま
順番にノートに書き出していくの
中略
そうやって全部書き出して行けば
不思議と心が落ち着くのよ」
日々過ごしていると漠然とした不安感や、自分が何をやりたいかがわからず途方にくれることがある。
これはそんな時に思い出したい言葉だ。
作中で秀一は物語の最後に「好きなもの」を愛用のテープレコーダーに吹き込む。
「ロードレーサー、ロードレーサーに乗ってる時に見える景色、母さんの手料理、遥香の膨れっ面、大門の下手くそな絵、笈川の冗談、紀子の裸のスケッチ、寝言を喋る犬......」
運命に苦悩し自らの犯した罪に翻弄されていく彼の世界にも、確かに「好きなもの」が存在し溢れていたのだ。
何層もの「青の炎」
この映画のタイトルにもなっている青の炎であるが、これについて感じられたものを3つ書き出してみる。
1.若さとしての青
2.静かげに見えるが高音である青色の炎
3.チェレンコフ光の青白い光
1と2においては想像がつくかと思うので、ここでは3について補足を。
「水などの透明な物質中をエネルギーの高い電力を浴びた粒子が高速で通過する際に青白い光が発生する」
作中の序盤で泣きじゃくる秀一がテレビから流れるこの説明と映像を偶然目にすることでなにか決意を固めるようなシーンがある。
若さゆえに抱く大人や世間に対する苛立ちが、時間の解決を待てずに早合点し暴走してしまう...
そんな青さを表した象徴的な場面だ。
「想像力」青さからの脱却
「想像力」
作中でも秀一から度々口にする言葉だ。
今回映画『青の炎』を見返して刺激されたものでもある。
作中でのキーアイテムの一つであるロードレーサーは、秀一を表しているものでもあるように思えた。
従来の自転車に比べスピードは出るものの乗りづらい。(作中秀一は誰かにロードレーサーのことを自転車と言われると必ず「自転車じゃない、ロードレーサー」と訂正を入れる)
先に述べたチェレンコフ光の如く「早すぎる」行動。
また、「想像力」こそが人を人間たらしめるとさえ言わんばかりのある種の傲慢さの垣間見える性格。それにより他者と深く関わることができない生きづらさ。
そのロードレーサーに興味を示す(週一に歩み寄る)大人達も作中には現れ、そこにはわずかでも救いを見ることができた。
他にも「想像力」をかきたてられるシーンがたくさん詰まった映画であった。
今回10数年ぶりに見返すこととなったが、以前に観た時より遥かに様々な気づきや考えさせられる場面があったことに気づいた。
こういった気づきが映画や本などの創作物を見返す楽しみでもあり、また自分が過去よりも少しでも成熟したことを感じる瞬間である。
作品の全てがその時にわからなくてもいい。
ただ少しだけでも感じられるものが見る度に増えていけばいい。
そんな想いでまたあの道へペダルを漕いでいきたい。
おわりに
再読・再観のすゝめ
みなさんは以前に読んだ本や映画などを見返すことはありますか?
僕は本が中々読めなくなった最近だと、同じアニメを何周も観たりなんてのをよくやってました!
一回目は観たままをストレートに感じて、二回目以降は好きなシーンやセリフを楽しんだり、はたまたその時の自分とダブらせてより深く感情移入したりと違った楽しさがあってとても楽しいですよ(^O^)
この映画を観た当時なんて、
「鈴木杏がかわいいw」や
「あややの水槽のシーンがなんか引き込まれる!」
くらいにしか思ってませんでした()
(そして二宮くんが「ロードレーサー!」って言い直す真似をしてた汗)
そんな具合になんか昔観たなー・読んだなくらいのものでも見返してみると新たな発見があっておもしろいですよー!
ぜひお試しあれ(o^^o)
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