SDGs新規事業チームに所属した人がしてはいけない3つのこと(#2 過去の成果にすがりつく)
皆さん、こんにちは。
3回シリーズの【新規事業チームに所属した際に絶対にしてはいけないこと】、第2弾です。
第1弾は以下。
今回は、「過去の成果にすがりつく」です。新規事業って、結構研究が進んできていて、(方程式のようなもの)だとか、(チーム編成についてこうあるべしみたいなもの)があるのですが、時代の変化が激しいので、研究結果として世に出されるときには、研究当時の状況とは乖離します。また、企業文化や社内リソースなど外的な要素が複雑に絡み合うので、その方法がフィットしない場合もあります。テクニック論は、あくまでも参考程度に理解するに留めておく方が良いと思いますが、過去の経験がそのまま活用できないのに、過去の成果に驚くほどすがりつく人がいます。すがりついても上手くいかないことが多いので、精神衛生上非常に悪い。
新規事業に再現性なんてない
私はそう思っています。もちろん事業を構想するにあたってのフレームワークはありますが、示された順番に従っていけばクリアできるという、そういう類のものではないと思っています。新規事業開発の成否はそれを担う人間の能力によって決定されるようなものではなく、無数のファクターの関数だからです。ある時代、組織、産業構造で成功した新規事業組み立てのロジックが異なる時代、異なる組織、異なる産業構造で機能するわけではない。だから、再現性なんてない。
そもそも、新規事業とか起業とかしたい人は、その不確実性に身を置くこと自体に「愉悦」を感じたり、それらを推進することに対して一種の「使命感」を感じているようなタイプでないと合わない。そして、そういった志向を持つ人たちは、攻略本をなぞっていけば、想定された時間内にはエンディングを迎えるような、自動的に成果が出ることに関心がないと思います。
ゼロイチ人材は希少
ゼロイチ人材ってよく言われます。新規事業や起業においては、そういった「無から有を生み出す」人材が必要であることが指摘されていますが、ゼロイチ人材って極めて希少だと思います。だから、人材育成をしてゼロイチ人材を増やそうなんて人がいますが、はっきり言って無理だと思います。
時代の変化が激しいので、既存事業の延長線上では企業として立ちいかない。だから、それに対応できるゼロイチ人材を増やそうとするわけですが、経験上、ゼロイチ人材って「やれと言われたことを遂行できなかったり」「注意散漫でどこで何やってるかわかなかったり」そういう人ですよ?そんな人、これまでの時代には全く必要とされてこなかった。上司の指示によって、適切に業務を行って、社内政治がうまく、あまり失敗しないような人をついこの間まで求めておいて、そういう時代には爪はじきになってきたような、上司の指示通りに仕事ができない、社内政治とかどうでもいい、失敗してでもチャレンジするような人を求めているのは、虫が良すぎると思います。ある時代において必要とされなかった人たちを、この時代において必要だから評価し、増やそうとしている。僕はゼロイチ人材だと思いますけど、それって別に誇れるものではないです。チャレンジできるということは失敗することの裏返しだし、推進力があるというのは人の言うことを聞かないということだし、たくさんのアンテナが張ってあるというのは注意散漫だということです。時代(パラダイム)が変わったから、評価されているだけで、また別の時代(パラダイム)になれば、評価されなくなります。そういう極端に評価が分かれるような仕事の仕方にあこがれを持つのは、隣の芝は青い、そのものだと思います。人には向き不向きがあります。
ゼロイチ人材だらけがいる社会は崩壊する
ゼロイチ人材ばっかりの組織って崩壊すると思います。新規事業には、様々な仕事があります。フロントが目に入ってきますけども、バックオフィスの仕事もたくさんあります。ゼロイチ人材だらけの組織ってバックオフィス機能が壊滅的なので、すぐに崩壊すると思います。
経験からの学びの次元を繰り上げる
少し、話がそれてしまいました。過去の経験がそのままで活きないのであれば、次元を繰り上げにして汎用しなければならないと思います。以前うまくいった新規事業開発のプロセスをそのままたどるだけでは、経験上なかなか成果に結びつかないものです。そのために、成功要因を個別具体的なレベルから抽象度を上げて汎用できる学びに昇華する必要があります。
それでは、アディオス!