Digital Thinkers Conference DAY1 まとめ
DAY1に行われたスピーチのまとめです。気の向くままに随時更新!
※スピーチはYoutubeにもアップされていくので、そちらも公開され次第、リンクを貼っていきたいと思います。
DAY2のまとめはこちら
カンファレンスの全体感についてはこちら↓
Design Generalists: We’re not special, and that’s okay
“何でも屋さん”と評されがちなデザインジェネラリストですが、ジェネラレリストならではの特異スキルについて語ってくれました。彼女いわくジェネラリストに必要なのは6つのスキル。
1. 戦略的であること(長期的な戦略を見極め、適切に課題設定しビジネスを成功に導く)
2. 証拠、根拠ドリブンであること(データと上手に付き合う)
3. 強いストーリーテリング力(ユーザー視点で語り人を巻き込む)
4. システム思考であること(複雑性の中から本質を捉える)
5. 高い協調性(仲間と協力し、早期に決断する)
6. 並外れた適応力(常に新しいこ学ぶこと、変化することに寛容になる)
“スペシャリスト”でないことを気にするより、これだけの”スペシャル”があることに目をむけてみては?というとてもポジティブな気持ちになれるスピーチでした。
Molly Nix(Design lead at AirBnB)
https://twitter.com/mollycnix
https://mollynix.com/
Key Experience Indicators for Product Management
体験の指標を計測するときはきちんと詳細に、しかるべき文脈(タイミング)で、対象は本当に大事なものにフォーカスしようというお話。GoogleのHeart Frameworkを用いながら、陥りがちな罠についても語っていました。
最後に調香師の例を出して、デザインも似ていると言っていたのが印象的でした。調香師は何十年も訓練し、何千という香りを嗅ぎ分けることができるようになる。一般にそんなに嗅ぎ分ける必要はないけど、彼らは嗅ぎ分けられるから香水を作ることができる。デザイナーも同様に、深い観察と見分ける眼を養い続けなければと痛感しました。
Tomer Sharon(Managing director, Head of User research & metrics at Goldman Sachs)
https://twitter.com/tsharon
http://www.leanresearch.co/
The Art and Science of Naming
良いネーミングがなされていると、コンセプトと一致し、プロダクトのイメージを喚起させるので、より受け手の記憶に残りやすくなる。その、大事なネーミングを決めるにあたって、まず留意すべき4つの項目は以下。
1. プロダクト、サービス独自の名前(固有名詞)をつけるか、一般的な名前(一般名詞)をつけるか決める。ほとんどのケースで、よほどの理由がない限りは一般的な名前を用いるのが◎。既存のルールがあればそれに倣う。
2. 使用コンテクストの確認。(Appで使う?Webのどこで?メールのテキストコミュニケーションで使う?など)
3. スコープの確認。(将来性がどれくらいあるのか?その成長に耐えられる名前になっているか?)
4. 競合の確認(こういうとき、だいたい考えていることは皆同じだったりするので、競合を知るのは大事)
闇雲にアイデア出しをする前に、まずはこれらを考え、構成を練ろう。そしてネーミングに関して、リサーチでデータを得るのは良いけれど意思決定を委ねるのはNG。
彼女の話から、ネーミングの決定には戦略性も直感も絡むので非常に複雑。さらに終盤のストレス耐性チェック(音感はOK?多言語化して問題ない?法務的にOK?SEO対策は?など)にも時間はかかるから、後手にまわさず早い段階からスタートするのが本当に大事だなと感じました。
Sophie Tahran (Condé Nast)
https://twitter.com/STahran
http://www.sophietahran.com
Irrational Users—A look at behavioral economics in product design.
行動経済学!と聞いてなんだか眠くなってきちゃった?というアイスブレイクから始まったこちらのスピーチ。人間は必ずしも合理的に判断を下しているとは限らない。
ダニエルカールマンのファスト&スロー的なこと(直感的な思考と、分析を要す深い思考)、現状維持バイアスの話を展開しながら、これらは良くも悪くも使えてしまうけど、デザイナーは有効に活用してユーザーをよりよい意思決定を下せるようデザインしようというお話でした。
また、パブロさんのスライドはとってもかわいいアニメーション満載で、聴衆を飽きさせない小ネタが随所に散りばめられ、awwwwards常連の余裕を感じるスピーチでした。
Pablo Stanley (InvisionApp)
https://www.pablostanley.com/
Are you really a design driven company?
Squarespaceでは大きく、ブランドデザインチームとプロダクトデザインチームがあるものの、ひとつのクリエイティブチームとしてゴール、目標を持っているそう。それぞれ貢献の仕方は違えど、世に出る全てのアウトプットに”
Squarespaceらしさ”を持たせる責任を担っているとのこと。
効率的にらしさを保つ例として、徹底したモジュール化のお話がありました。例えばSNS投稿用のテンプレート。誰が使ってもSquarespaceらしいクリエイティブになるよう計算されていて、デザインの民主化が社内でも浸透しているそうです。
デザインのモジュール化について、自由度が限定されると捉える人もいるかもしれないが、効率化できるところは効率化し、もっと次の創造性に時間を使おうと言っていたのが印象的でした。
Satu Pelkonen & Tom Sears (Squarespace)
https://www.squarespace.com/
Fighting e-commerce sameness
近年のいき過ぎた同一性(sameness)について。特にEコマースの領域において、多くのブランドがWebのベストプラクティスに頼りきりで、オンラインでのブランドらしい体験を再現できていないのでは?と警鐘を鳴らしていました。
彼は実店舗での体験も、オンラインでの購入体験も、すべてひとつのブランドとして全体で捉え、ギャップを埋めることにチャレンジしているそう。
ベストプラクティスに倣ってばかりでなく、ベストプラクティスを作り出そうと言っていたのが印象的でした。
Daan Klaver (Build in Amsterdam)
https://www.buildinamsterdam.com/cases
Time = Money
Munawar Ahmed (Fjord, part of Accenture Interactive)
https://www.fjordnet.com/
The Outer Dark
"フューチャリスト"と名乗る彼の仕事は、アートとテクノロジーの交錯を通じて新しい夢をみること。そして新しいテクニック、体験、ツール、そしてメソッドの可能性の実証を試みることと話していました。
Rama Allen (The Mill)
http://www.themill.com/
Building modern fashion brands in a digital world
Pieter Konickx and Suchi Ahuja (B-reel )
https://b-reel.com/
Keeping Commerce Human with Etsy
Lyanne Dubon (Etsy)
https://www.lyannedubon.com/
What do you mean “Mailchimp-y”: Giving and receiving feedback on brand voice
リブランディングされ新しくなったMailChimp。その中でもMailchimpっぽさが特に現れるブランドボイスにまつわるお話。
1. 何を伝えるかから始めること(ボイスの語り口に傾倒しない)
2. ユーザーが使う瞬間と、メッセージのトーンを合わせる(利用文脈を見極めて、心地よい表現を選ぶ)
3. 全ての原則の比重がイコールではない(例えば、いつも”素直”で”正直”ですが、そもそもメッセージが単純明快であれば”通訳者”である必要はない。ユーモアも、使い所の見極めが必要。)
ブランドボイスはカラーなどと違って目に見えた解が出せない分、そのプロセスもアウトプットも複雑で分かりにくさが伴います。けれど、正しく作用している場合には言いようのない、ブランドの”らしさ”を感じさせる手段でもあり、改めて重要な要素だと感じました。
Whitney Homans (Mailchimp)
The Rise of Experience Design: 7 Observations
Scott Belsky (Adobe)