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【300文字の感想文】<13>X'mas Stories|朝井リョウ あさのあつこ 伊坂幸太郎 恩田陸 白河三兎 三浦しをん

クリスマス当日までに読んでみようと手に取ったこの本。
6人の人気作家たちが紡ぐクリスマスにまつわる物語。

所属しているライターコミュニティの読書&感想会の課題図書としても提案し、当日まで本を読んでわくわく♡当日はみんなで感想を伝えあってウキウキできたら、と♡♡
今回は6話すべての感想を300文字ずつまとめてみたいと思う。

<1>逆算|朝井リョウ

短編集の一話目だからだろうか。
クリスマスの話だと思って開いたページはいつになってもクリスマスの話題が現れない。
「逆算」というタイトルと、クリスマス……。どういう関係があるんだろうと、もやもやと読み進めていた。

結果からみたら、六話のなかでいちばんクリスマスといえば、な話だった。
私は恋人たちを連想する。恋人たちが幸せそうに過ごす日。その日までにわくわくしたり、キラキラしたりしちゃう日。
または、好きな人と過ごせたらとそわそわしたり、ドキドキしたり。

途中からは、ちょっと微笑ましかったりするから、すでに逆算というタイトルを忘れていたよ。
最後の最後に、2人気が合う同士だったんだね、やはり♡となり、ハッピーエンド♡(304文字)

<2>きみに伝えたくて|あさのあつこ

えっ!ええっ!と、何度か驚かされた。
いい感じにスタートするものの、若かりし頃にありがちな青さは、自分を苦しめることになる。
そして感じるのは、自分のキモチに嘘をついている間は、ホンモノは訪れないということ。
本当にしたいことはなに?!一緒にいたい人はだれ?!と、自分との対話を通して自分を知るタイミングってあるのだ。

気付いたときにはそれは遅かったりする。
それでも、それを超えるものにもきっと出逢える。そう、私は信じて生きている。

クリスマスというテーマで、苦しくもありながら、自分自身でつけてしまった足枷をちゃんと自分で取っ払い、最後はまた幸せになることを選べたのだから、それはそれできっといいのだと思う。(300文字ぴったりー!\(^-^)/)

Photo-AC

<3>一人では無理がある|伊坂幸太郎

伊坂ワールドだなぁ、とにんまりする。クリスマスをテーマに物語を書くとしたときに、こんな設定思い付くのか!という驚きがあった。
彼の作品ってこんな感じ!とわかる人には、この感覚感じてもらえるだろう。

サンタクロースはいないと完全否定してるのに、トナカイは空を飛べる。ついつい、え?!ホントに空を飛べるトナカイの種がいるの?!と思わされてしまった。
否定してるのに、多少のメルヘンが隠されていて、ほっこり。

たくさんの種が撒かれ、それをひとつずつ回収していくのはやはりすごい。ちょっとその設定ムリない?!とも思うけれど、人にはそれぞれ個性があり、それを最大限に生かすことで輝ける、というメッセージでもあるのかもしれない。(304文字)

<4>柊と太陽|恩田陸

初めて読む作家さん。
2人の登場人物の語りで物語が進むのだか、お笑いのネタのようなお話だなぁ、と読み進めた。

言葉遊びをしながら、おもしろい言葉を散りばめて物語を書く人なんだと知る。
クスッと笑える箇所がいくつかあり、細部にまで注意して読んで初めて、いつ頃の時代で何をしてる人たちなのかがぼんやりと浮かぶ。

後ろでこっそり聞いていたい気分になるが、なんの話なのか、さっぱりわからないかもしれない。
日本語として、ひらがなや漢字の使い分けをしているからこそ、読み物として楽しめるんだと気付かされる。

結局のところ昔の話でもなく、未来の話というわけでもなさそうで、いったいいつの物語なのかが気になったままだ。(296文字)

<5>子の心、サンタ知らず|白河三兎

なかなか感想がでてこなかった。
シングルマザーと、生意気な男児。そして、シングルマザーに恋する浪人生。
終始、生意気が目立つ会話が文中に飛び交う。
本当にこんな子どもがいるのかしら?という疑いがずっと心をもやもやさせていたので、物語が入ってこなかったのだと思う。

その男児が想う、母への気持ちが最後になんとなくわかる。
一緒にいて当たり前だけど、お互いに言いたいことや伝えたいことができていないことは家族だからこそ大いにある。
クリスマスというきっかけを頼りに、なにかしたいと願った子どもらしさがあっての行動だったのかもしれない。

母はそんな子どもの気持ちを知って、どう思うのだろうか。その後の展開も気になるところだ。(302文字)

<6>荒野の果てに|三浦しをん

芸人のすゑひろがりずのような2人は、電車が大蛇に見えるらしい。
見たことのない世界では、あらゆるものが驚異に見えたり、真新しく新鮮なものに映るのだろう。特に、100年以上前の時代から未来にきたとしたら、よりそう感じるのではないだろうか。

それでも、その世界にも徐々に慣れ、そうしていつの間にかその世界のなかに溶け込んでしまうのだ。

物語のなかで、「すべてが直線でできていて」とあった。溶け込んでしまって見えなくなったのは私も同じで、この直線だらけの世界に生きている。
今が生きやすいのかそうじゃないのかは、どちらでもあり、どちらでもないけれど、昭和から生きている私には、人にも自分にも寛容でいれる今の方が好きかもしれない。(307文字)
*クリスマスに触れなかったが、クリスマスの話題は広がってました!!

クリスマス⛄️🎄✨まであと数日。
ここに来てくれた人なら、この本面白そう!読んでみたい!と思ってくれたりもするのかな✨
ひとつの物語で30分くらいで読めるかな、と思うのでぜひクリスマスまでに読書して、楽しい時間を過ごしてね~♡
(もちろんクリスマスの後だって!)

そして、ぜひ感想文も!自分の言葉で書いてみてね🖊️



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