見出し画像

サウナに学ぶプロダクトマネジメント

こんにちは、imaimaiです。
CADDi プロダクトチーム Advent Calendar 2024 
16日目です。今年も残りわずかですね。

ところで、皆さんサウナには行きますか?私はかなり好きで、週1~2回のペースで行きます。以前こんなことをしています

好きが高じて、大工ワークショップに毎月参加し、サウナ室を作ったりもしています。先日、初めてストーブに火入れをし、アガりました。

水風呂を作る私
まだ作成途中の小屋の外観
火の入った薪ストーブ

いざつくり手側にたつと、色々とサウナに行ったときにも目線が変わり学びが深いです。温度の乱高下に朦朧としながらも、Sauna as Productを感じるときがあります。

目に見えない部分に意識を向ける

良いサウナの条件ってなんでしょうね。巷のサウナの宣伝を見てみると「温度が高い」「水風呂が冷たい」「ロウリュが30分毎にある」など、機能を売りにしたものが多く見受けられます。

地方に旅行したとき、ちょうどオープンしたてのサウナを発見しました。ロウリュや複数の水風呂など、抑えるべきポイントをきちんと抑えていて大満足でした。1年後、また同じ場所に行く機会があったので「せっかく良いサウナだったから、また行こう」とリピートしたところ、室内の匂いがかなりキツく不快さを感じます。機能は揃っているのにかなり残念な感じに終わってしまいました。

思い返せば、人気のサウナは外観がいくらボロボロでも室内は常に清潔に保たれているように思います。サウナセンターとか好例ですよね。放っておくと清潔さが失われやすい場所だからこそ、何倍も注意を払っています。売れるものと使い続けられるものの違いもこのあたりにあるように思います。
「目に見えないところまでどのくらい意識を向けられるか」が非常に重要だなと感じた例でした。

改善のサイクルを素早く回せ

一方こちらは好例です。とある宿泊施設に3ヶ月で2度行く機会があり、大浴場に備え付けられたサウナが大きな進化を遂げていたという話です。
1度目は、まだサウナが出来たばかりで、そこまで特徴的でも、「まあ一般的なホテルにあるサウナかな」くらいでした。そこにはアンケートが置かれていたので、いくつか要望を書きました。
するとその3ヶ月後、再び行くと様相がガラリと変わっていました。

これらの改善がきちんとサウナ好きのツボを抑え、それにより質を劇的に向上させることに成功していました。
また、副次的効果もあります。そのサウナでは、私がアンケートに書いた要望の一部も反映されていました。ノせられた私は非常に嬉しく思い、またアンケートを書いて帰りました。

プロダクトの初期段階で100%うまくいくことは稀です。その時に必要なのは、改善を回す心と案を出してくれる協力者です。素早い改善サイクルには短期的な機能向上だけではなく、ユーザーにプロダクトを自分ごと化させ、中長期的にも改善できる仕掛けを作る効果があるのを感じました。

愛を持って意思を込める

今年、旅行でサウナ界のレジェンドである「らかんの湯」に行き、大変感銘を受けました。尖ったコンセプトのサウナはあれど、総合力でここを超えることは今後ないのではないかとさえ思います。もっとマイナーでイカした穴場サウナを見つけたい思いもあり悔しいですが、はっきり言って最高でした。
景色・休憩スペース・サウナ・水風呂、どれをとってもオーナーのこだわりが感じられます。

こんなき素晴らしいサウナを作った人はどんな人なんだろうと気になり、社長の小原嘉久さんのインタビューを読み漁りました。その中でも下記のインタビューが好きなので抜粋します。

「実家の手伝いをすると決めて、28歳で帰ってきた春に、ツツジが一面バーッと満開に咲いた風景を目の当たりにして、国籍、性別、年齢も関係なく、人類共通の美意識に訴えかける『全人類の財産』だと思いました。小さい頃から見尽くした景色のはずなのに、改めて見ても本当に美しかった」
“御船山という唯一無二の素晴らしい自然資産を遺したい”という原点。それが小原の旅館経営の精神的支柱になっていく。
(中略)
「DJをやっていた時から、“オーディエンスとの関係性”は常に考えていたんです。独りよがりの曲を流していても全然盛り上がらないし、流行りの曲じゃ個性がなくなる。やっぱり個性を出しながらも、共感してそれを共有してもらうことが大事だと思うんです。旅館経営も作曲のように、人だったり料理だったり庭だったり、いろんなパートを上手く構成して魅せることが重要。本当にクリエイティブな仕事だと思います」

32歳で12億円の借金……大切なものを失ったDJが「御船山楽園ホテル」で“究極のサウナ”を目指すまで

私は意思が伝わってくるプロダクトが好きで、かくありたいなと思います。そのプロダクトを通して何を伝えたいのか、どういう世界を作りたいのか。
そしてそれを示すには、愛が必要だなと思います。プロダクトのこと、そのプロダクトを使うユーザのことを誰よりも考えることで、自分が作りたい世界観をプロダクトに込めることができるのだと思います。

御船山楽園ホテルを建て直したオーナーのように、自分が好きな環境で、こだわり抜いたプロダクトが作れると最高だなと思います。

プロダクトの強さの根源は見えづらいところに

さてキャディでは製造業のAIデータプラットフォームを目指してプロダクト開発に日々取り組んでいます。

生成AIの発達など、技術もある程度コモディティ化している中で我々のプロダクトも、機能面では真似できることは多くなってくると思います。ただ、目に見えない箇所をきちんと作り込むこと、そしてきちんと考えて素早い改善サイクルを回す学習能力を組織的に持つこと、ユーザ解像度を高く持ちこだわり抜く姿勢が、中長期的な優位性を築くと信じています。

我々は「大量の」「機密性の高い」「非構造的な」データを扱っており、これを適切に扱うために、フロンエンドからインフラに渡るまでやオペレーションなどの様々なstackを必要としています。そしてそれを安定的に提供・リカバリーするためにもさらにアドオンが必要です。
これらは顧客が見るような機能比較表には現れないオペレーションエクセレンスであり、このような一見して分かりにくい、組織オペレーションや文化における差異が、最も長期的な優位性を築くと思っています。
製品「機能」に代表される目にみえる「違い」が時間を追うごとに模倣され、競争優位性としては消えていきます。このような違いは短期的には重要ですが、長期的な事業成長には組織OSと「プロセス」から創出される違いこそが優位性になります。これを本質的な成長機会と捉えて、淡々とアセットを積み上げましょう。

CPO白井の社内slackより抜粋。サウナでの気付きと大体同じこと言っています


そして何より、プロダクトに関わる全員が今後起こり得る未来、ユーザの姿をイメージしてワクワクしています。
プロダクトの魅力については他の人の記事に任せますが、チャレンジしがいのあるプロダクトに携われているなと感じています。

募集しています

ところで私は今、キャディでData & Analysis部に所属しています。プロダクトづくりのために、全職種募集中なのですが、特にプロダクトをAIやデータを使って革新的進歩を生み出せる人たちを募集しています。
事業に興味がある方、ぜひアツい話をしましょう。事業はまだピンと来ない人で、まずはおすすめのサウナを共有したい…でも構いません。お待ちしています!

ML Engineer
Machine Learning Engineer / キャディ株式会社

MLOps Engineer
MLOps Engineer / キャディ株式会社

Data Engineer
Data Engineer / キャディ株式会社

カジュアル面談
カジュアル面談申し込み_エンジニア・UI/UXデザイナー / キャディ株式会社



いいなと思ったら応援しよう!

imaimai
サポートいただけると励みになります! よろしくおねがいします!!