歳をとるという事
10.高齢者の息抜き
デイケアの利用者と仲良しになって、自主トレのわずかな合間におしゃべりを楽しむ。他愛もない話でも、何となく楽しい。
「これで家に帰ると、ご飯の用意をしなくちゃいけないの。私一人なら適当に済ますんだけどー」
「昔の旦那はみなそうね、今の若い人は二人とも働いているから、早く帰った方が適当に作ってくれるしね」
「もう旦那が亡くなって一人だからせいせいしている」
うちの主人がね、うちの人、旦那が、うちのダンつくは、と高齢者は夫のことを言う。
私はひと月に2回くらい、昔からの友人Mさんとランチに行くことにしている。
Mさんは専業主婦で、旦那さんの介護をしているが、私に愚痴ること、ぐちること・・・・・・
老老介護は無理ねー 私が病気になってしまいそう 私の方が先に逝きそう
だから主人に云うの、私が倒れたら施設に入ってねっ
友人曰く。主人は、わたしが疲れた顔をしているとランチに行っておいでよというの。だから、これが私の息抜き!
わたしは毎日でも外の空気を吸っている方が好きだから、おしゃべりは楽しい。ただ毎日が忙しい。そうでなくても年寄りになってから、一日に一つのイベントをこなすのは大変なこと。
とにかく動作がスロースローで、こんな筈ではないと自分に言い聞かせているのだが。
スマホのカレンダーを毎朝確認する。びっしり予定が詰まっている。自分で予定を入れているが、少し余裕をもてばいいのに若いころからの習慣が抜けないのだ。
Mさんとのランチはわたしの格好な息抜きになっている。他愛もないおしゃべりは尽きないし、楽しいものだ。
どの席を見ても、おしゃれな老婦人が多い。そしておしゃべりに余念がない。母の時代もこんな風景だったかな。
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