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今夜、世界からこの涙が消えても | 読書記録 #002

「今夜、世界からこの恋が消えても」っていう映画の原作の続編。

こっちを先に読んで、その後に続編を読んだのですが、
私はどちらかというと続編の話がしたい。

「今夜、世界からこの恋が消えても」は神谷くんを中心に、
みんなの視点が混ざりながら、お話が展開していきます。

「今夜、世界からこの恋が消えても」は泉ちゃんが主人公の物語。
ただ、私には2作とも、泉ちゃんの話に思える。
それくらい魅力的なキャラクターだった。

高校〜大学、社会人なりたて、くらいの時期のお話で、
新しい感情の出会いが繊細に描かれていて、
自分の学生時代を思い出しました。

その時の経験とか、勝手な思い込みから、
自分の感情にフタをしていたことがあったなあ。って
だからといって、学生時代に、この小説に出会っても
自分の感情と照らし合わせるようなことはなかったと思って、
20代後半の今、出会ってよかった本でした。
学生時代に出会ってたら、
ただ「美しいお話だった」という感想しか持てなかったと思う。

学生が主人公の映画とかドラマって、
もう二度と私が過ごすことのない時間を描いているような気がして、
冷めた目で見てしまうところがあって、
感情移入できないから敬遠していたんですが、
改めて読むの良いかもなと思いました。

で、どうして続編の話をしたいかというと、
「愛している」という気持ちの話をしていたから。

恋じゃなくて、愛だったんだ。
って気づいた時の描写が、大好きだった。
自分のこの気持ちは、愛していたから感じていたことなんだ。
って気づくシーンが良すぎた。

亡くしたからといって、その気持ちやその人のことまで忘れる必要はなかったんだ。

今夜、世界からこの涙が消えても by 一条岬

大事な家族を失った時に、「これから、もう思い出が増えることはないけど、これまでの思い出と一緒に生きていこう」って思ったことを思い出した。でも、この物語では泉ちゃんは恋か愛かわからなかったんだよね。私もわからないと思う。

恋って相手に期待することが多くて、
愛って1人で抱えて大事にして、
恋愛ってその2つがごちゃ混ぜになった感情のことかな
というのが今の私の解釈。

この解釈もきっと新しい感情に出会いながら
移り変わっていくのだろうと思っています。


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