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Day3. ハードウェアエンジニアに聞く、センサー選びの要所

ひとりでIoTまるっとチュートリアル Advent Calendar 2018 
3日目の記事です。

ある意味IoTの心臓部かもしれません。どうやってデータを集めるか。
そう、「センサー」によって、全体的なアーキテクチャや、ソリューションの根本的な質も大きく変わってきます。

実際にハードウェアを取り扱っているエンジニアに直接聞いて、まとめてみました。下記ラインナップで紹介していきます

・どこでセンサを買う?
・センサを選ぶときの判断基準は?
・センサをテストするときはどうやるの?
・最近あった面白いセンサは?

どこでセンサを買う?

エンジニア : 最近はネットで買うことが多いです。秋月電子などはセンサにかかわらず電子工作部品のあらゆるものが売っているので、とても重宝します。aitendoは安いですが、技適が通っていないものもあるので要注意です。

秋月電子 : 取扱品種が豊富。納期も短い。
switch science : 取扱品種が豊富、自社開発のオリジナル製品もある。
aitendo : 中国製品が多い、安いが品切れが多い。
旭テック : 高品質なものが多い。納期は長い。

センサを選ぶときの判断基準は?

ごまんとあるセンサの中から、どのようにして選ぶのか。次の5点くらいに着目します。

☑ マイコンへの接続性
☑ Digital or Analog
☑ 駆動の仕方
☑ Linearity
☑ 割り込み性能

 - 通信のタイプI2Cとか、SPIなどを見て判断する(この当たりのプロトコルは、5日目に詳しく話す予定です!)
 - 最近だとマイコンとセンサがセットでモジュールになっているものもある(BLE内蔵センサとかがここ)

エンジニア : 仕様書を見て、どういうピンが利用できるかを確認することがまずはじめにすることですね。

 - デジタルのほうが性能がいい場合が多い
 - アナログだと、10bit分解能が通常
 - デジタルだと、12bitとか、16bitなどもある

ちなみに仕様書はこんな感じです

エンジニア : どちらがやりやすいというわけではないですが、意識しておくといいでしょう

 - 電源電圧(昔は5Vだったが、今は3.3V)
 - 5Vだと、電池2本じゃ動かなくなる。
 - 電源レスのものも嬉しい

エンジニア:何Vで動くかが大事です。5Vでは電池2本で動かせない!というのが割と大事なポイントです。中にはリードスイッチのように、電源レスのものもあり、その場合はとても楽です。

- センサへの入力を徐々に大きくしたとき、出力が入力に比例して増えるか。

エンジニア:もちろん素直に直線性がある方が良いです。直線性がないものに対しては、センシングされた値を、直線性のグラフを用いて補正しなければいけないので、面倒です。しかし、圧力センサなどはlinearityに乏しいですね。。


- 衝撃があったとき、安全性確保のために、コンピュータに割り込みを出せるかどうか
- 体感で半々くらいのセンサに実装
- 参考 : 作業効率を高める「割り込み」とは?

エンジニア: 例えばCPUなど、落としたときに、ポーリングで次を待っているだけでは間に合わない可能性があるので、危険なときにはすぐに動作を止められるような加速度センサが必要です。

センサの性能をテストするとき

エンジニア:届いたセンサが現実の仕様に足るのかと合うのかを調べておく必要があります。

【チェックする項目】
☑ 精度
 - 1Vの入力で、本当にきちんと1Vが出るか。
 -  大体ばらつきがあるので、ソフトウェアの計算で解決することもある。
 - 試すときに値が信頼できる入力が必要
☑ linearlity
 - 入力に対して、出てくるデジタルの値をプロットし、直線になるか
 - 試すときに値が信頼できる入力が必要
☑ 温度特性 :
 - ドライヤーで温めると違う値になったりする。
 - 半導体だと、電気抵抗が下がってくるので、テストしておく必要がある
耐久性
 - 製造業だと、割と劣悪な環境にセンサを置くことは多い
 - 振動耐性、防塵性や耐熱性などのチェックはしておきたい

最近見た面白いセンサーは?

imaimai : 最後に、最近見た面白いセンサとかってありますか?

エンジニア : うーん、CEATECなどにも行きましたが、センサの新しさでめぼしいものは特にはありませんでした。それよりも、既存センサとデータ分析技術を組み合わせた取り組みのほうが面白いものが多かったなという印象です。

imaimai : なるほど。掛け算で新たな価値が創出できますもんね。

エンジニア : この前のCEATECで面白かったのが、村田製作所さんが取り組んでいたの場の雰囲気の可視化です。例えば面談の発言比率や声のトーン、顔の表情や相手を何回見たか、などで親密度を数値化するようなものです。 
参考 : 場の雰囲気を可視化する実証実験

センサもIoTの文脈ではあくまで課題を解決する手段なので、どんな課題を解決し、どんな目標を解決できるかというのが大事になってくるわけですね。ややこしいセンサを使って、簡単な問題を難しく解くのではなく、難しい問題を簡単なセンサを使って鮮やかに解きたいものです。

まとめ

さてさて、長くなりました。ですが、センサを選ぶ際の参考になったのではないでしょうか。こうしてみると、とても奥が深いですね。
センサ選びを間違って公開しないよう、しっかりと選定・テストすることが大事ですね。

明日は電子回路の設計の仕方です。是非ご覧になってください。

まだQiitaの購読をしていない方はこの機会によろしくおねがいします!
ひとりでIoTまるっとチュートリアル Advent Calendar 2018 

ではではっ

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