先回りとは想いやり~相手の立場に立って物事を考える~
◆先回りとは
まずは言葉の意味を確認してみます。
“相手が行うよりも早く行動を起こすさま”
“将来起こりうる物事に対して何らかの準備をするさま”
もっと噛み砕くとすれば
相手が行動する前に、何をするのか・何が必要なのかを“察知”して、
自分の方が“早く動く・準備”する
ということになります。
つまり、先回りをするためには、
①相手が欲するものが何なのかを“察する”
②相手が欲しい形で相手よりも早く“行動・準備”する
この2つをクリアすることが重要となります。
先回りが下手な方を分析してみると、
恐らくこのどちらかが欠落していると言えるでしょう。
察するのが下手なのか、
行動・準備が下手なのか。
自分がまずどちらになるのかを考えてみる必要があります。
◆察するのが下手な人へ
察する能力を向上させる方法はあります。
それは、“相手の思考の癖を理解する”ことです。
例えば、ものすごく面倒くさがり屋な上司がいたとします。
上司の気持ちを察するために、その上司が“どういう作業を面倒くさがるか”、思考の癖を予測します。
その人の思考になって脳内変換・シチュエーションを妄想するのです。
▼脳内仮想~勝手に上司の立場で物事考えてみる版~
・あ、全社宛てに資料作成依頼がきた
・来週月曜日まで納期のPPT資料作らなきゃ
・何となくイメージはついてるけど形にするの面倒だなぁ
・しかも今週○○打合せ、作業時間金曜日しかない…
・誰かにやってほしいけどみんな忙しそうだからしょうがないか…
こういう思考の癖を“妄想”できたとき、
まずは先回りするにあたって、
“察する”というステップは成功だと思います。
察することが苦手な人は、
自分の思考の癖で物事を見がちです。
上記例で行くと、例えばPPT資料を作るのが好き、
もしくは苦でない人間にとっては、
そもそもこの作業を面倒なのではないかということすら
気が付くことが出来ません。
つまり、察することが下手だなぁと思う方、
まずは相手の思考の癖を予測しましょう。
相手がどういう行動パターンをもつのかをじっと観察して
普段どういう言葉を発し、どういう行動に出るのか
まずは興味を持つことが大事です。
◆行動・準備が下手な人へ
相手が欲しい形で相手よりも早く行動・準備するためには
どんなことを意識すべきなのでしょうか。
常に意識しているのは
“相手がワンクリックで対応完了”
“コミュニケーションが一発で終了”
上記のような行動・準備です。
例えば先述した通りのシチュエーション、
つまり全社宛てに資料作成依頼がきた場合を考えます。
▼脳内仮想~上司の思考の癖を見抜いてどうすればいいか考える版~
・来週月曜日まで納期のPPT資料作らなきゃ
・多分上司、ドキュメントに落とすの面倒くさがるだろうな…
・しかも今週打合せばかりで、上司の作業時間金曜日しかない
・であれば、木曜帰宅時点でドキュメント編集しやすいように
ある程度形にして共有しておくと作業しやすいかも
・来週納期であること自体忘れそうだからついでに木曜時点でリマインドしておこう
・あ、やっぱりこれすらも面倒かもしれないからやっぱりここまでやっとこうかな…
こういう思考回路がほぼ毎日エトセトラ、エトセトラです。
そして、ついに「先回り」を計って行動するまさにその時、
“相手がワンクリックで対応完了”
“コミュニケーションが一発で終了”
これを最大意識します。
このことを意識しないとせっかく色々考えたこと・行動したことが
二度手間と捉えられてしまうのと、
そもそも忙しい上司の工数を増やしてしまうと
目的乖離となってしまうためです。
結論を先に、詳細は5W1Hで、
コミュニケーションが一発で済むように
最大限気を遣っています。
PPT資料の先回り行動の場合だと、
私だったら木曜日時点でこんなメールを書きます。
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○○さん(上司名)
(WHAT)
全社依頼の来ているPPT資料の件です。
納期が来週ですので念のためリマインドいたします。
(HOW1)
僭越ながら更新しやすくするために
PPT資料フォーマットを作成していますので
ご確認ください。
(HOW2)
添付資料の~~部分を更新すれば
対応完了となります。
(WHEN)
来週月曜日までにご提出ください。
ちなみに報告用メールテンプレも作っていますので
ご活用いただけますと幸いです。
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…とかでしょうか。
このメールを見た上司が超簡単に対応ができ、
かつ対応後のプロセスまで見据えられた
報告用メールテンプレまで用意されたら
面倒くさがりな上司にとって、
これ以上ないくらい「先回り」出来たのではないでしょうか。
行動・準備が下手な人に共通しているのは、
この“一撃必殺”コミュニケーション下手なように感じます。
あとから、あとから、あれもこれもそれも、と
追記事項が増えていく、確認工数が増えていく、
さらには相手の工数を奪っていくやり方は
行動・準備上手とは言えません。
せっかく先回りを頑張っても
相手から感謝されない、的外れ、確認不足であれば
それは単なる空回りです。
そんなの悲しいですし、勿体ないです。
“一撃必殺”コミュニケーションが上手になってくると、
自分だけでなく相手の業務効率もアップしますし、
何よりも、相手から素直に感謝されやすい、
仕事できるね!と思われやすいかなと感じます。
★以上まとめると、先回りに必要かつ重要なのは、
①相手が欲するものが何なのかを“察する”ために
思考の癖を見抜いて妄想してみる
②相手が欲しい形で相手よりも早く“行動・準備”するために
“一撃必殺”コミュニケーションを心がける
この2点になります。
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いかがでしたでしょうか。
色々お話ししましたが、
先回りという言葉を改めて考えてみると、
しっくりくる言葉は“想いやり・気遣い”です。
察するのがうまい、つまりは気遣いができると言われる人は、
恐らく誰からも、何も言われずともできちゃいます。
して
会社を良い組織にしたいという想いを以って
結びといたします。
ご一読いただきありがとうございました。
以上、本日の見返し用アウトプットでした。