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id KID MOHAIR REVERSIBLE KNIT STORY 編立編

原料も決まり、次はニットの生産過程のメインである
編み立て作業です。
ニットの生産はidが店を構える新潟県長岡市の隣の見附産地で行っております
新潟県はももう一つ五泉産地を含め、日本最大のニット生産地になります

現在日本で流通しているニットアイテムの日本製が占める割合は
ご存じでしょうか?
たった2~3%になります。たったです。新潟産地が担うのは
割合から言って、1%くらいでしょうか。非常に少ない。。
MADE IN JAPAN回帰の流れが出たり、日本製の評価は高いと
言われていますが現実はこうです。

話がずれたので戻しますが、今回僕がニットアイテムを制作する中で
是非今回使ってみたい編み機がありました。
それは日本が世界に誇る編み機メーカー島精機の
無縫製製品編み機であるホールガーメントです。
3Dニットと称して国内のファストファッションブランドで
リリースしているので聞き覚えのある方もいるかと思われます。

通常、前身、後身、両袖、衿と別々に編んで裁断縫製というのが
スタンダードな作り方ですが、編み機から出てきた時点で洋服の
形になって出てきます。パターンメーキングも同時にプログラムで行う
特殊編み機です。実際、通常の編み機を扱える職人の方でもホールガーメントを取り扱えるようになるには、かなりの時間を要します。

よって、
裁断ロス=原料ロスがなく、世界がSDGSを唱える前から行っていた
地球に優しい編み機になります。
立体的な美しいシルエット、剝ぎがないので着る際の引っかかりが
なくノンストレスなのがポイント

ただ非常に編み機自体が高額でプログラムを作る過程などの生産コストやロット(生産スタートできる最低可能枚数)が高く、先に上げたブランドのように大ロットを余儀なくされます

画期的である一方、それなら全てホールガーメントですればよいのではと
いけない理由の一つがここにあります

また、自動編み機は細い糸(ハイゲージ)は細い糸専用編み機しか編めず、
太い糸(ローゲージ)も同じくで、機種ごとに汎用性は
ありません。それがファクトリーごとの特性や個性になるのですが、
手編み風のローゲージが流行るときもあれば、目面のきれいなハイゲージが
好まれる時期もあります。当たり前ですが、そのトレンドごとに編み機の入替もできないのが辛いところ。流行っていないゲージの編み機が動くことはありません。
ホールガーメントは特にそれが顕著で、ローゲージの背景は多くはありません。
そんな中、今企画でSDGSの考え方、無縫製で剥ぎのないニットの着用感を良さ、日本の世界に誇る技術、ある種ハイテクな部分と自分が考えるカルチャーな部分のハイブリッドな製品をどうしても実現したいとの想いから
自分の古巣である見附産地のファクトリーに打診し、ようやく生産に
たどり着きました。産地の工場はこれまでOEM生産(アパレル企業の委託生産)がメインでしたが、コロナ禍でアパレル企業や百貨店が休業し、
インディペンデントでやっていかなくてはいけないとおそらくどの工場も
考えたでしょうが(どこもやれるわけではないでしょうが)、そのタイミングと僕の依頼のタイミングはリンクしていたのかもしれません
これまでであったら通らないであろう企画が幸か不幸か
コロナがきっかけで実現したのです。

と上記に綴ったのですが、ファクトリーのホールガーメント事業部の
管理長から仕事はおかげ様でコロナ禍といえど沢山戻ってきている。仕事が少ないから、暇だから企画が通ったんでなく、今企画にみんな共感理解をしたから実現したんだよ!と熱きエールを頂きました
感謝感激雨あられ

デザイン編につづく

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