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活字を吐瀉する場所

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最近の記事

痩身の苦

 「痩身」というと減量する方向性のダイエットを思い浮かべる人も多いと思うが、これは図らずも短期間に体重が減って苦しかった経験を書いたものなので、減量成功談を期待して開いた方は閉じてしまってほしい。この記事は私が痩せたことによる身体的な感覚の変化に驚いて記録をしたものであるので、ある人にとっては神経を逆なでするものであると思うから。  原因ははっきりと分からないが、メンヘラに激詰めされていた時期や就活、両親の別居が重なって、4か月ほどをかけて7㎏ほど体重が減った。これは私の元

    • おじいちゃんにはゆっくりと自殺してもらうことにした

       祖母たちには今まで盆と正月に会うばかりだったので、同居するようになってから今まで見えていなかった祖父母の老いや悪習も見えるようになってしまった。もちろん祖母宅の近隣への進学をきっかけに同居という選択をしたことで、短期間ながらも今まで全く共有してこなかった生活が交わったのはとても価値あることだったけれど。  これまでの休暇につけても、祖父が酒好きであるのは明らかであったが、たまの孫の訪れに喜んで酒量が特に多いのだと思っていた。何日か食事を共にして、すぐにそれが祖父の日常なの

      • 体重が15%くらい減ってしまった。世界に対して私が占める割合の大きな変化。

        • Dear my Trauma 親愛なるトラウマへ(原文と和訳)

          以下、私が元カレ(元カレという呼び方すら汚らわしい。)に送った手紙ほぼそのままの文。自分の苦しみを叫び散らしたいという思いが私を狂わせているので、正常に戻ったら削除するかも。 Hi This is a little bit embarrassing to write you again after I told I will never contact you. I guess I should write with my keyboard, so that my trem

          メンヘラと戦いながら抑うつしながら就活した記録

           ドイツ留学中に親しくなった現地男性に好意を持たれ、不本意ながら付き合うことになった。というのも私はその時も日本に彼氏がいて、彼と別れたくはなかったからである。じゃあ二股かけるなよという話だが、彼のメンヘラ気質はその時から滲んでいたのに、私が愚かにも平和的に断ろう、諦めてもらおうという、誤った方策を取って案の定失敗してなしくずしに交際が始まってしまった。それから終わらない自己嫌悪と鬱が始まるのだが、そうした記憶も遠くから見ればエンタメだと思うのでこうして自虐的に書いてみる。

          メンヘラと戦いながら抑うつしながら就活した記録

          フェミと揶揄されてもどうでもよくなった

           不満を述べればこの時代はそういうのにうるさくなっただとか苦笑いされて、声を上げずにいれば問題提起をしてこなかった女性側の問題だとされる。なんなのだ。私だって別に男女間の対立を生みたい気は毛頭ないし、周りの人を不快にさせたくない。だけれども、では、黙っていれば分かってくれるのか?  留学中、就活中も然りだが、様々な人と出会うライフステージで毎度毎度自分が女性であるということが原因で不愉快な思いをさせられた。前者では特に日本人女性が性的に客体化されやすいこと、後者では女性の割

          フェミと揶揄されてもどうでもよくなった

          4番目のかな

          書きたいところだけ書いた短いやつ。  母は私を「かなよ」と呼んだ。 小学校に上がって初めて私の戸籍上の名が(その時は「戸籍上」などという言葉では覚えなかったけれど。)加奈だと知って、先生たちに呼ばれる「加奈ちゃん」に戸惑った。配られたプリントに書く「かな」を物足りなく感じた。それほどまでに徹底して母は私を「かなよ」と呼んだし、あだ名が尊重される保育園までは私は正式に名付けられなくても問題にならなかったのだ。  「かなよ」の理由が分かったのは中学2年生の頃だ。自分の名前の

          4番目のかな

          渡独283日目 みあげるベルリン

           月曜は隔週で一限に授業があるのみなので、土曜から月曜にかけてベルリンまで足を延ばしてきた。主な目的は第二次世界戦争や冷戦関連の展示をめぐるためだったので、本来は陰鬱な冬のうちに訪ねてあまり光の差さない中を考え考え歩きたかった。いつの間にか6月になってしまい、ひどく熱くまともに食えぬまま2泊3日を過ごしたが、それもよかったかと思っている。光の差す中で見たい展示がいくつかあった。  初日は長距離バスに揺られて18時頃にベルリンに到着し、ホテルにチェックインして屋台のカリーブル

          渡独283日目 みあげるベルリン

          架空の母性 補足

           以前投稿した素人現代短歌について、親しい人から感想を聞く機会があった。私の表現力不足がため、伝わっていないことが多かったので、みっともなくも自分で補足を書いてみる。 題『架空の母性』について  当然私には子もなく、言葉通りの母性なるものは存在しないと思うのだが、それでも子供が居たらこうなのか、どんな感動を覚えるのだろうかと、ふと思いつくことがあるのが不思議だった。リアリティに欠けるので小説などにできる術はないが、その情景を短歌くらいにまとめようと試みた結果である。  書き

          架空の母性 補足

          へなちょこ現代短歌 架空の母性

          踏切の/そばの大東/建託を/買ってしまえよ/僕は変わった 中敷に/挟まる砂利と/潰された/梅のがくご覧/君はうぐいす 記されざる/二寸伸びたる/君の背に/かかる髪の毛の/まだ柔いこと 準備して/いってらっしゃい/気を付けて/団栗はあまり/ひろってこないで 友訪ね/君欠きし盆/昼過ぎの/やっと履きたる/タイトスカート

          へなちょこ現代短歌 架空の母性

          児童向け、への憧憬

           小さいときに覚えた歌詞というものはこの歳になっても思い出すもので、小学校の合唱団に入っていた時好きだった節は今でもふと思い出す。高校以上向けの合唱曲になると葛藤を歌うものが多いが、小中学校向けはいい。作詞が谷川俊太郎のものや、ポップス曲を合唱に起こしたもの、明々朗々とした歌詞が多い。  最近ふと思い出したのが少年少女のための合唱組曲『わたしが呼吸するとき』だ。「わたしが呼吸するとき 星はひかり 森の獣たちは寝返りを打つ 走り出すシマウマの群れ ~ オーロラは踊る あなたが

          児童向け、への憧憬

          渡独226日目

           長く筆が止まってしまった。ここには書けないけれど人間関係をもつれさせてしまい、喫煙を再開したり、感情が決壊に至るまでの猶予が今までより少なくなり、頭痛や耳鳴りにも表れるようになった。今は小康状態を保っており、余裕が出てきた。やはり文章などというものは孤独を持て余した人間が書くもので、社交、気に掛けるべき人々、満ち足りた愛、みたいなものを多く持っていては自ら書こうなどとつゆ思わぬのだろう。具体的なテーマはないがとりあえず最近の動向を書く。  先日コーヒーミルを買った。あと数

          渡独226日目

          渡独 125日目 フランクフルトの治安

           12月23日から翌年8日まではクリスマス休暇だったので、ウィーン、フランクフルト、オランダの三都市(デルフト、マーストリヒト、アムステルダム)を回っていた。どこも印象深かったが、かねて治安が悪いと注意を聞いていたフランクフルトが最も混沌として香ばしかったのでそこから書いてゆこう。  フランクフルトへはレーゲンスから3時間ほどICE(新幹線のような扱いの特急電車)に乗って一本で済む。とはいえ南ドイツバイエルン州からオランダ方面へずっと北へ向かうので、多少の文化や方言差を期待

          渡独 125日目 フランクフルトの治安

          渡独115日目 胸

           人よりも美術が好きとは言えそうなものの、審美眼やら知識やらに富んでいないので、大抵の美術館を見て回る過程で特に琴線に触れぬ展示群にあたる。美術と名のつくものを理解せんとする自分の知的さに悦に入らずとも、素直に心にビビ、とくるものを眺めるだけで十分満足できているが、折角目の前に機会が展示されているのに自分で対象を狭めるのも感受性を枯らしていきそうじゃないか、ともったいなくも思っている。何せ不勉強なものだから、少しでも退屈に思うものを切り捨てていったら、ルネサンス以前の西洋絵画

          渡独115日目 胸

          渡独77日目 ドイツの煙草は

           写真のように物々しい。「喫煙は肺を悪くします」という文句と、喫煙に由来する疾患をイメージさせる何種類かの写真はほぼすべてのたばこ製品にプリントされている。私の吸っているゴロワーズは22本8ユーロ(今は円安で1ユーロ145円ほどなので、ひと箱の煙草が1000円を超えるわけだ。)というのも殆どが税金だろう。購入へのハードルが高めに設定されている。  その割に喫煙者はよく見かける。統計的にも日本よりドイツのほうが喫煙所の割合が高いが、それ以上に分煙がされていないことが見かけの喫

          渡独77日目 ドイツの煙草は

          渡独71日目 伝われ課題作文

           ドイツ文学に関する授業を一つとっている。留学生向けとはいえ、私ほどの言語レベルの学生が対象となっているとはいえ、なかなかこれがみんな喋れる奴だから委縮してしまう。取りたい人が好みで選択できる授業だからそこそこ余裕のある学生しかいないのだろうが、おかげで毎回気が重い。内容が面白いのでとりあえず続けてはいる。授業が終わるころには言いたいことが言えない悔しさで窒息しそうになるものの、まだ耐えられている。  今回の課題はE・T・A ホフマンの『砂男』から、登場人物の視点で日記をつ

          渡独71日目 伝われ課題作文