●衝撃稽古 稽古場で全裸になったはなし●
皆様こんにちは!今井夢子です。
今日はセビージャのカンパニーにて、初めてのリハーサルで行われた衝撃の稽古についてご報告します!
ずばり!タイトルの通り!
全裸稽古!
普段、トレーニングの最初に行ういくつかのエクササイズがあります。
「空間を歩く」
「空間をよりダイナミックに移動する」
「移動に目的・感情を伴わせ、他者と交流を持ちながら空間を移動する」
「全員で円を作り、合図で円の中央を通り、位置を移動して、再び全員で円を作る」
などなどが、ベーシックバージョンです。
文字にすると簡単そうですが、これをかなり情熱的に、そしてリスクを背負うことを意識しながら、よりダイナミックさを探索しながら行うので、非常に集中力の要るエクササイズです。
ちなみに、私、当初スペイン語のディレクションはほぼ理解できませんでした!!
(今も言語としての理解は生まれたてレベルだが、状況と照らし合わせればなんとなく、何の話をしてるのか、ぐらいはわかる)
時々、英語で通訳をしてくれる仲間の言葉からの情報2割、あとの8割は状況を目で見て判断して、行動している状況でした・・・。
さて稽古初日。
前述した導入部分のエクササイズは、昨年のワークショップでも経験していたので、「よしよし、なんとかついていけるぞ」と内心ほっとしていたところ、
「ほにゃほにゃほにゃめんて!」
ディレクターが突然何か叫びました!
周りの皆を見ると、一斉に、ものすごいスピードとパワフルさで、
服を脱いでいる!!
慌てて後を追い、とにかく服を脱ぎ始める私。再び周りの皆を見ると、
もはや全裸!
慌てて後を追い、私も一糸まとわぬ全裸に!!
内心最初はどっひゃー!と思ったものの、集中力は完全に稽古モードになっていたので、えいやっ!と抵抗なく最後の一枚を脱ぎ捨てました。
そしてそのまま、前述したエクササイズを全裸のまま行うという稽古に突入!
壁も床も真っ黒な稽古場の中で、白い肌の塊たちが歩き回り蠢く姿は、なんだかヒエロニムス・ボスの「快楽の園」みたいな印象で、美しくもあり、グロテスクでもあり、またなんだか滑稽で可愛らしくもあり。
こんな機会はそうないわ!と思うと、エクササイズの中での身体的な交流の持ち方も変わってきたり。わくわくどきどき楽しんでしまいました。
後から思えば、作中で役によってはフルヌードがあるカンパニーだし、皆がどれだけヌードに抵抗を持っているかを演出家も知っておきたかったのでしょう。
そしてチームにとっても、全裸を見せ合い触れ合うことで、まるで家族よりも強いつながりが、おもむろに生まれたような気がします。
ひとりひとりが、なんだかとっっっても神秘的で尊い存在に見えたし、力強くて、でも同時に壊れやすくも見えて、ああこの人たちを大切にしたい、と感じました。
人生初めての全裸稽古は、人間の美しさを目の当たりにするような、愛しい体験だったのです。
そういえば、仲間がこんなことも言ってました。
「私たちには、性別はひとつしかないのよ」
ってさ。
皆様の稽古場でも、是非★
・・・とはなかなか言えないなあ・・・日本でこんなエクササイズを突然始めたら、問題になっちゃいそうだけど・・・取り入れてるカンパニーもあるんでしょうか。
日本でやったらどんな風になるのか、いつか試してみたい気がしています。ふふふふ。