
【書評】アーネスト・トンプソン シートン:シートン動物記「オオカミ王ロボ」
シートン動物記「オオカミ王ロボ」 (10歳までに読みたい世界名作), 2014/12/2
アーネスト・トンプソン シートン (著), 千葉 茂樹 (翻訳)
学研プラス
□経緯
くりぃむしちゅー上田氏の本で視力検査でランドルト環ではなく、動物のシルエットで検査があったらしい。当時、子供で、動物の名前を知らない上田氏は苦戦したそう。
そこで、シートンじゃないとわからんだろ!と突っ込みたくなったみたいな話があった。
—>シートン動物記久しぶりに読みたくなった。
□内容
33歳の時に、シートンが依頼されたオオカミ退治の実話を元にした物語。
アメリカのカランボー地域でロボという、リーダー格のオオカミがいた。
ロボは家畜を荒らし、その討伐が家一軒分という破格の報酬で依頼されるほど、牧場や農場は困っていた。
先にハンターやカウボーイがロボに挑むも皆失敗していた。シートンはあらゆる手段を用いて、罠での捕獲を目指し、ついに、ロボの連れ添いであったブランカを仕留める。
ブランカを奪われたロボは悲しみで正気を失い、復讐に訪れるが、罠にかかってしまう。
3日間罠に苦しめられ、力は衰弱し、仲間を呼んでもこない。さらには愛するブランカを失い、力、自由、そして、愛するものを全て奪われたロボはシートンと出会ったときにはもう、ほとんどロボの魂は死んでいた。
シートンはブランカの死体と会わせて、ロボの魂が安らかに眠ることを祈った。
□ワード
目を据える
□感じたこと
ロボは元々悪いことをしていた、その罪を償ったわけだ。
でも、オオカミであっても仲間への絆、愛情はある。
それを奪われたオオカミ王ロボの悲しみはまるで人間と同じように大きい。
動物であっても人と同じように気持ちがあって、それをおざなりにすることがいかに悲しいことかをわからせられた。
シートンはこの件の後、オオカミを殺すのはもうやめて、オオカミの保護や、他の動物に関しても、ストーリーを作ったり、違法に狩猟される動物などを保護する活動にも貢献したようで、そのシートンの想いが込められた作品である。
#読了日
22/09/06