すべての人がもつ七つの自惚れ

今日のお話は
「すべての人がもつ七つの自惚れ」
https://youtu.be/jy7D4CbheCQ
です。

本当の幸せになるには、
本当の自分の姿を知らなければなりません。
古代ギリシャから
「汝自身を知れ」
といわれます。

肉体の病でも、検査をしなければ分かりません。
本当の私とは、「本当の私の心の姿」のことです。

「私のことは私が一番知っている」
と思う人もありますが、近すぎるものは見えません。
私たちの目は遠すぎても見えない、近すぎても
見えません。

「目、目を見ることあたわず」
「刀、刀を切ることあたわず」
ともいわれています。

私たちが自分のことを知るには、鏡を見なければ
なりません。
私の姿をうつす鏡で考えられるものが3つあります。

「他人鏡」、「自分鏡」、「法鏡」
の3つです。

「他人鏡」とは、
他人の評価によって私のことを知ろうとします。
「今日ほめて、明日悪く言う人の口、
 泣くも笑うもウソの世の中」
他人の評価はあてになりません。
それは、その人の「都合」によって判断するからです。
自分に都合のいい人は良い人、
自分に都合の悪い人は悪い人、となります。

「自分鏡」とは、
自己反省をして、自分のことを知ろうとすることです。
ところが「欲目」が入り、自分のことは何でも
よいように考えてしまいます。

仏教では「七つの自惚れ(七慢)」が教えられます。

「慢、過慢、慢過慢、我慢、増上慢、卑下慢、邪慢」

「法鏡」とは、仏さまの眼に映れた私の本当の姿です。
お釈迦様は、大無量寿経の中に、

「心常念悪 口常言悪 身常行悪 曽無一善」

心は常に悪を念い、
口は常に悪を言い、
身は常に悪を行い、
かつて一善もなし。

と教えられています。

「常に」とは途切れることなくずーとということです。
そういわれるととても信じられない、と思われるでしょう。
しかし、厳密に私たちの心を見ると、
とても人に言えないことばかり思い続けています。

私たちの手を
肉眼でみる場合と、虫眼鏡でみる場合と、
電子顕微鏡で見る場合と、
同じ手を見ていても、全く見て方は違います。

では、本当に姿はどうか。
電子顕微鏡でみた手ではないでしょうか。

お釈迦様は
「心口各異 言念無実」
といわれます。
私たちの心と口は各々異なり、
言っていることにも、思っていることにも
まことがない、うそいつわりばかり、ではないでしょうか。

親鸞聖人は
「さるべき業縁のもよおせば
 如何なる振舞もすべし」
と仰言っています。

本当の幸せになるには、
本当の私の姿を知らなければなりません。


https://youtu.be/jy7D4CbheCQ


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【自己紹介】
今村光一@やさしい歎異抄講座
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昭和44年 兵庫県芦屋市出身。
平成 4年 大阪大学工学部機械工学科卒業。
平成 6年 仏教講師養成課程卒業。
以後各地にて講演活動。はじめての人もよくわかる、「なぜ生きる」とは、「歎異抄」の言葉とは、どんなことか発信してゆきたいです。

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【歎異抄の紹介】

親鸞聖人
約800年前、京都にお生まれになられ、
90才でお亡くなりになられた。

親鸞聖人は浄土真宗を開かれた方
日本人のほとんどは仏教徒
仏教徒の中で一番多いのが浄土真宗

歎異抄
親鸞聖人の高弟・唯円によってかかれたといわれる

親鸞聖人がお亡くなりになった後、親鸞聖人が
教えられたことと異なることを言いふらすものが
表れ、その誤りを嘆き正そうとしたもの。


日本の三大古文
「方丈記」(鴨長明)
「歎異抄」
「徒然草」(吉田兼好)
ほぼ60年間隔で成立

岩波文庫で「歎異抄」120万部以上
歎異抄に感銘を受けた人も多い。

西田幾多郎
「一切の書物を焼失しても『歎異抄』が残れば我慢できる」

三木清
「万巻の書の中から、たった一冊を選ぶとしたら
『歎異抄』をとる」

司馬遼太郎
「無人島に一冊の本を持っていくとしたら
『歎異抄』だ」



歎異抄について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
歎異抄.jp
https://xn--6quo9qmwi.jp/



【おすすめ】
仏教に学ぶ幸福論 by 菊谷隆太
(動画)https://www.youtube.com/channel/UC2L2dBbBWuexPgOE4IdGu2g

釈迦がただ一つ説かれたこと
https://www.youtube.com/watch?v=vzD7vQ0ajug&t=18s

釈迦と弥陀の違い
https://www.youtube.com/watch?v=jK7JAz-AmwY&t=828s


【ハイデッガーの老後の日記】
マルティン・ハイデッガー(1889-1976)
20世紀最高の哲学者の一人。

〔ハイデッガーの老後の日記〕
 今日、英訳を通じてはじめて東洋の聖者親鸞の「歎異抄」を読んだ。
「弥陀の五劫思惟の願を案ずるにひとえに親鸞一人がためなりけり」
(歎異抄後序)
とは、何と透徹した態度だろう。
 もし10年前にこんな素晴らしい聖者が東洋にあったこと知ったら、
自分はギリシャ・ラテン語の勉強もしなかった。日本語を学び、聖者の
話を聞いて、世界中にひろめることを生きがいにしたであろう。遅かった。
 自分の側には日本の哲学者、思想家だという人が30名近くも留学して
弟子になった。
 ほかのことではない。思想・哲学の問題を随分話し合ってきたが、
それらの接触を通じて、日本にこんな素晴らしい思想があろうなどと
いう匂いすらなかった。
 日本の人達は何をしているのだろう。
 日本は戦いに敗けて、今後は文化国家として、世界文化に貢献すると
いっているが、私をしていわしむれば、立派な建物も美術品もいらない。
なんにもいらないから聖人のみ教えの匂いのある人間になってほしい。
 商売、観光、政治家であっても日本人に触れたら何かそこに深い教え
があるという匂いのある人間になってほしい。
 そしたら世界中の人々が、この教えの存在を知り、フランス人は
フランス語を、デンマーク人はデンマーク語を通じて、それぞれ、この
聖者のみ教えをわがものとするであろう。
 そのとき世界の平和の問題に対する見通しがはじめてつく。
21世紀文明の基礎が置かれる。
               (中外日報:昭和38年8月6日)
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