心の食べ物 その1(中編) 【息子への手紙】
前編より
私は、遙か昔の自分の姿を思い出していた。
私が小学四年生の時、国語の時間に短歌を書くことになった。学校の周辺をみんなで山に登ったり、小川でカニを捕ったりした後、「川は、下へ下へと流れて行って、やっと着いたは海だった」と、書いて出した。
どうしたことか、先生が「浩一君の短歌が素晴らしい!」と、褒めてくれたのだ。何となくそう書いただけだった私は、ビックリしたが嬉しかった!
人から初めて褒められた時だった気がする。
私より頭の良かった井上君が「先生、それは字余りでは