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Photo by
subarasikiai
発熱
知人の職場に、鳥の名の上司が居られるそうだ。
当方の職場には、犬上司と猫上司がいる。
世の中なべて動物園である。
………などと、皆様、芋ごときには言われたくないであろう。
その鳥ナントカさんが、体調を崩されたという。人手不足の折、しかも繁忙期。
誠に大変である。
最近またあれこれ流行っているようだし。
「コロナ?溶連菌?まさか手足口病?」
と尋ねると、知人は真顔で
「鳥インフルエンザ」。
んなわけあるかい。
さて。
このクソ忙しいのに、犬好き上司が異動になった。
手取り足取りご指導頂いたので、誠に残念である。
が、猫より犬が先に出ていくとは思っていたので、特に驚きでもない。
当店は24時間営業ではないが、近隣他店舗より閉店が遅い。
猫好き上司は以前より、
「あたしより先に、真夜中閉店から逃れられると思うなよ」と、彼に呪いをかけていた。
その呪いが効いたのか。
辞令が出た途端、犬上司が熱を出してしまった。
もちろん、本人も大変だが、司令塔を失った我々も、てんてこ舞いである。
シフトを動かし、作業をずらす。
明日の鍵開けは誰がする?
芋さんの鍵貸して!!
いや、したら誰が閉めるねん!?
こんな日に限って、トラブルも多かったりする。
夜になって、
「熱、下がった〜」と、犬が顔を出した頃には、猫と芋は瀕死であった。
「抗原検査は?」
「陰性だった」
「じゃあ………」
猫と芋は声を揃える。
「知恵熱だろ」
あと1か月で南の地域に駆けていく、若き犬好き上司のために。
有志で犬のぬいぐるみを贈ることにした。
次の店舗でも、手垢のついたマスコットを洗ってくれる、心優しい従業員に出会えるよう。
祈って送り出すことにするのである。
☆ヘッダー写真、お借りしました。ありがとうございます。