【日本一周】6日目 和歌山県 那智勝浦
〜ガラケー時代に公共交通機関で旅をした24歳の記録〜
2006年4月23日(日)
熊野(三重県)→那智(和歌山県)→串本(和歌山県)
昨日に引き続き熊野古道歩き。今日は中辺路を歩いて熊野那智大社へ行く。
那智駅で降りると、駅から熊野那智大社までのマップが貼り出されていた。片道2時間とそこそこ距離はあるけれど、駅からスタートできるのはありがたい。
しかし駅にロッカーがなく、激重バックパックを背負って歩くことになった。
住宅があって、田んぼがあって、という田舎の風景を歩いていると、私は聞き慣れない音を耳にした。これはもしかして…蛙?カエルが一斉に鳴いている?カエルの合唱ってこと??
田んぼがない地域で生まれ育った私は、この日生まれて初めてカエルの大合唱を聞いた。感動して携帯に録音し、何度も聞いてしまった。
昨日の伊勢路で気付いたこと。一人で緑の中を歩くって、とても気持ちいいし楽しい。
草花や木々は私のことを元気にしてくれて、私は彼らに対して「きれいだねー」「かわいいねー」と話しかけながらずっとニヤニヤしている。怖い。
大門坂に到着すると、急に人の数が増えた。一般的にはここから歩き始めるらしい。
大変なのはここからだった。
大門坂からはひたすら石段が続く。重いバックパックが肩に食い込み、息が切れてなかなか前に進まない。
両側に立つ立派な杉の木に力を分けてもらったけれど、やっぱり重い。すれ違うおじさんたちに「偉いなー」「気をつけてなー」と声をかけてもらって少し元気が出たけれど、やっぱり重い。
これは修行だ。頑張れ自分。帰りはバスに乗って駅まで戻ろう。そう考えながら、根性で神社まで辿り着いた。
鳥居や社殿の朱色がとても鮮やかで眩しい。
落差日本一の名瀑・那智の滝が見えたが、離れたところから見てもいまいち大きさがわからず。だからといって近くに行く気にもならないので、お参りだけして神社を後にした。
帰りのバスの時刻を確認すると、出発は1時間後。待つのがもったいない気がして、結局帰りも歩くことにした。
往復4時間以上かけて駅に戻ってくると、電車は1時間後。駅で那智の黒あめ「那智黒」を買ってエネルギー補給をした。
実はこの日は朝から固形物を食べていない。空きっ腹にアクエリアスを飲んだら気持ち悪くなって吐いてしまったため、甘い飲み物と飴だけでここまでしのいでいる。
お腹を空かせたまま、午後15時半に串本駅に到着。
兎にも角にもお腹が減りすぎて何も考えられない。「お腹と背中がくっつく」とはまさにこのことだ。
持っている『0円マップ』というツーリング雑誌に載っていたお店に直行すると、微妙な時間にもかかわらず営業していた。助かった…。
マグロ丼(うどん付き)を注文し、感動の26時間ぶりの食事。震える手で割り箸を持ち、まずはうどんの汁をすすった。
!!んがっ!!!!熱い熱い熱い熱い!!!!
うどん、めちゃくちゃ熱い。しかも汁をすすると同時に熱々のワカメが私の喉に運ばれ、ピタッとくっついてしまった。水をがぶ飲みして危機からは脱したものの、悲しいことに火傷の痛みでマグロ丼の味はよくわからなかった。
とりあえずお腹は満たされたので、奇石群の橋杭岩へ。
↑の3枚目の岩が座っているお坊さんにしか見えない。自然が作るものって不思議だ。
海岸の公園のような場所を歩いて戻る途中、シロツメクサがたくさん咲いていたので嬉しくなって立ち止まった。
摘んでシロツメクサの冠作りに挑戦するも、作り方が全く思い出せず。指輪だけ作ってはめてみると、とても可愛かった。
ベンチに座って花をいじった30分間は、この旅が始まって以来の、時間を忘れてのんびり過ごしたひとときだった。
串本駅に戻り、今度はバスで潮岬灯台へ。
灯台はすでに閉まっていたが、時刻は日没30分前。西の方に行けば海と夕日が見られるかもと思い、見つけた遊歩道を歩く。
案内板も何もない道を進んでいくと…
夕日の絶景スポットに到着!私も勘が働くようになってきたらしい。
しかし雲が厚かったので夕日は見えず。10分ほど佇んで、宿へ向かった。
今宵の宿、みさきロッジユースホステルは岬のすぐ近くにあった。
ここは民宿がやっているユースホステルで、部屋を開けたらしっかり民宿だったのでびっくり。この日の宿泊客は私だけらしく、安い宿泊料金なのに綺麗なお風呂も用意してもらって、なんだか申し訳なくなってしまった。
串本、好きかもしれない。
疲れた人にお茶を振る舞います。