人工知能と将棋からみて、今後到来するデジタル社会においての最善手とは何か。
こんにちは。こんばんわ。北里明日香です。
私は、いまは冬休みなので時間があります。
ということもあって、noteを書いている頻度も
多くなります。
たまにコメントを書きに行っていることも
あります。
最近の記事では、
お笑い漫才の台本を書いていますが、
それはわたしの息抜きです。
過去にもインフルエンサーの文体模写などもしていました。
誤解してもらっては困りますが、
それは本筋ではないです。
基本的には、真面目なエッセイ・コラムを書いています。
あまりにも固苦しい記事が続いたりすると、
書くのが嫌になったりする時があります。
あまりにもお固い記事ばっかり書くと、
面白いネタやお笑いネタに走ることが多いです。
そういうのは本業のエッセイ・コラムの傍ら、
たまに書くのが面白いようです。
ちょっと線路をはみ出したほうが面白いと思うのです。
きっちりと何もかも決められた線路を走るほうが
息苦しいと思ってしまうのです。
基本的にはPCで書いているので、
スマホで見る方はレイアウト崩れが
多いかなと思います。
ここはnoteがなんとかしてもらいたいと
思うところです。
では本題のほうへどうぞ。
◆ 令和の天才VS平成の天才
わたしは、もともと将棋が好きで、
先日の王将戦を見ていました。
第1局から第5局まで見られる時は見ていました。
藤井聡太竜王VS羽生善治九段の戦いは
いつも以上に面白いです。
なぜなら令和の天才VS平成の天才の勝負であって、
さまざまな意味での注目の王将戦であるからです。
ただ単に令和の天才が勝つのか、
それとも永世王将保持者である平成の天才が勝つのか、
そういうことに関しては勝負の世界ですから、
勝った負けたにはあまり興味はありません。
それよりも興味を持っているのは、
対局者がお互いにAI思考を取り入れたことです。
藤井聡太竜王はもともとAI将棋の申し子と言われていました。
AIを研究し尽くした将棋が得意であり、
90%以上の指し手がAI通りの最善手を指します。
一方で羽生善治九段は、
一昨年まではAIは取り入れなかったそうです。
昨年になってからAIを研究範囲に取り入れて研究に励んでいたそうです。
どうやら東西将棋会館建設委員会の委員長になったりしていて、
関西・関東将棋会館の移転の決断や会合などで
多忙を極めたそうです。
そういったものが落ち着いた後に
AIを研究範囲に取り入れたことによって、
昨年の12月に王将戦の挑戦者として間に合ったそうで、
そこで、今回の藤井聡太王将との勝負にこぎつけたそうです。
というように、
令和の天才VS平成の天才と評されていますが、
わたしはそういうのはあまり興味ありません。
お互いのAI観を見定めるための勝負として
興味を持って見ています。
◆ AIは完璧なのか
「AIという人工知能は完璧なのか?」という命題が出てきます。
将棋の世界で考えてみましょう。
将棋の世界であればAIは完璧と結論づけます。
AIは、将棋の盤面をデジタルに完璧に見ています。
その正確性は無慈悲なほど冷酷で天才です。
たまに異次元の指し手と言われるような、
常識を外れたような手を指しますが、
AIにとっては人間にあるような感情がありません。
人間には嫌悪感や不安感、恐怖感というような感情があります。
AIにはそういったものがすべて排除されているのです。
だから平気で人間離れをしたような指し手を指すのです。
それは最善手としてカウントされます。
最善手は勝つための最善手です。
それ以外の手というのは候補手であり、
最善ではありません。
そこでAIを取り入れている棋士にとって葛藤になります。
AI通りに打てば完璧なのかという問いです。
AIと同じ決断を簡単にできますか?という問いです。
またさらに重要なのは、
AIと同じ最善手を指せば勝てるかもしれないが、
自分自身のオリジナリティの喪失です。
ここに葛藤があり、
勝ち負け以前にAIが将棋を支配しているのではないかという
葛藤も伴います。
AI自体は将棋の世界ではほぼ完璧なので間違いはないでしょう。
しかしそれを人間が読み取って指せるかどうかです。
藤井聡太竜王はそれを本当にやってのけます。
他の棋士はそれがなかなかできません。
当たり前です。
裏打ちされたような理詰めの論理を持っているかを
問われるからです。
そんな完璧な理論を持つことは人間は不可能レベルです。
だからこそ藤井聡太竜王は異次元な人なのです。
それは、AIを研究しているかどうかです。
言い換えて言えば、勉強しているかどうかです。
勉強範囲の中なら自信を持って指せます。
勉強範囲外になれば、自分の脳内を問われるのです。
そこに棋士として、人間としての葛藤があると思います。
勝負の場所にパソコンは置いてありません。
自分の指した一手は最善手なのか、
それとも候補手なのか、
常に葛藤があると思うのです。
社会学ではSellin,Tの行為葛藤理論や、
E,Goffmanの葛藤理論で説明できますが、
noteでこういったものを書くのは、
難しくなるので説明は省きます。
◆ 人工知能の世界が現実社会にリンクするとどうなるのか
先程の要点を書き出します。
将棋の世界においては、AIというのはほぼ完璧な存在である。
AIをトレースすれば、ほぼ勝ちが約束される。
しかし、AI通りに指せば、棋士自身のオリジナリティは喪失する。
勝ちたいという気持ちがあってAIを導入する。
するとAIに支配されてしまう。
だからといって、自分自身のオリジナリティの喪失はしたくない。
まさに人間的な葛藤になります。
AIと一緒の指し手を指すのは棋士にとってどう思うのでしょうか。
まず、最善手は何かという問題。
次に最善手ばかり指していくと棋士のオリジナリティが消える問題。
さらに最善手のみ指していると、
AIに支配されているのではないかという問題。
そういったものが人間に襲いかかります。
実際に、AI研究を極めている藤井聡太竜王ですら、
AIの最善手を指せ!というところから、
わざと外すことが多くなりました。
AIを研究すれば研究するほどAI通りの手順になって、
支配下に置かれる反抗としての、
人間的な、わるあがきなのかなと思われました。
さて、AIと現実社会が将棋の世界のようにリンクしたら
どうなるのでしょうか。
答えは簡単です。
最善手、候補手一覧が読めるだけです。
デジタル社会に社会変革している昨今では、
決められた行動指針が喜ばれます。
AをするならBをしてCで完結するというような、
行動指針が好ましいのです。
それが更に強固になるのはAIを完備してからでしょう。
何の行動をするにしても、AIが介入してきて、
Aの行動は95%最善手
Bの行動は75%の候補手
Cの行動は5%の候補手
と見えないところで出ていたらどう思いますか。
Aの行動かBの行動を取ると思うでしょう。
Cは無いと思われます。
しかし、決断の場にはAIはいませんよ。
そういうことを問われているのです。
さらにそういう社会は、
もう近くに来ていると思います。
◆ AIは人間の個性や感情的なものまで消していく
まだ現実世界のAIは発展途上ですが、
進化のスピードはとんでもない速さです。
もしも将棋の世界のように完璧なAI社会になるとどうなるのか。
簡単だと思います。
先にAI研究をしている人たちがアドバンテージを得るだけ。
AIは「最大多数の最大幸福」を提供するでしょう。
仕事をすることにおいては、最善手の連発をする人が
出世していくでしょう。
対人関係においては、最善手を連発する人が
円滑な人間関係の作りができるでしょう。
人間関係には困らなくなるでしょう。
やることなすことが最善手が取れる人は、
藤井聡太竜王のようにミスはしないでしょう。
もちろん重宝されることになるでしょう。
はてさてここで問題です。
では、そのAIを半分備えたような人間にとって、
「自分という存在は何か」に突き当たるのは必然です。
それまでAIの行動指針のように動いてきた人間として、
自分の個性は消えているはずです。
最善手を連発することは、自分の個性を消す作業でもあるのですから。
AIには感情は無きに等しいものです。
人間には感情があります。
例えば、人間関係を切らなければならない場合においては
AIは即座にバッサリ切ります。
感情がないですから。
しかし、人間としてはAIを研究したとはいえ、
冷酷無慈悲にバッサリ切れるでしょうか。
そこに葛藤が生まれてくるのだと思います。
例えばの話をしたので、極論的なものでしたが、
日々過ごすことにおいて、
決断するような時は、数多の数があります。
そこで最善手とはいえ、酷薄無情なことができるのでしょうか。
その時には現在のトップ棋士の葛藤の気持ちがわかると思います。
「最大多数の最大幸福」や「超効率化」のために、
感情抜きの機械的決断が人間にはできるのでしょうか。
わたしは、一定数はできる人がいると考えます。
藤井聡太竜王のように天才的にいると思います。
ただ99%の人たちは、「葛藤」で悩むでしょう。
だからといって、chatGPTに悩み相談をするなら、
本末転倒ってものだと思います。
でわ。
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北里明日香(Asuka Kitazato)
2023/02/27
14:23
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