コピーでできた人間です。
これまで生きてきて30年以上が経ち、時間の流れも早いなと感じる今日。
あまり人に教えを請うたり、上の人に可愛がられるのが下手な自覚がある自分だけれど、これまでの人生の中で影響になった考え方や言葉というのは少なくない。
誰に話すものでもなくて、自分の中に留めていることではあるけれど、この機会に振り返ってみたい。
①情けは人の為ならず
この言葉に出会ったのは20年以上前の中学2年生のころ。当時の担任の先生が道徳の授業で話してくれたものだったと思う。“人に対して良い行いをしていれば巡り巡って良いことが自分に帰ってくる”という意味だ。
クラス役員に選ばれたことがあり、「自分なんかが選ばれていいのだろうか」と自信が持てないでいた自分に対し、「お前はみんなから信頼されている」「もっと自分を出していいんだぞ」と声をかけてくれた。
この先生と特別仲が良かったわけではなかったけれど、この考え方は30を超えた今の人生に響く。良いことも悪いことも巡り巡ってくるという考え方は中学2年生のころに形成されたと思う。
②周りから見た自分の「見え方」
これは編集者という今の職業についたばかりのころ、当時付きっ切りで毎日指導してくれた先輩が教えてくれた考え方だ。
この先輩はとても厳しくて、褒められた思い出はないのだけれど、この人から教わったことは今の自分を形成している。
先輩からある時、会議室に呼び出された。怒られるのかなと怯え気味で部屋に入っていった自分に対してかけられたのが「周りから見た自分の見え方」という視点。自分を客観視することの重要性を説いてくれた。
周りの状況を考えて自分がどういう立ち位置をとったらいいか、どういう行動をとったらいいか判断がついていなかった未熟な時にこの考えを植え付けてくれたのは当時得た少なくない財産だと今になって思う。
③いい文章とは「過不足」がないもの
これも編集者として仕事をし出してから上司がかけてくれた一言。
当時の上司は「こいつに何かいい言葉を残してやる」という押し付けがましさのない人だったし、業務のやりとりの中でポロっと出てきた何気ないものであったと思う。
それでも、人の文章をチェックする日常を送っていた当時の自分にとってはヒントになる一言であったし、今の自分にも生きていることであるのは間違いない。
文章に限らずいいものとは過剰ではないし、かといって足りてないわけでもない。この「丁度いい」というバランスはとても難しいものだけれど、当時の何気無い一言は自分の中に刻まれている。
探せばほかにもたくさんあるのだろうけれど、今の自分を形成しているという意味ではこれらの言葉や考え方から受けた影響は大きい。
今の自分はオリジナルでもなんでもなくて、諸先輩方の考えを引き継いだコピー人間なんだろうと思う。
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