#03 THE GUILD勉強会「データ×UXデザイン」 (1/2)
THE GUILDさん主催の勉強会に参加してきました。3回目となる今回のテーマは「データ×UXデザイン」。
第一線で活躍されている4名の方よりそれぞれの取り組みについてお話を伺いました。本稿では前半の2つのについてレポートします。
認知バイアスを回避するためのアイデア検証プロセス
1人目のスピーカーは、dely株式会社の大竹雅登さん。
delyさんではデータを「意思決定のための材料」と位置付けているそうです。しかし、データ活用でよくある失敗パターンがこちら。
というわけで、ここからは改善プロセスおいて正しい意思決定ができる仕組み作りとについて、データとの上手な付き合い方も含めてのお話です。
delyさんでは、“モダンなプロダクトチームでのリーンなプロダクト開発(※1)”を行なっているそうで、改善フローは大きく2つのフェーズに分かれます。
今回は主にデザインフェーズでのアイデア検証プロセスについて。
PART1. 改善プロセスを整理する
デザインフェーズの改善プロセスには、
①課題事実(事実確認からの課題発見)
②原因仮説(なぜ?の仮説を立てる)
③解決策(具体的なソリューション)
という3つの要素が含まれます。
delyさんの例で、この一連の流れを見ていきます。
上記のグラフは、ユーザーがどのようなキーワードで検索しているかを示すデータです。
どうやら「「豚肉」でキーワード検索した人の離脱率が高い」という課題事実が見えてきます。(ここで大切なのは、自分の解釈を混ぜないこと。誰が見てもそうだね!と言える事実を設定すること。)
課題が設定されたら、次は原因仮説を立てます。
今回はこのふたつが仮説としてあがりました。
そして解決策の洗い出しです。
洗い出し方は主に2パターン。
他社事例から案出し、もしくはデザイン原則を基に組み立てる(HIGなどガイドラインに準じるなど)という方法で行なっているそうです。
アイデア(解決策)を出す際、情報をロジカルに整理しておくのもポイントですが、この時点で必要以上に制度を出す必要はないとのことです。
PART2. アイデアを検証する
ここまで定量的なデータを基に、解決策の洗い出しまでを行ってきました。
そしていよいよ解決策(アイデア)の検証です。
ここでは、ユーザーテストをメインに定性的なアプローチで検証を行います。
ユーザーテストの良いところは、定量データの数字だけでは納得感が得られなかったような策に対しても、実際に目の前でユーザーに使ってもらうことです。
また、問題に“肌感”で問題に気づくことができ、スピードを保ちながら検証を回すことが可能です。
さらに、大局的な視点で事実を捉えることで、そもそもの原因仮説に問題が判明することもあります。
以上が、デザインフェーズでのアイデア検証プロセスの取り組みになりますが、より確度の高い解決策のみを実装フェーズに移すことで、チーム全体が無駄な時間を費やすのを未然に防ぐこともできます。
データは意思決定のための材料として、用法用量を守って正しく扱いましょう!
★あわせて読みたい★
・(※1)なぜモダンなプロダクトチームによるリーンなプロダクト開発が必要なのか
・リーンなプロダクト開発におけるデザイナーの役割
UX/UIを高度に改善!AIを有効活用するためのポイント
2人目のスピーカーは、アドビシステムズ株式会社の山田智久さん。
山下さんは、エクスペリエンスビジネス部のシニアコンサルタントとして、デジタルマーケティングの分析から試作実行などに従事していらっしゃるそうです。データを用いたUX/UIの改善施策において、効果的にAIを組み合わせるには、どんなことに留意しておくといいのか、というお話でした。
改善において、定量データを用いた分析はとても重要です。AI(機械学習)を組み合わせることで深掘りがしやすくなりますが、あくまでもAIは”手段”なので、あらかじめ活用イメージが描けていることも重要です。
最初の留意ポイントは、AIでカバーする範囲を理解しておくこと。
プロセスのどこにAIを投入するか、どこは人間がやらなければいけないのか整理しておく必要があります。
ふたつめのポイントは、目的と目標の間を言語化、指標化すること。
その際、指標とディメンション(セグメント)の違いはきちんと区別することも大切です。
3つめのポイントは、「分析」と「施策」は分けて考えること。
分析(パターンの分析、セグメント特定,、etc…)
施策(アロケーション、パーソナライズ、etc…)
これら3つのポイントを整理できて、ようやく具体的に用いるAIの種類やの話に入ることができます。
論点をきちんと言語化、分類して、より効率的に分析にAIを有効活用しましょう!
後半に続く…
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