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フリーになりました&定期購読マガジンはじめます
みなさま、こんにちは。谷頭です。
2024年もはじまって半月以上が過ぎておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
フリーになったよ
さて、ご報告。この度、勤めていた職を辞め、2024年1月よりフリーランスのライター・編集者として活動することになりました。すでに何人かの人には内々で話をさせていただいていましたが、ちゃんと世間的に(そんな大々的でもないのだけれど)発表はしていなかったので、改めてご報告させていただきます。
すでに多くの人からお仕事の相談をしていただいたり、新しい企画の相談、また執筆だけでなく編集や企画等々のお話も持ちかけていただき、感謝しております。
基本的にはこれまで通り、ライターとして都市や空間のことについて書きつつ、本も出版したり、ポッドキャストをやったりしていきますが、いわゆる「ライター仕事」的なインタビューやインタビュー構成、対談構成、取材記事などもこれまで以上に精力的にこなしていきたいと考えております。
また、編集やWebサイトの企画、企業広報などの案件も行います。基本的にはライティング・編集領域のことであればなんでもできるので、ひとまずは貪欲にいろいろなことをやっていこうと考えています。
今年は「批評の1年」に
で、それに絡めて今年の目標です。
今年は、「批評を取り戻す」ということをテーマに掲げて活動しようと思います。
私はもともと、ゲンロンという会社が行っていた「批評再生塾」の第三期出身で、まあ、最初に本格的に書いた文章が批評だったんですよね。その最終課題として書いた文章は、『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』に結実しましたし、かなり批評再生塾にはお世話になりました。
ただ、どうしても世間的な意味での「批評」みたいな言葉が自分に付きまとうのが嫌で(なんかむさ苦しいイメージがあるのよ、今でもだけどさ)、かなり意識的に「批評」みたいなものから離れよう離れようとしてきました。
「批評再生塾」を卒業した後、最初に文章を寄稿したのは「ユリイカ」でもなく「現代思想」でもなく、「オモコロ」でした(ちなみにいまだに「ユリイカ」とかには誘われたことがない。たぶん、眼中にないんだな、と思っている)。
で、そのイメージ戦略(っていうほどのものでもなかったけど)は功を奏しまして、僕が批評再生塾の人であることは、結構みんなちゃんと忘れてくれました。その後、デイリーポータルZで書くようになって、二大インターネットのおもしろテキストサイトみたいなところで書くという稀有な体験もさせていただきました。もう、この時点でめちゃくちゃ「批評」と離れた人生になってきたわけです。
それから、書籍を二冊出す過程で、「東洋経済オンライン」や「Web ACROSS」、「日刊SPA!」なんかの媒体で書くことができて、今ではビジネス系メディアが主戦場になっているという、謎の展開。まさか自分がこんなにもマーケティングや経営戦略の本を読むとは思ってもみなかったよ。
ということで、もうすっかり「批評」的な文章は書いていなかったし、「批評」界の人からはたぶん忘れられた存在になりました。
が、このフリーになるタイミングでいろいろ考えましてですね、やはり自分のルーツである「批評」についてもう一度取り組んでみてもいいんじゃないか、という心の変化が生まれまして。自分としては「批評」を名乗っていないだけで「批評的な視点」は常に持つようにしていましたが、やはり自分自身が「批評」みたいな文章を書く人に囲まれ、そのような人たちに育ててもらったので、どこかで「批評」をちゃんと背負わないといけないんじゃないかな、と思ったわけです。それが、自分の周囲の人たちへの恩返しになるというか。えらいな、自分。
フリーになって、これまでよりは時間もできるので、このタイミングで改めて「批評」を背負い、「批評」的なことが現代でどのように可能なのかを考えてみてもいいのではないか、と思っています。
ということで、今年の一年の抱負は「批評を取り戻す」ということに決めました。
定期購読マガジンをはじめます、近いうちに
そして、その「批評を取り戻す」ための具体的なアクションその1。
近いうちに(本当に喫緊で)、「定期購読マガジン」を始めます。いわゆる、批評的な文章を月に4本以上挙げる予定のマガジンです。
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マガジンの名前は「『場所』の声を聴く〜「空間」から批評を立ち上げる」。
ぼくはこれまで自分が書いてきたものを「都市論」とか「建築論」とか「消費文化論」とか言ってきて、なにが批評対象になっているのか、自分自身でもわからないところがありました。しかし、今回のマガジン設立を機に、「空間批評」というジャンルを立ち上げたいと思います(「批評空間」ではない)。それは、都市や建築といったジャンルにとどまらない「空間」なるものを批評対象として包括的に取り上げようという意図があります。
このマガジンでは、さまざまな「空間」を批評的に見つめていきます。がっつりした批評文は、なかなか通常の媒体では掲載することができないので、このノートで更新をしていこうと考えています。他では読むことのできない刺激的な文章をたくさん掲載していく予定です。たぶん、購読してもらうと楽しいことがいっぱいあると思います。
定期購読マガジンというお金がかかるものにしたのには、理由があります。それは、もちろん、自分自身が批評的な文章をお金にしていくことに興味があるということもありますが、もし多くの方に定期購読をしていただいて、そこそこの人に読まれるようになったら、このマガジンをベースに、批評を志している若い書き手(大学生、大学院生とか、なんだったら小中高生でも)にちゃんと原稿料を出して批評文を書いてもらいたいと思っているからです。要は、批評文的なものが書ける自立的な媒体にしていきたいと思ってます。
もっと言うと、最終的にはNoteでの更新もやめたい。だっていつサービスが停止するかもわからないし・・・。ちゃんと自分のドメインでサイトを作るなり、同人誌を作るなりして、批評を書くことができる場所を確保して、自分自身がかつてそうしてもらったように、若い人が今後の書き手としてのキャリアにつなげることができるような場所を作っていきたいと思います。
なんかわからんけど、めちゃくちゃアツい人みたいになってしまいました。まあ、最後の方に書いたのは、あくまでもまだまだ先の話だと思いますが、僕の思いとしてはそれぐらいのことまで一応射程に入っているんだよ、ということを書いておきます。
とにかく、フリーになっていろいろ仕事を頑張ったり、批評をがんばったり、マガジンを頑張ったりする一年にします。
みなさん、飲んでください。いろいろ面白い話はできるので!
ではでは〜。