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成長とかいうもの

娘芋が、帰ってきた。


東の都に住む彼女は、帰省の前に、遥か西の地へライブの遠征に出かけ、新幹線と夜行バスを乗り継いで帰ってきた。

何故なら、夏休み中の成人式の前撮りの予約が、昨日しか都合がつかなかったからである。

もちろん、当方が推し活にも遠征にも賛成派であるのは、noteの皆様方にはお分かりいただいていると思う。
ライブ諦めろやなんて、口が裂けても言わないのだ。

しかし、後々まで残る写真が、ヤコバ明けのヨレヨレで目の下に隈があるような顔ではどうなん?と考えなくも、ない。


┐(´д`)┌ヤレヤレ




しかし。

小学一年生の初の参観日。
優しい担任の先生に何でも好きな絵を描いてと言われ、何を描いたらいいのかわからないと泣いていたあのアホ娘が、切符の取り間違いを自力でリカバリーしながら日本縦断してくるのを見ると、何だか不思議な気分になる。


当方だとて、今の彼女と同じ年には一人暮らしをしていたし、スマホもパソコンも持たずに新幹線や地下鉄に乗っていた。
現代の方が、情報を得るのは簡単だろう。
新幹線も東京駅も、使いこなせて当たり前なのだが。




当方は、成人式に振り袖の写真がない。
雪深い田舎町の成人式は、真夏のお盆だった。
3人だけ、振り袖で来た陽キャが居たが、途中でぶっ倒れていた。
30年前だって、夏は暑かった。


だからといって、娘芋に必ず撮っておけよとは、言わなかった。
強制はしていない。

振り袖着る?と聞くと、要らないと言っていた彼女も、高校の同級生が次々と前撮り予約をしているのに感化されたのか、撮っておこうかなと言い出した。
もちろん、レンタル振り袖だ。

決断と予約が遅かったため、成人式当日は朝の4時から着付けをしてもらうハメになっている。
仕方がない。
着付けの最後の一枠が確保できただけでも、めっけもんなのである。




知人に言わせると、当方は未だ子離れ出来ていないそうだ。

不本意である。

当たり前である。


自分に背が追いついてきても、胸のカップが追い越されても(💢)、彼女は当方にとって、やはりどこかでまだ「子供」である。

離れられるわけも、ない。

それは、そろそろ半世紀を生存する当方に向かって、婆芋🦖が「早く寝なさいよ」と言うのと同じである。




30余年前。
当方は、母親というイキモノに反発して家を出た。


娘芋がどういう理由で上京を考えたのか。

その答えを聞くのは、今ではないと思っている。




彼女の選んだ振り袖が当方の推しの色なのは、決して圧力ではないとだけ、申し上げておく。



☆ヘッダー写真、お借りしました。ありがとうございます。

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