COFFEE KATAOKA

1993年新潟生まれ。 2年間地元のタウン誌出版社で編集。その後上京、ブルーボトルコー…

COFFEE KATAOKA

1993年新潟生まれ。 2年間地元のタウン誌出版社で編集。その後上京、ブルーボトルコーヒーにて2年弱バリスタを経験。2021年夏に家業である枝豆、米作りに従事するためにUターン。現在は主に新潟三越跡地のみ〜つでコーヒー出店。2024年秋に自家焙煎カフェ開業を目指して踏ん張り中。

最近の記事

コーヒー&シガレッツ

シリーズ コーヒーと過ごすひと ゲストファイル no.2 コーヒー&シガレッツ 「最近いないから、まずい缶ばっかでしたよ!」 店の前のタクシープールを常宿にしている タクシードライバーさんにそう言われた。 毎週、決まった曜日、決まった時間に 同じ場所にいるのだが、 流し流されあちこち行く彼らには、 営業日を伝えても、流れる日々で すぐに忘れそうなので伝えなかった。 「今日もダメだぁ!」 「百貨店が無くなってからさっぱりですて!」 「駅前で客なんか拾わねぇ」 「土日は

    • 無口な読書家

      シリーズ コーヒーと過ごすひと ゲストファイル no.1 無口な読書家 自転車を漕いでいる、もしくは押している そういうわけでもないのに、 ヘルメットを被っているゲストがいる。 自転車走行時のヘルメット装着率が 全国最低の、ここ、新潟市で。 大抵、緑色のTシャツを着ている。 「えぇ〜っと。ホットコーヒーください」 彼の、それ以外の言葉を聞いたことがない。 paypayの画面で正しい金額なのを見せ、 支払いを済ませると、 すぐにいつもの定位置に座って、本をひらく。 で

      • 時空の歪みはきっとある。

        時空の歪みの存在。アインシュタインの相対性理論によれば、重力が「時空の歪み」そのものらしい。 クリストファーノーラン監督の映画『インターステラー』では、違う惑星に行っていた隊員が帰ってくると、待っていた隊員とは違う時間の速さを過ごし、容姿も年齢も変わっていたというシーンがある。 違う惑星で過ごし、それぞれの地での重力の違いによって、彼らの間に違うスピードの「とき」が流れた、ということなんだろう。 動くこと、待つことによる体感時間の違いは、おおむね大半の人が経験済みでしょ

        • Fresh ≠ Best

          「コーヒーにお湯をかけてプクッとなるのは、新鮮な証拠よね」。 確かに新鮮というか、焙煎したての豆ということなんですがね奥さま、じゃあ膨らむのが良いことなのかというと。プクッとなるのは焙煎したばかりの豆からガスが出ているんです。 そのガスは、コーヒーを淹れるの(コーヒーの成分の抽出)を阻害する要因のひとつで、コーヒー成分が抽出されにくいので、味わいがどうもクリアじゃなかったり、未抽出のような味になってしまいます。 そこでじゃあ粉を細かく挽くと、どうも渋くなってしまったり。

        コーヒー&シガレッツ

        マガジン

        • エッセイ
          5本
        • コーヒーと仕事
          5本
        • 生活と映画
          13本
        • デザイン・ブランディング
          1本

        記事

          この関係性に、名前をつけてくれ。

          「カフェオレください。あ、カフェラテ?   え、どっち? まあ、どっちでもいいや!」 コーヒーとミルクの関係性って結構めんどくさい。 エスプレッソにフォームミルクを1:1で足したらマキアート?。 エスプレッソ1にミルクが3~4でジブラルタル(=コルタード)?、 ミルクがほにゃららてカフェラテ、そしてそのミルクが泡泡だとカプチーノ?  めんどくさ!   手を繋いだとかキスしたとか、いやいやご飯だけだよ、の割合で恋人か友人かがカテゴライズされるくらいめんどくさい。 そして、

          この関係性に、名前をつけてくれ。

          コーヒー屋を開こうと思ってからvol.0

          こんにちは、なかなか読めないコーヒー屋こと whassup coffee clubです。 ワサップコーヒークラブです! これまで関わっていただいた方の中に「やべっ..違う読み方してた..」と 気まずく思っている方、あなたが悪いのではありません。 読めないスラングを採用した挙句、間違えても訂正しない私の落ち度です!怠慢です! さ。これまでこのnoteでは、コーヒー屋として活動していこう、と 思うまでの経緯について、三本立てで書いてきました。 興味を持ってくださったかた、下記

          コーヒー屋を開こうと思ってからvol.0

          人の気持ちは簡単に仕分けられない(『ハッピーオールドイヤー』)

          2023年の年末に書いてた文章を掲載します。 年末だと思って読んでください。 ーーーーー Apple musicやらインスタやら、毎年この時期になると、こんな曲を聞いてましたよとか、こんなことがありましたよと報告してくる。または、大掃除や断捨離をすると、過去に出会ったもの、2023年に出会ったものと向き合い、取捨選択をすることになる。それらが引き金となり、ものや写真からいろんなことを思い出す。「あの時は楽しかったなあ、戻りたいなあ」と浸りたい思い出を持っていることはとても幸

          人の気持ちは簡単に仕分けられない(『ハッピーオールドイヤー』)

          んで、店作りどうなってんの?

          【今なにをしているか】 この記事を訪ねてくださった方々、どうもありがとうございます。 お元気ですか。春の陽気に期待しては、冬モードに戻されたり。 体調は崩していないですか。 まず、現在何してるのかというと、12月から3月末までの期間、 妙高を拠点にいくつか店舗を展開しているmyoko coffee のアライリゾート店で勤務しております。ゲレンデを訪れるローカルな方々や、併設されている宿泊施設に泊まっている外国人に向けて、エスプレッソドリンクやサンドイッチを提供しています。

          んで、店作りどうなってんの?

          コーヒーを仕事にしようと思うまで vol.3

          これまで、片岡樹 個人のnoteとして主に映画感想を記してきました。 これからは、引き続き映画やさまざまなカルチャーに触れたことも述べつつ コーヒーマンとしてコーヒーに関するさまざまなあれこれも述べていきます。 まずは、自己紹介がてら、私が今現在のコーヒー活動、それからコーヒー屋開業を目指すに至るまでのことを記していきます。 vol.1 タリーズコーヒー vol.2 ブルーボトルコーヒー vol.3 キッチンカーmullet 構成は、上記の3本立てです。 お手隙のときに、読

          コーヒーを仕事にしようと思うまで vol.3

          コーヒーを仕事にしようと思うまで vol.2

          みなさま、vol.1をお読みいただきありがとうございます。 こんにちは。 これまで、片岡樹 個人のnoteとして主に映画感想を記してきました。 これからは、引き続き映画やさまざまなカルチャーに触れたことも述べつつ コーヒーマンとしてコーヒーに関するさまざまなあれこれも述べていきます。 まずは、自己紹介がてら、私が今現在のコーヒー活動、それからコーヒー屋開業を目指すに至るまでのことを記していきます。 vol.1 タリーズコーヒー vol.2 ブルーボトルコーヒー vol.3

          コーヒーを仕事にしようと思うまで vol.2

          コーヒーを仕事にしようと思うまで vol.1

          こんにちは。 これまで、片岡樹 個人のnoteとして主に映画感想を記してきました。 これからは、引き続き映画やさまざまなカルチャーに触れたことも述べつつ コーヒーマンとしてコーヒーに関するさまざまなあれこれも述べていきます。 まずは、自己紹介がてら、私が今現在のコーヒー活動、それからコーヒー屋開業を目指すに至るまでのことを記していきます。 vol.1 タリーズコーヒー vol.2 ブルーボトルコーヒー vol.3 椎谷コーヒー 構成は、上記の三本立てです。 お手隙のときに、

          コーヒーを仕事にしようと思うまで vol.1

          「好き」って尊いね(『さかなのこ』)

          大学時代にコーヒーチェーン店でアルバイトをしてポワッと思った「カフェをやりたい」という漠然とした思いを叶えるために活動をしている自分の、 あれやこれや、好きなものを探求していける境遇はとても恵まれている。 人それぞれ、自分がやりたいことを叶えるには、きっといろんな障壁がある。 そこそこ偏差値が高い進学校に通っていたとき、成績一位を取ってしまうほど勉強ができる子が絵の専門学校を志望しているのを、その子の担任が制止して大学を勧めた、という旨の話を聞いたことがある。 また、中学

          「好き」って尊いね(『さかなのこ』)

          「旅立つ」という言葉に救われた話

          今から半年ほど前の2021年10月1日の夜に、齢60歳で父親が天国町へ行きました。 中年男性が通る道、中年太り、ビール腹かと思っていたら、肝臓がカンカンに腫れていて、速攻病院へ紹介状。そしてステージ4と判ったのが昨年5月半ばのこと。「田植えが終わったら医者に行くよ」と、なんてことないフリして、体調不良を押し切っていたそうです。一時は薬でよくなり、散歩したり農作業をしていたものの、9月29日くらいから急激に弱り、30日深夜に救急搬送でした。当時横浜に住んでいた自分は、5月に母

          「旅立つ」という言葉に救われた話

          伝聞よりも実体験を積みたい(『リトル・フォレスト』)

          生まれてこのかた、農家の息子として育ってきたわけだが、実はいままで本格的に農業に取り組んだことはなく、収穫した枝豆をトラックに積むだけとか、ブロッコリーに苗を植える手伝いを1日しただけとか、そのくらいしか経験したことがなかった。 しかし、それでも東京に行って、「新潟出身で実家は兼業で農業をしています」と自己紹介をすると結構興味を持たれていろいろと質問をされた。その度に、大して経験したこともないのに知ったような受け答えをしている自分に、「かっこつけて、だせえなあ」と感じていた

          伝聞よりも実体験を積みたい(『リトル・フォレスト』)

          あと何回、家族と飯が食えたのか。(『ミッドナイト・バス』)

          2019年に上京してから、帰郷した2021年7月現在まで、家族に会った回数は片手で収まるほどでした。なんとなく、30歳くらいには新潟に帰ろうと考えて、今の年齢やこれからの月日を指折り数え、新潟に帰ってからやりたいこと、30歳までにできるようになっていたいこと、ぼんやりとメモに書き起こしていました。その間思うのは、「あと何回家族に会えるのかな」ということでした。 しかし、訳あって新潟にUターン。帰ってきて一番思うのは、家族と過ごす時間が増えてとてもうれしい。何気ない会話と、一

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          出会うって奇跡だね・下(『花束みたいな恋をした』)

          良いことが起きたとき、それを「奇跡」と思うことで、その出来事をより有り難くかみしめることができる。 良くないことが起きた時には、「必然の試練」と思うことで、ポジティブに取り組むことができる。 ーーーーー ブルーボトルを退社する際に、自分が使っていたカバンに、お世話になった方々から自主的にメッセージをもらいに行き、色紙のようなものができあがりました。みんな字体も違うし、絵を書く人もいれば、アホなこと、真面目なこと、本当に性格が出るなあと見ていてしみじみ思いました。会えずに

          出会うって奇跡だね・下(『花束みたいな恋をした』)