【パブロフの犬と親力】
我が家の次男は食いしん坊。
どうやって美味しく食べ物をいただくか、その発想は時に感心させられます。
本日のお昼ご飯はラーメン。いつもの醤油味のスープ。すると次男、
「バターを入れると美味しいんだよね〜」
とニコニコ顔で冷蔵庫に向かいます。
バターとナイフを持ってきて、四角に切り取って盛り付けられたラーメンに乗せます。そして、ちょっと溶かしながら面に絡めてすすります。
なんとも美味しそうに食べること。黙々と味わいながら食べています。時々
「うま〜っ」
という言葉がまた一層おいしく感じさせます。
隣で普通の醤油味のラーメンを食べているのに、なんだかバター味が口の中に広がってきます。
夜ご飯の生野菜サラダにも「ドレッシング掛けよう!」とウキウキ加減で冷蔵庫に向かい、真面目な顔でドレッシングを掛けて、黙々と食べます。
美味しく食べるために一所懸命に取り組む姿がなんとも微笑ましく、見ているとほっこりします。いつも食卓で次男の向かいに座っている夫は、疲れて眉間にしわを寄せている時でも、次男が黙々と食べる姿を見て口元を緩ませています。
すると、食後に既製品のカップヨーグルトを食べる次男の姿をみるだけでも、美味しそうだねえと幸せな気持ちになってしまう。もはや私と夫は、「パブロフの犬」状態です。
食べる姿で人を幸せにできるのは、素晴らしい才能だ。この希有な能力をこのままずっと持ち続けられるか? それは、きっと親の包容力を試されることになるのだろう。宿題を夜寝る前ギリギリになって始めるとか、天気が悪いと学校をサボりたがるとか、いや成績が……とか、色々指摘したくなることがあるけれど、それらから少し目をそらして、彼の良さを一番に認めることが、私たち親の使命。
4月から高学年になり、益々お勉強の軸が太くなってくるけれど、その軸に巻かれずにきちんと彼の軸を守ってあげること、それが大事なんだと改めて心に留め置いて。