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記事紹介:免疫学者が「これだけは避けて」と言う免疫力がヨボヨボになる生活習慣
今日は下記の記事を見掛けたので紹介しておこう。
ここ数日、サジェストに免疫力を高める食べ物だの何だのといった記事が良く出てきていたので、感染症の流行に乗って免疫力関係の記事が多くなってるのかなと思っていたのだが、この記事では「本来免疫力は、何かを食べたり飲んだりしたからといって簡単に上下するものではない。ただし、ストレスだけは少し特別だ」という趣旨でストレスの免疫系に対する影響を紹介してくれている。
過去の記事で私も何度かストレスや神経伝達物質の免疫系に対する影響を紹介してきた。特に免疫系に対して最も強力な作用を持つホルモン、糖質コルチコイド(いわゆるステロイドホルモン)については良く知られていると思う。このホルモンは精神的なストレスなどの刺激で放出される物質のひとつだが、非常に強力な免疫抑制能を持っている。プレドニゾロンなどのステロイド剤として免疫抑制剤に使われるくらいである。そしてストレスなどによって免疫力が低下する原因のひとつもこのホルモンだと考えられている。それ以外にもあらゆる神経系と免疫系の相互作用機序が存在するのだが、精神的なストレスが免疫力に悪影響を及ぼす事は間違いない。そんな事言われてもどうしたらいいのかと言われそうだが、ストレスを無くす事は免疫力の維持を考える上で最も大事なのだ。
記事でも以下の様にストレスの影響を特筆すべきものとして記している。
免疫系は複雑な仕組みなので、簡単には機能が低下しないようになっています。つまり、免疫力とは急には下がらないようにできているのです。 ただし、ストレスは少し特別です。心的なストレスや肉体的なストレスが一定期間以上続くと、免疫力は大きく下がってきます。 ストレスが続くと副腎(左右の腎臓のすぐ上にある内分泌器官)から副腎皮質ホルモン(コルチコステロイドあるいは糖質ステロイドともよばれる)が多量に作られるようになるからです。
副腎皮質ホルモンはさまざまな細胞に働きますが、なかでも獲得免疫の主役であるリンパ球にはよく働き、リンパ球の機能を低下させるともに、リンパ球の一部を殺します。このために免疫系の機能が低下します。 ストレスは万病のもとといわれますが、その理由のひとつは、副腎皮質ホルモンが作られすぎて免疫機能が低下するためです。これによって、さまざまな病気が起きやすくなってきます。 免疫にとっては、ストレスは天敵のような存在です。少々のストレスはあまり問題ないのですが、長く続くと免疫に悪い影響が出てきます。副腎皮質ホルモンが「ストレスホルモン」とよばれる理由がここにあります。
ストレスが免疫系に与える最も大きな因子の一つであることは、免疫学者からすれば当然の事実だという事がよく分かるだろう。感染症対策という観点で見ても、ストレスを感じないという事は非常に重要なのである。環境をすぐに変えるというのは難しいだろうが、この様な事実があるという事はしっかりと認識しておこう。