『ボードゲームよもやま話』ゆる~く紹介する18XXの世界
いつものように、この記事は『アナログゲームマガジン』の連載の一つとなり、記事途中までお試しで読むことが出来ます。月額500円(初月無料)の『アナログゲームマガジン』を定期購読いただくと、わたし以外のライターの記事も、購読期間中は読み放題です。あわせてご検討ください。
■はじめに
前回の記事を書いた時にアナログゲームマガジンのメンバーのうめゆさんに「18XX知らなくても書けばいいじゃない(大意)」と言われたので書こうということになりました。
前回の記事【特集】アナログゲームマガジン大賞~イズミ賞~|イズミ
昔の話ですが18XXを理解しているリアル知人の数名に18XXの紹介書籍を作ってみませんか?と打診した事もあるんですが、良い返答はなかった感じだったりしましたね。
そんな感じなので、今回はもしかしたら間違った知識を披露してしまうかもしれませんがご容赦ください。
■18xxのプレイ出来るサイト
BGAほどプレイしやすいわけではないですが、ネットで18XXがプレイ出来るサイトが18XX.Gamesです。
利点としてはタダでプレイ出来て、細かい処理のある部分ではシステムが自動で行ってくれるのでルール把握に不安がある場合などプレイし易いです。
注意点としては言語が全て英語なので読めない人にはプレイしにくい点と、コミュニケーションをとりながらプレイするにはLineとかディスコードなどの外部ツールが必要な所ですかね。
新たなゲームを始めるには「CREATE A NEW GAME」で「Multiplayer」で対戦ゲームが出来る感じです。「Hotseat」を選択すると一人回しが出来るので、ルール把握するためにやってみるにもいいかもしれません。
■18XXは稼いだ者が勝つ
18XXは基本的に鉄道会社を運営する株式のゲームです。
今回の記事はこの「基本的に」という言葉をよく付けることになると思います。それは全ての18XXを知っているわけではなく「おそらく多くの18XXがそのようになっている」と私が認識していたりするからです。
また、18XXではタイトル毎に細かいルールのバリエーションの違いがよくあるのでそう表現しています。
ゲームの勝利条件はゲーム終了時に他のプレイヤーよりもお金を保有していることです。また、ゲーム終了時には鉄道会社の株式は現金化して勝利条件にカウントするはずです。
ゲーム終了条件は基本的に銀行の破産です。ゲームの準備でプレイ人数に応じて用意したお金が、鉄道会社の運営によって全て獲得されたらゲーム終了タイミングとなります。ただし、終了条件なのでそれ以上お金を獲得出来ないわけではありません。
■18XXは鉄道の株式ゲーム
18XX は株式会社のゲームなので、プレイの単位は鉄道の会社ごとになります。そして、その鉄道会社がどういうプレイをするか決定出来るのがその会社の社長です。社長は基本的にその会社の株式を一番もっているプレイヤーが務めます。まあ株式ゲームでは普通のことですね。
多くの18XXはSR(株式・ストックラウンド)とOR(運行・オペレーションラウンド)が交互に来ます。ゲーム毎にORが複数回あるゲームなどの差がありますが。
社長がその鉄道会社がどういうプレイをするのか決定すると先に書きましたが、社長を決定するための株式の売買をするのがSR(株式・ストックラウンド)です。
そして、鉄道会社がプレイするのがOR(運行・オペレーションラウンド)です。鉄道会社のターンが来ると、鉄道会社は線路を引いた後に運行して、運行をすると収益が発生します。社長はその収益をその会社の株を持っているプレイヤーに分配するのか、それとも会社の資産として内部留保するのか決定します(半分分配する等のゲームもある)。
ここで得たお金によってプレイヤーは新たな株式を購入したり、会社は新たな性能の列車カードを購入したりします。
大まかな流れとして、プレイヤーは会社の株を買って、鉄道会社は列車を走らせてお金を稼いで、銀行のお金を全て取りきったらゲーム終了ということですね。
■変なフェーズシステム
18XXは昔のゲームなのでゲーム用語が現代的でないところがあると思っています。それがフェーズです。
ボードゲームのフェーズというと大体が2種類の表現の仕方で、1人のプレイヤーの手番の中でフェーズがあるものと、全プレイヤーが順番に1つのフェーズを行っていくもの。その2つが一般的かと思います。
18XXでのフェーズはそれらとは意味合いが違います。なのでルールを読む時などちょっと混乱してしまう時があるかもしれません。18XXでのフェーズは「時代」とも呼べるものです。
18XXのフェーズはきっかけとなるアクションをすると切り替わります。多くは新たな性能の列車カードを購入することが条件になっています。列車は基本的には低性能の列車カードからしか購入できず、またフェーズが進むと低性能の列車カードは破棄するというルールがあります。
また、フェーズが進むと出来る事が変わってきます。線路ヘックスタイルがより高いものを置けるようになったり、逆に会社は列車を持てる数が少なくなったりします。
また18XXのフェーズの変な所はゲームの準備の段階から始まり、実際にプレイングの始まるのはフェーズ2からという扱いになってたりします。これにはそれなりに理由がある感じですが、慣れない人間には惑う点でもあります。
ポイントとしては18XXの「フェーズ」は一般的なボードゲームのフェーズとは違うもの。18XXの「フェーズ」は「時代」とも呼べそうなもの。
■変なオークション
18XXにはさまざまな種類の会社が登場します。鉄道会社も大中小と分けられたりすることもあります。18XXの代表的なタイトルの1830にはプライベートカンパニーという会社が登場します。プライベートカンパニーには特殊な能力と固定の収入が発生します。
1830ではゲームのはじめにプライベートカンパニーをオークションするタイミングがあります。そのオークションが割りと変なオークションの方法だと思っています。
まず、プライベートカンパニーは価値の順番に競りに出されます。プレイヤーの手番が回ってきたら出来るアクションが3つあり、そのうちの一つを選択します。
一つは先頭のプライベーカンパニーを即座に購入する。一つは先頭ではないプライベートカンパニーにより高い値段をつけてビッドする(ビッドは5金単位で行う)。一つはパスをする。
そして、ビッドをしていたプライベートカンパニーが先頭に来た時に、一旦手番プレイヤーのターンを停止して、その先頭に来たプライベートカンパニーにビッドをしていたプレイヤー達だけでの競りを行い、決着したらまた手番プレイヤーのアクションに戻る。
1846ではこのようなプライベートカンパニーのオークションを行わないが(そもそもプライベートカンパニーの無いゲームもあるかと思う)、多分、このオークションを採用しているゲームは一定数ありそうなので紹介しておいた。
ちなみに、ゲームに影響を与えるような特殊能力をゲームが始まる前にプレイヤーに算定させてオークションさせるというのは、なかなか高度な要求をしていると思う。アグリコラのカードドラフトも同じような事だと思っているが。
ここから先は
アナログゲームマガジン
あなたの世界を広げる『アナログゲームマガジン』は月額500円(初月無料)のサブスクリプション型ウェブマガジンです。 ボードゲーム、マーダー…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?