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#135 バックキャストとフォアキャストの両面で事業を考える

今日は、よく耳にする「バックキャスト」と「フォアキャスト」に関する講義です。

まず、「バックキャスト」「フォアキャスト」の定義ですが、
「バックキャスト」とは「逆算していつまでに、何をしなければいけないかについて目標と計画を決めるやり方」を指します。1970年代の環境問題がきっかけで生まれた言葉で、2015年のSDGs及びイノベーションの動きが盛んになり、企業経営において事業計画にも取り入られるようになりました。ちなみに、「ムーンショット」という言葉も同義で使われます。
一方、「フォアキャスト」は「過去の実績や活動の延長として将来の目標を決めるやり方」を指し、前年度比の目標設定などがそれに値します。

優劣をつけるものではないですが、双方のメリットとデメリットについておさらいしていきましょう。
<バックキャスト>
 メリット
 ・未来から逆算していくことで新しいアイデアが生まれやすい
 ・ゴールが明確なので具体的な手段が生まれる
 デメリット
 ・日々の変化に弱く、短期的な対処に支障が出る可能性がある
<フォアキャスト>
 メリット
 ・過去から現在に至る自社の強みを活かした立案ができる
 デメリット
 ・既存の路線上で革新的な手段が生まれにくい
などなど、このように分けることができます。

バックキャストの計画企業事例として、株式会社オムロンのSINIC理論があります。創業者の立石一真氏が提唱した理論で、種(Seed)、革新(Innovation)、必要性(Need)、刺激(Impetus)、円環的発展(Cyclic Evolution)からなる理論です。詳細は書籍等で学習してほしいのですが、科学と技術、社会の間には円環的な関係があり、異なる二つの方向から相互作用しているといった考え方に基づいています。オムロン社では、長期ビジョンの単位を10年と策定することで、経営層が入れ替わったとしても経営のベクトルがぶれないようにしています。まさにバックオフィスの考え方ですね。

今回は企業事例も取り入れながら、「バックオフィス」と「フォアオフィス」について学んできました。どちらの手法にどのくらいの重きを置くのかは個社によるにしろ、地図をもって経営をしていくことが大事ですね。

これからもイマージョン実践経営大学で一緒に学んでいきましょう。

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