供給が少ない最愛のFキャラクター・ヨドバ氏について語る
この記事では、推しの「ヨドバ氏」への愛を語る。
「ヨドバ氏」とは藤子・F・不二雄先生の異色短編集に出てくるキャラクター。
カメラシリーズ(「ビッグコミック」にて1981年〜1983年に掲載)のキーマンとして登場するのに、残念ながらグッズが少ない……
好きすぎて、藤子・F・不二雄ミュージアムまで行って原画を観に行ったこともある。(私は北海道在住です)
この記事はあくまでヨドバ氏への愛を語るのが目的のため、なるべくネタバレにならないよう努めます。各話の核心やあらすじはここには、あまり書かれておりません。
●ヨドバ氏って?
基本情報
【名前】ヨドバ
【職業】カメラのセールスマン
【年齢】不明。
・遠い遠い未来から旅行で、現代の日本にやって来た(詳細は「懐古の客」にて描かれている)
・初出は1981年7月24日号の「ビッグコミック」に掲載された「タイムカメラ」。全9話。
・「丑の刻禍冥羅」以降は登場していないようなので、「きっと、未来に帰れたのね」と勝手に思っている……
●供給が少ないよ
wikipediaを参照するに、ゲームや映画にもちらほら出てきているようだが、ピンでのグッズが少ない。
まさか、私が見落としているの?!
あなたの知っているグッズがあったらぜひ教えてくださいね!!
幻のオープニング
原画を見に行った日の何年も前、初めて行った藤子・F・不二雄ミュージアムのFシアターで「ウメ星デンカ&ドラえもん パンパロパンのスッパッパ!」を見た。
おぼろげだけど、Fキャラクターズが勢揃いのオープニングにて、一瞬、ヨドバ氏が最高の笑顔でセンターに来たのを記憶している。
夢だったのかな……
Fシアターの上映作品は、ここでしか見れないことを売りにしているため、当然、円盤化されない。
アニメ作品は期間によって変わり、オープニング映像も作品によって違うらしい。
原画を見に行った日の上映作品には、ヨドバ氏の姿はなかった。Fシアターに行けば、いつでもあのヨドバ氏に会えると思っていたのに……悲しかった。リバイバル上映もあるようだが、もう、見ることはできないんだろうな……
チーズケーキ発売
2023年1月に「ヨドバ氏のはい、チーズ!ケーキ」の発売が決まった時は嬉しかった。でも、食品なので通販がない。ミュージアムに行って買うしかない。
やっぱり人気? 表紙を飾るヨドバ氏
藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス の5巻では、表紙に!
愛蔵版はとっても可愛い表紙に、ヨドバ氏の金属プレート付き! やっぱり買うべきなのか……?(異色短編集は全巻持っている)
※追記(2024.10.12)
買ってもらいました!(自分で買うつもりだったけど、いいよって言って買ってくれた)
もちろん通常版も安定の可愛さ。バッグチャームにして毎日持ち歩きたいほどである。
ちなみに、ヨドバ氏は配色にピンクを使われることが多い気がする。カメラや、シャツがピンクになっている。
●ヨドバ氏の推しポイント
もし、私が値ぶみカメラでヨドバ氏を写し、最後のドットを押したら、間違いなくこうなる。
なぜ、こんなにもヨドバ氏のことが好きなのか、説明する時間を私にください。
(1)シルエットがイケメン
初登場のコマはこちら。
私は、このシルエットに一目惚れした。
ベタで塗られたスーツがミステリアス。
道端に倒れていてこんなにオシャレなことある?
(2)可愛い(ごはんを食べさせてあげたい)
とにかくお金がないため(未来のお金しか持っていない)、いつもお腹を空かせている。ごはんを食べさせてあげたい。
絶対、なんでも美味しいって言って食べてくれると思う。「未来にはこんな物ありません」「合成肉じゃないんですか?」って(「懐古の客」より)。刺身とかあげたら、免疫なくてお腹壊すのかな。
(3)言葉遣いが綺麗
セールスマンなので。基本的に敬語。
私は、つい、くだけた言葉で話してしまうので、言葉遣いが綺麗な人が好きだ。
(4)清潔感がある
私も気をつけないといけないけれど、清潔感って本当に大事。未来のスーツや靴には、汚れない加工でもされているのだろうか。
●ヨドバ氏をもっと知りたい
このヨドバ氏、セールスマンなのに、ちゃっかりしているのか、いないのか、よくわからない。
兎に角掴みどころのない人物だ。
無一文同然なのに生き延びているくらいだから、なんだかんだちゃっかりしているのだと思う。(もしかしたら未来人は食べなくても生きていける特殊な手術などをしているかもしれないが)
ふらっと現代にやってきたわりには商売道具のカメラも持参してきており、商魂たくましい一面がうかがえる。
一方で、その大切なカメラをとても安い値段で売ってしまうことも。その後に人の命を救ったりしているのに、ヨドバ氏には知る由もないし、何の得もない。
でも、ヨドバ氏は売った後に文句を言ったことはない。売る前に安すぎて断ることはあっても、売ったあとは振り返らない。
時価1億円のカメラを10万円で売ったとしても、食い下がったりしない。
そういう、屈託ない一面もある。
各話で振り返るヨドバ氏
1 タイムカメラ
これさえあれば、ドラレコ不要の優れもの。時価2千万円。「持っているだけでいいから」と言っているだけなので正確な売価は不明。平のサラリーマンが財布に入れている程度の金額なので、数万〜数千円といったところか。
この回では、路上で倒れているだけの謎の男として終わる。一目で心を鷲掴みにされました。
【ちょっと考察】読まなくていいです。
ヨドバ氏の提示する時価と比べると、ヨドバ氏がかなりの損をかぶっているように思える。
しかし、ほとんどのカメラが追加のフィルムを買わなければ使えなくなると推察されるため、いつ、どんな方法で使うかによって価値は変動するのではないか。まさか、フィルムは現代と同じなんてことある? 無いよね。
無駄にフィルムを消費すれば購入者の損だし、うまく使えば使う分だけヨドバ氏の損になる。
そして、ヨドバ氏はフィルムは有限であると伝えていない。意外と悪い男なのか? 普段の可愛らしくコミカルな雰囲気とのギャップにドキドキが止まらない。
2 ミニチュア製造カメラ
被写体になった建物等の精巧なミニチュアを作る。(写した瞬間、写真が浮き上がってミニチュアになる)生き物や流動的な川などは再現されない。
時価1億円のところ、10万円で売った。結果的に、人命救助につながるのだが、ヨドバ氏はそのことを知らない。
3 値ぶみカメラ
提示価格100万円。売れず。試用期間を設けたが、その後に要らないと言われてしまった。ラストに去っていくヨドバ氏の顔がなんとも意味深。
4 同録スチール
写真を撮った際の音さえも録画し再生することができる。提示価格1万円のところ、1万円からカップヌードル1食分を引いた金額で売れた。
学生と500円の分割払いの契約をし、約束通り500円をもらいに来る姿がとても可愛い。
5 夢カメラ
提示価格100万円。被写体がどんな夢を見ているのかセリフ付きで写る。(例えば、推しとデートしている夢を見たなら、それを写すことが可能)睡眠薬とセット売りで100万円で売れた。この回ではひたすら「しごでき」セールスマンである。
6 コラージュ・カメラ
高品質の合成ができる。提示価格100万円。100万円で売れた。汚職事件を明るみにするため、退職金を前借りして買うことに。
でも、まずは子どもに試しに使わせる。ヨドバ氏はこども好きなほうだと思う。でも、「パパ、買って〜」となるのを見越しての計算高さ、強かさもある。
ただ、全話通して言えることは、ヨドバ氏は買った人には幸せになってもらいたい、正しい使い方をする人に買ってもらいたい、という信念を持っている人だということ。
7 懐古の客
この話ではカメラを売っていない。ヨドバ氏がこの時代でカメラを売ることになった経緯が描かれている。ちなみに、ヨドバ氏の名前が初めて明かされたのもこの回。あんなことになっちゃって……可哀想に。
8 四海鏡
10円で譲る。提示価格1億円。車椅子に乗った子に譲ってしまう。それでも、満足して去っていく姿が愛らしい。
ちなみにヨドバ氏、ボロアパートに住んでいるらしい。住む所があって安心した。
9 丑の刻禍冥羅
システムは呪いの人形と同じ。被写体を傷つけることができる。こんなものを売るべきではないと、捨ててしまう。(まぁ一回売っちゃってるんだけど)そういうところが好き。この後に未来に戻れていたらいいな……
ここまで読んで頂きありがとうございました。
カメラシリーズに少しでも興味を持って、読んで頂けると嬉しいです。
そして、みんなでヨドバ氏を布教しましょう。
どうか、グッズがたくさん増えますように……
最後にF先生、こんなに素敵なキャラクターをこの世に生み出していただき、ありがとうございました。
【資料】
藤子・F・不二雄(1995). [異色短編集]3 箱舟はいっぱい 小学館
藤子・F・不二雄(1995). [異色短編集]4 パラレル同窓会 小学館