見出し画像

日本家屋

昨今、京都ですら、年100戸の日本家屋が消滅しているという。
SNSでも新築はお洒落な洋風、組み立て型建築、あっという間に建つ家…。

好みや流行りで家すらも建てる昨今になった。
瓦のない屋根、和室がなけれな仏間もなければ仏壇すらない。
…え?親族きたらとりあえず仏壇に手を合わす、祖先に挨拶、土産貰ったら一度仏壇に供える…敬うべきことでないのか?もう。

洋風が悪いと言ってるのではなく、ただその気候気候にあった地域性の特徴のある家を見ることも昨今では難しくなったので、切なくなる。
極端だが沖縄の家を北海道に建てても、そりゃチグハグである。


日本は湿気大国、木は切っても生きている。呼吸している。
東寺や、南大門がいまだにあの様に聳え立っているのは昔の先人の叡智の賜物である。何千年、何百年先も考えて設計されてる…恐ろしい知識である。

木を建築に使う場合、その木がどちら向きだったか、山で育った方角と同じ様に柱として建てないといけないのである。南向きに育ったなら、同方向の南向きに柱として建てる。木は呼吸するので、湿気を吸って太ったり痩せたりする。それを見越して柱として使わないと家のバランスがおかしくなる。


※これらの写真は3年かけて100坪の家を建てた設計から、木を選びに日本全国飛び回り、瓦も上質なものを探し建てられたもの。格天井はいまもなお光沢を放つ、繋ぎ目のわからないよう組み立てられた柱達。ゾクゾクする感じ。
城や神社仏閣と同じ造り。



家は、自分の命を守るものである。お洒落もええのだが、基礎がきちんと組み立て、骨組みはしっかりとして欲しいものだ。

建築現場で、土台にタバコのゴミだらけ、ゴミをなげたまま、機材や木材もぐちゃぐちゃな現場を見るたびに幻滅する。そんな状況で家を建てられる…たまったものではない…

自分は常に綺麗な現場にしているのを幼い頃から見ていた。
毎回掃除をして、綺麗にして帰る。作業途中でも、ゴミを敷地内に捨てるなんてことはなく、必ず持って帰える。タバコなんてもってのほかだ。もし火事にでもなったら。


家の方角もチグハグで、見るたびに「住みにくいだろうなぁ」ってつくづく思う。北は鬼門なので、窓をつけないとか、そういうのもう皆無に近いのか?

地域独特の建築を見るとテンションあがるね!お宅訪問したくなるw



一度京都で、限定のお屋敷を開放していたので、見に行ったら、そこの敷居入るのに、高いので手作りで踏み台が造られていて…まぁなんとも美しい!
面取りされていて、バランスも最高!ツルツルでめっちゃ綺麗!
…そこの家主さんに「是非これを造られた方にお伝えください。このような美しいものを造ってくださりありがとうございます。眼福にあずかりました…と」


どうか、これからもこういう壮美で緻密な建築を生み出す大工左官、建具、畳職人が廃れることなく受け継がれてほしいと切に願う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?