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「自然」な状態を確認し合う機会②

♦︎前編はコチラ

3人目のスピーカーとして、この日も主催者である自分自身も登壇したが、
話す内容の準備にいつもよりも時間が掛かった。

最初に、広島へ引っ越して半年間で習得した農関係の知識や技術とか、会社を辞め(て独立す)る上で経験上注意すべきこと等を書き出し、
それから心境の変化や感想的なこと書いてみたが、
どこかあり来たりで物足りないと感じた。

そこで、もっと自分の個性を出す、あるいは広島北部という地域の独自性を書き出そうともしたが、細かい個別のことではなく、
逆に「自然とは何か」、「人間とその他の生き物の違いは何か」といった、
自然があり農業ができる環境なら、いつどんな人がどこで生活しようと普遍的に考えさせられ得るテーマを扱い、その視点で自分が感じたことを表現してみた。

●人間とそれ以外の生物・有機物の違いは何か?

まず、そういう物の見方を持てたこと自体が、今の田舎で畑仕事する生活様式を選んだことによる大きな収穫だ。

この問いに対する僕個人の答えは、人類だけが変化を求めること、そしてその欲望が良くも悪くも強いことである。それによって自然界には収まりきらず、「人工」という自然の対比概念、すなわち「文化」・「文明」を構築してきたのは、人類の「変化欲」を満たしたい、現物化したい集合意識(イメージ)の強烈さがなし得た業と言えよう。

それ自体は良いのだが、問題は人類自身が自分達が築き上げてきた文明の利器に必ずしも適応できず、肉体的・精神的に不調を来たしたり、現代社会特有の病気で寿命が縮んでしまったりする者も後を絶たないことである。

物事は、客観的 (≒科学的) な事実と自分の実体験(実際に物事とかかわった時にどう感じたか)の両方から判断する必要があるとよく言われる。
僕の[心も体も] 健康な生活習慣についての考え方は正に、
これまで生きてきた経験と医療論文の翻訳がきっかけで、自分から有益な情報を入手するようになってから、それこそ「自然に」出来上がった。

♦︎筋肉の整え方(筋トレ)

♦︎毎日の振り返り

この自分自身で、「自然」と感じられることが重要なのである。自分軸で自然観を持っておけば良いので、他者を納得させられるように説明できる必要はない。そもそも理屈ではなく感覚的なことである。

日頃から自分の五感覚を大事にし、研ぎ澄ましていくことで、まずあなた独自の「自然」とは何かについて感じられるようになる。そしたら、その「自然さ」を維持する為にはどんな食事や運動、仕事や趣味の習慣づけをしたら良いかを考える。それによって、主体的に行動選択をしていることで自己肯定感も上がるし、免疫力の高い心身共に健康で幸せな生活に近づいていくのだろう。

懇親会で出した食べ物

●二つの「自然」

そもそも「自然」という言葉は、「自ずから然るべき [おのずからしかるべき] 」、言い換えると「それそのものが、そうあるべき」ことを意味する。

まず、宇宙視点で人類が手を加えていないものや状態を表し、「人工」の反対語となる。これは非常にシンプルで、誰にとっても分かり易いカテゴリー区分だと言える。
一方で、人間社会において、行為や状態が作為的には見えないという意味で使われる時の方が、それを判断するのが当事者の主観に委ねられてしまう為ややこしく、誤解や争いの元になることがある。

上述したように、人間は常に変化を求める特性を持ち、物事に対する価値観、常識も時代や文化によって変わっていくので、何をもって「自然」だとするかも絶えず変化していくのだが、
他の生命体・有機物と同様に一個体では生を維持できないため、集団を形成しそこへ適応した者が生き残り、適応し損ねた者は淘汰されていく。

ただし、僕たちの生きている現代社会は、(その是非はともかく)人間の「変化の欲望」による実現化が高度に進み、文明の利器が発達している為、
多少経済状況や体調が悪くなったからと言ってそう簡単に命を落とすということは起こりにくい。僕自身、35歳にもなるとそれなりに色々な人生経験をして来たが、次の日の朝目が覚めると変わらぬ日常が始まり、何だかんだで「今日も一日頑張ろう」という感じになり、今の自分がいる。

「自然」から話が逸れてきたが、今日も明日もこの世に命がある限り・・・この時代、この瞬間、人類として、自分として、生きる選択をしていく限りは、より良き日々を送っていきたい。それだけのことである。

懇親会はバーベキュー

●移住半年間の間にでき上がった「自然観」

現在の生活で得られた最も大きな収穫は、自分なりの「自然観」を持ち始めたこと、言い換えれば「自然」との付き合い方を確立できたことだと感じている。   

考えていることを書き出してみる

重要なことをまとめると、次の3点に集約できる。

①人類とは、環境を自分達に好ましい状態へ変化させたい欲望を持つ唯一の生き物 (・有機物 )である。その為、自然の摂理と対立する「人工」という概念、世界(=文化・文明)を築き、そこでの秩序や生活様式に従って生きている。

② 自分自身も人間特有の欲を持っており、現代の文明の利器や科学に頼り、人間社会で集団生活をしないと生きていけないことを自覚する。

③  今日の人間社会に適応しながらも、 自分自身の感性で何・どんな状態を「自然」と感じるのか認知し、なるべく「自然」な状態でいられるように行動選択していく。

①〜③を満たす生き方としては、やはり特定の他者や集団、物事、固定概念などに依存したり答えを一つに決めたりせず、柔軟な思考を保ち中庸かつ主体的に行動選択していくのが良いのだろう。              

この日に登壇して話した内容の趣旨はこんなところだろうか。

♦︎参考記事

続きは③ 結論編


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