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消費人間と生産人間の二極化状況


北里明日香のゆるふわエッセイ 第7回


「わたし、驚きました」
というのも、今日はわたし、買い物に行ったのですよね。
そして、マイバッグを2つ持っていいき、レジで会計したわけ
なのですよ。
研修中の男の子でした。すると、あれ?
ぼーっと突っ立っているのです。閉店時間の1時間前には
よくある光景です。わたしもそんなことなんて気にしません。
そして、わたしが会計する時には
「いらっしゃませ」なんて言わないのです。
まぁ、こんな時代ですからそういうものを省いても
わたしは良いと思っています。
そして、元気がない・・・ん?こちらが心配になりそうです。
極めつけは、マイバッグを渡しているにも関わらず、
商品を入れない。
※補足説明しておきますが、その店は基本的に
マイバッグ持参すると商品を入れてくれます。

前回も同じバイトくんだったのですが、
わたしはマイバッグを2つ持っているのに、
1つのマイバッグに全部詰め込んじゃいました(笑)
どーなってるんだここ?って思いました。
今回は「マイバッグに入れてくださいね」と伝えると
力のない返事でコクンと首の上げ下げで伝えるわけですよ。
その間にわたしは「追加で商品を取りに行ってもいいですか?」
と伝えると、「いいッスよ」と言うではないですか。
わたし、あなたとお友達じゃないのですから・・・。
やる気なくマイバッグに商品を詰め込み、最後には
商品を忘れる始末でした。
もはや驚きを通り越し唖然とするだけでした。
これをケース1としておきましょう


ケース2
その後、とあるコンビニに寄って買い物してきたわけですが、
そこでも研修中の札を掲げた女の子がいました。
レジでは後ろに先輩のバイトくんがついており、
しっかりと教えていました。
レジの隅っこにはメモとペンが置いてありました。
なるほど、頑張っているんだなぁ・・・ってわたしは思ったのです。
もちろん、手際は悪かったのですが、一生懸命さは伝わりました。
「ありがとうございます!」という声もはっきり聞こえました。

という不思議な一日でした。
というより、この記事を書く原動力にすらなったお二人さんです。
ほぼ同じ年齢と思われました。

ちなみに、わたしも永遠の大学生ですし、そういう設定なので
バイトもしていますし、レジでの作法くらいは当然知っています。


■消費型人間と生産型人間の登場

2021年の成人式では2000年4月2日生まれから
2001年4月1日生まれの方が対象ということです。

つまりは新世紀で生まれた人たちが20歳になるということです。
彼ら彼女たちの背景を考えてみましょう。
2000年生まれの人たちは、NY同時多発テロ事件を知りません。
仮に知っていたとしても、それはリアルタイムでなく
アーカイブで知っているということです。
21世紀の幕開けはNY同時多発テロ事件から始まりました。
だけど彼ら彼女たちは知らないのです。
そして、「少子高齢社会」と叫ばれた時代を生きていきました。
とにかく大事に育てられ、社会環境的にも
子供は大事というような環境で育ってきているのです。
物心がつく6歳くらいになると、小学1年生ですが、
その頃にはデジタルデバイスで育っています。
ネット社会はあり、PCはあり、携帯電話もありました。
ゲームはPSPやニンテンドーDSの最盛期のときの世代です。

彼ら彼女たちは、おそらく持っていたはずです。
そしてそれらは両親、もしくはこちらのほうが可能性が
高いのですが、お爺さんお婆さんにプレゼントされたと
いっても過言ではないでしょう。
溺愛する孫のためにドンドンとモノが溢れていく世代です。


すっごく前置きが長くなりましたが、
「消費型人間」の誕生です。

彼ら彼女たちは、生まれてから20歳の成人式を迎えるに
あたって、常にモノが揃っているのです。
何不自由なく温室栽培のように育ってきたために
「消費者」として生きてきたと思われるのです。
また、大学全入時代に突入しているので、
そんな猛勉強を強いられることもあまりなかったと思われます。
関東圏でいうなら、
上智・早稲田・慶応・ICUクラスならばかなり勉強が必要ですが、
MARCH程度になるとそんな猛勉強はしなくても入れる。
日東駒専ならそこそこ勉強していれば入れる、
そんな環境で育ってきたと思われるのです。

いやそんなことはない!言いたい放題書くな!
北里明日香!異論反論がある!というなら
コメント欄でもいいのでどうぞ書いておいてください。

■消費者型人間の特徴

消費者型人間の特徴としては、
まず自分自身が消費者的な目線で物事を考えるために
アルバイトという初めての社会に出たときに
何もわからないのです。
そもそも、お金を稼ぐということに関しても
幼少時代から好きなモノを与えてもらって当たり前という
時代を過ごしてきたのですから、
お金を稼ぐことの大変さや、お金の重大さを
そんなに実感していません。
よって、先程のケース1のバイト君のように
何も教わる気もなければ、バッグに商品を入れる
つまりは、入れる(本当にただただ入れる) という
ことになるのです。
驚愕したのは、缶だったのですが、上下逆さまでした。
このバイト君の思考回路では、商品を入れるというのは
上下など関係はなく
バッグに入れる=入ればOK
という思考回路で動いているとしか思えません。
消費者型ですから相手のことを考えてはいないのです。
想像力がありません。
もちろん店側も悪いですし、教育しないというのも
悪いです。
教育してこれならPepperくんのほうが賢いです(笑)。

消費者型人間は勉強という概念がほぼありません。
何かについて知るということも概念がないのです。
当然ながら何も知らないということはないでしょう。
そのためのGoogle先生です。
スマホで検索して調べるわけですが、
自分にとって死活問題なこと以外はスマホで知って
ふーん程度だと思われます。
そこから先を調べることなんてないのです。
また、マイバッグに入れることに対しても
思考回路が働きません。
2つ持ってきたのに対し、1つに思いっきり詰め込むというのは
分けて重さを分散させるという知識が限りなく0レベルでないからです。
恐らく悪意を持ってやったとは考えにくい。
悪意すらないからこそタチが悪すぎます。

一方で、コンビニでの女子大生っぽい研修生
彼女は小さなメモとペンをしっかりとレジ隅においていました。
勉強する意欲がある証拠です。
もちろん、初バイトかもしれませんし、
数度目のバイトかもしれませんが、覚える意欲はあります。
また動きもそこそこ機敏でもあり、
何かを意識しながら働いているのだなと感じさせるものが
ありました。
これを「生産型人間」とでも置き換えるならば、
しっくりときます。
何かしら付加価値サービスを提供してでも
生産性を上げたい、もちろん大手のコンビニですから
一人のバイトちゃんが売上をガラリと変えることなど不可能です。

このお二人さんは大体同じような歳っぽかったですし
同じくどちらも研修中の身ですが、
圧倒的な差が見受けられました。

実はわたしもレジのバイトをしているのですが、
それこそ、人間の動作や何を欲しているのか、
振る舞いなどをかなり勉強しました。
ただ、教えてもらうという姿勢で望まない限りは
必要最低限しか教えないような気がします。
あとは、先輩や社員さんやパートさんの上手いなって部分を
盗んだりして自分のモノにしたりしています。

話がそれてしまいました。

去年はとんでもない年でしたけど、
今年は今年でとんでもない人間が現れたのだなと
思いました。

いま一度考えてほしいのですが、
自分は「消費型人間」か
もしくは「生産型人間」なのか、
見つめ直してみるキッカケにもなると思われます。

あくまでもどちらが正解、どちらが優劣などという
お話をしているわけではありません。

逆にバイトくん・バイトさんを育てない社会も悪いですよ。
それは単なる育成放棄です。
失敗して「自己責任」を押し付けるのは問題外です。

そういった意味でも、ひとつの問題提起の一石を投じる
ケースだったとわたしは考えております。

補足

いまの時代のことですが、
読者をする人間、特に若い人は減っているそうです。
でも面白いこともあります。
本を読んでいる若い人間はその読書量が
10年前の同じ若い人と比べて
2倍分読んでいるということです。

どこかに統計結果がありました。

つまり、勉強している人は10年前の同じ世代より
2倍以上の読書量をこなしている。
そして勉強している。
一方勉強しない人は10年前の同じ世代よりも
さらに勉強不足に陥っている。

これはどういう現象なのか。
これについても環境要因やらなぜそうなっているのかを
わたし自身勉強していきたいですね。

でわ。


2021年1月13日 23時50分

北里明日香(Asuka Kitazato)

書き下ろし作品

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