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ストレス社会で余裕がなくなった社会。


 国民総ストレス社会


ストレス社会なんて、いまに始まったことではない。
もう30年も50年も前から、たぶん昔から、
ストレス社会なんてあっただろう。
「24時間働けますか」というCMもあった時代。
栄養ドリンクが売れていたのだから、働きっぱなしの
日本人である。
やはり、日本人というのは「働く」「勤労」というのが美徳なのである。
日本は資本主義国である。よって「生産性」が一番大事にされる。
モノをたくさん作って売れ。新商品の開発をしろ。小型化に成功させろ。
といった90年代である。
一方で、こんなCMもあった。
「5時から男のグロンサン」という高田純次のCMのように
9時17時で会社を退社し、アフター5(ファイブ)という
仕事が終わってから、飲みに行くとか、スポーツをするとか
そういうまだ余裕もあった時代でもある。
家族とのレクリエーションもあり、結構幸せだったような
気がする90年代であった。
それでも、阪神大震災があったりオウム事件があったり
酒鬼薔薇事件があったりと、やはりストレスは蔓延していた
のである。
インターネットの一般普及も90年代最後のほう。
まだ、平和だった。
読者の若い方は知らないと思うが、この時代では
飲酒運転は別にそんなに大ごとではなかった。
泥酔運転はダメだが、割と寛容であったのだ。
ちょっと飲んで運転しても別に問題なかった。
新幹線の指定席でも喫煙が大丈夫な時代。
駅のホームに灰皿なんて普通にあったのだ。
会社のフロアの一角に仕切りがあり、喫煙可能だったのだ。
いまは信じられないだろう。


 いよいよ新時代、風向きが変わってきた



2000年ごろから、いきなりアメリカ同時多発テロが起こり
いきなり、歴史的にとんでもない光景を見せられた。
風向きが変わってきたような気がするが、まだ日本では
のほほんとした空気だったように思う。
この事件を機に、空港ではボディーチェックが厳格化された。
金属探知機やゲートが出てきたのだ。
そして、東名高速飲酒トラック事故が起こり、
飲酒運転に厳しくなってきたのは2006年ごろから。
インターネットは2000年にはADSLや光回線も開通し
いよいよ本格的に稼働。
2005年の「電車男」というドラマから、ネットに一般的な
人間も参入するようになってきた。
アフィリエイトサイトという、広告でお金稼ぎは2006年ごろからである。
私は「web.2.0」がネット社会を変えたと思っている。
blogの台頭、元祖SNS「mixi」も2006年から普及し始めてきた。
ニコニコ動画は2007年辺りから、グーグルマップもこの辺り
YouTubeの本格稼働も2006年辺りから
Twitterが2007年辺りから。
要はSNS関係は「web2.0」時代から始まっている。
いよいよ生きにくい世の中が作られようとしてきたのが
2005年以降なのである。

そういや「メンヘラ」って2000年くらいだよなぁ。
SSRI (新型抗うつ剤・*注1*)の誕生とともにできた気がするよ。
もちろん90年代から神経症やうつ病はあったのだけど。
タバコもどんどん値上げになってきて、2000年代後半には
禁煙の波が襲ってくる。
ちょうど、健康増進法、生活習慣病が流行りだした
のは2008年くらいかな。「メタボ」って流行ったのは
その頃である。「後期高齢者医療制度」が発足したのも
この頃である。制度は素晴らしいのに、「後期高齢者」とは
なんぞやと言って怒ってたのはこの頃である。
「タスポ」もこの付近の頃である。
誰しも忘れた「タスポ」である。
そして、2000年代には、資本主義社会もとうとう行き詰まってきた。
その最後の象徴が、リーマンショックの破たんである。


そして人々はどうなったのか



そして人々はどうなったのか?
そう狂っていった。おかしくなったのである。
2000年代に、新自由主義者である総理大臣が誕生し
「痛みを伴う構造改革」という名の下に、勝ち組負け組
弱者切り捨て、福祉もカットという事態が起こった。
サラリーマンの健康保険負担は2割から3割負担へ変わる。
ネットのとある掲示板では、ストレス解消のように
冗談じゃなく、「死ね」、「カス」、「クズ」という汚い言葉が
溢れかえっていった。
メンタルを病んでくる人間も増えていった。
またとても重要な法案も通っていましたね。
「個人情報保護法案」
これを機に、当時メールアドレスを聞くのは大して簡単だったが
個人情報、個人情報という名の下に神経過敏になり
個人情報が大事になることになった。
プライベートな名前、住所、電話番号などは重要な情報に
格上げされて、簡単に聞くに聞けなくなったような思いがある。
極め付けは、「自己責任論」だ。
これについてはよく調べた。
発言の源流は「小池都知事」なのだから笑えないね。
「自己責任論」の原則を述べると、
*「何かをするにしても、失敗したら、自分で責任を取りなさい。*
*誰も助けることはしません。あなたに責任があります。」*
不祥事・失敗を起こしたら、自分で責任をとってくださいということ。
相互の助け合いの精神の概念もぶっ壊してくれた。
電車で飛び込んでも可哀想にという時代から
いまでは、なんて迷惑な奴だ、他で死んでくれという時代である。
ホントは日本は島国だから、お人好しな民族なのに
どこかで狂ってしまったんだなぁと思う。



 総ストレス社会になってみんな狂ってる




問題を上げればきりがない。記事が10本分になる。
時代をいまに戻そう。
去年、吉澤ひとみが、飲酒運転ひき逃げを起こして大事件になった。
アルコールを深夜から早朝まで飲んで事故を起こした。
アル中が要因のひとつだ。
また、いま世間を賑わせている、ピエール瀧のコカイン使用。
30年前から使っていた!?
音楽ジャンルから関連性はあるのは否定できないが、
365日ほぼほぼ仕事でやってられないだろうなってのは思う。
本人の身体はボロボロになるかもしれないが、他人に危害を
加えていないだけマシだ。
これは、今後の社会を変えると思うが、
「東名高速煽り運転事件」
あおり運転なんて、昔もあったかもしれないが、ここまで
表立ってでてくることはなかった。
しかも、ものすごく重い罰になっている。
第二の飲酒運転のようである。
あおり運転の怖いところは、
運転者、誰しもがその性質を抱えていることである。
「おれはそんなことしない、わたしはしない」
大変結構なことである。
ただ、怒ったことはないのかと問いたい。
誰しも喜怒哀楽があるから、運転中に怒ることもあるだろう。
いくつもの不幸な要素が絡んだときには、あおり運転をするかもしれない
ということも覚えていた方がいい。



超ストレス社会を生き抜く知恵



2010年代からのお話はしていないが
キーワードは「監視社会」
「パノプティコン」の完成になった。
超ストレス社会を生き抜く方法としては、
「あるがままに受け入れる」ということが重要であると思う。
競争社会も当たり前。深夜残業も当たり前。成果を出して当たり前。
さらに追い打ちをかける、失敗したら「自己責任」
怖くて、不安でチャレンジすらできない。
「諦め」まではいかないが、「あるがままに受け入れる」という生き方。
私は、今後年収300万円に届くとは思えない。無理です。
ひっそりと、慎ましく暮らすしかない。
成功者を妬んだり、嫉妬したり、追いかけても仕方ない。
自分自身の等身大の生き方をしたほうがいいように思える。
無理をしてもやはり自分自身の限界を超えると
狂ってしまうのは私自身が経験して証明している。
去年、死にたいと思い、バイクで90キロの速度で
トラックの後方に激突して、意識なくして、救急車で運ばれたが
「生きなさい」というお告げなのか、肋骨骨折1本で済んだ。
もう、自分を良く見せるというのは、いいんじゃないのかな。
死ぬのも結構大変ですよ。
「あるがままに受け入れ生きる」
もちろんスピードも要求され、仕事量も多い時代に
そんなことできるか!と言われそうだが、
休みの日のどこかでちょっとでもいいから考えてみてほしい。
今後は、「多種多様性の開花」というキーワードも出てくる。
それもストレスになるかもしれないが、新たな価値観は歓迎だ。
資本主義である故に、「仕事」はどんな形であれしなくてはならない。
人間関係の問題は、一生関わるものである。
関わらないことはない。
昔の偉人はいいことを書いた。
最後に紹介して終わろう。



『平家物語』 冒頭

祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらは(わ)す。
おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし。
猛き者も遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ。



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by 北里明日香 ASUKA KITAZATO


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北里明日香(Asuka Kitazato)
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